国王「勇者よ、魔王を倒すのじゃ!」

勇者「邪智暴虐の限りを尽くす悪の大魔王を倒して世界に平和を取り戻すんですね!」

国王「いやなんか違うんだけど」

勇者「はい?」

国王「ほぼ私怨なんじゃが」

勇者「はぁ・・・」

国王「かくかくしかじかまるまるうまうま・・・」

勇者「あーそれはまあ確かに」



国王「じゃろー?!ほんと『あ、こいつないわマジ殺そう』ってなったわけ」

勇者「あー」

国王「だからまあ頼む」

勇者「任せてください!」

国王「そなたには女神の加護がついとる」

勇者「なるほど、ということは死んでも・・・」

国王「いや普通に死ぬ」

勇者「えっ」

国王「加護がついとるからって油断したら死ぬから気を付けて頑張れよ、と言おうとしたんじゃよ」

勇者「なるほど、気を引き締めろということですな」

国王「その通りじゃ」

国王「あとちなみにさっき行ってた悪の大魔王だけど倒すのそっちじゃないから」

勇者「えっ」

国王「なんか普通の魔王の方」

勇者「そいつは悪い奴じゃないんですか?」

国王「いやそいつも普通に嫌な奴だから倒していい」

勇者「あ、なら良かったです。悪を滅ぼすのが俺の宿命ですから」

国王「立派じゃの。悪の大魔王の方は人間の軍隊が全力で叩きのめしつつあるので、勇者は安心して魔王を討伐してくれ」

勇者「あ、そうなんですか、じゃあ世界に平和が訪れるのも時間の問題ですね」

国王「そういうことじゃ」

国王「旅立つそなたに装備を与えよう」

聖剣
聖盾
聖鎧(全身一式)
50万G

勇者「す、すごい・・・せいぜい良くても銅剣と鉄の鎧くらいかと・・・」

国王「奮発して集めてきたんじゃ。期待しておるぞ」

勇者「ありがとうございます!」

国王「城下の酒場には屈強な強者どもが集まっていると聞く。旅の仲間に誘うと良かろう」

勇者「ありがとうございます、行ってみます」

勇者「私怨とはいえ悪人だ。頑張って懲らしめよう」

勇者「にしても食後のデザートの時間を魔物の襲撃で邪魔されるなんて気の毒に・・・」


〜酒場〜

勇者「やあ、こんばんは」

店主「あの、もうラストオーダーの時間終わってるんで・・・」

勇者「なんと、これはしくじった」

勇者「店の外で客が出てくるのを待っているとするか・・・」

──────────────

勇者「お、出てきたぞ・・・やあ、こんばんは」

戦士「やあ、どうした」

勇者「実はかくかくしかじか・・・」

魔法使い「それで旅の仲間を探してるってわけね」

戦士「そりゃあ、俺たちはそこそこ強いし役に立つと思うが・・・どうする?」

魔法使い「私は構わないわよ?」

僧侶「あー、私はそういうのは、ちょっと」

勇者「あ、でも報酬は弾むよ、なんならこの場で10万Gずつ渡しても・・・」

僧侶「あーなんかそういうんじゃなくてなんか、うん、」

勇者「あっ全然無理強いとかするあれじゃないんで、うん、ごめんね」

僧侶「あっ、ううん全然、ごめんごめん。」

戦士「僧侶はまあそういうあれじゃないしな」

魔法使い「まあ三人いれば大丈夫でしょう」

勇者「そうか、じゃあ早速出発だ!」

魔法使い「今、夜の12時よ?それに私達酔っ払ってるし。」

勇者「あ、じゃあ明日にしよう、ごめんごめん、張り切っちゃっててさ」

戦士「じゃまた明朝に」


〜翌朝〜

勇者「さあ行こう!」

戦士「まずは情報収集か・・・」

魔法使い「魔王の城の場所が解らないとどうしようもないからね」

勇者「人に聞いて回ろう、まずはあっこにいる男性に訊ねてみよう」

勇者「やあ、こんにちは、つかぬことをお聞きするのだが、魔王の城の所在を知らないかい?」

町人「ああ、知っているよ」

勇者「なんと」

町人「魔王の城の場所、行き方、最短ルートから最安ルート、観光ルートから何から何まで知っているよ」

勇者「なんと」

戦士「逆に怪しいな」

町人「怪しいことなんかないさ、ここの道を真っ直ぐ行ってかくかくしかじか・・・」

勇者「なんと一人目からいきなり全ての情報を知っている人に出会ってしまった」

魔法使い「あっけないわね」

戦士「罠かもしれんぞ、気を付けよう」

勇者「そうだな、それにしてもアテは無いので言われた通り港町へ向かおう」


〜平原〜

勇者「モンスターが襲ってこないな」

魔法使い「その装備見て襲ってくるほどモンスターも馬鹿じゃないってこまね」

勇者「なんかこう、なんというか勇者的なあれがないなあ」

戦士「大したあれも起こらないしな」

魔法使い「なんか僧侶も居ないしね」

戦士「ああ、なんかなあなあな感じで不参加になったな」

勇者「しかも酒場入ったらL.O終わってるとか言われて外で待ってたんだよ俺」

戦士「まあ旅を続けていけば[村の近くの洞窟に棲む恐ろしいモンスターに悩まされているから助けてくれ!]みたいなあれもあるかな」

魔法使い「そうだといいわね」

戦士「きっかけも所詮私怨だし釈然としない感じのあれで終わらないと良いんだがな」


〜港町〜

勇者「港町についたぞ!」

魔法使い「あんまり活気が無いわね」

戦士「船で大陸を渡るんだったな?」

勇者「ああ、しかし少し疲れたので今日はそこの酒場で一杯やって休もうじゃないか」

魔法使い「そうしましょ」


〜酒場〜

勇者「しかし本当に一匹もモンスターにあわなかったな」

戦士「まあ良い事じゃあないか、何事も無く無事に終われば」

魔法使い「そうね、それにしてももうちょっとベタさがあっても良い感じはするけどね」

バタァーンッッ!!!

海賊「酒をよこしやがれーーー!!!!」

勇者「!?」

海賊「なんだてめぇら、見ねえツラだな・・・」

勇者「俺は勇者だ。魔王を倒す旅をしている。貴様こそ何者だ!」

海賊「俺か?俺はなぁ、ここらの海一帯を仕切る海賊様だあ!!!」

戦士「なるほど、この港町はこの海賊どもに支配されてるってワケか・・・」

勇者「罪のない人々を苦しめて金品を巻き上げたり酒を奪ったりしているんだな!」

魔法使い「どうりで街にあまり活気が無いと思ったわ」

勇者「悪党は許さない!この港町から手を引くんだ!さもないと・・・斬る!」

海賊「はあ?なぁ〜に言ってやがんだ!俺を斬るだってぇ?ハッハッハ!やってみやがれってんだ!
おい、お前らァっ!!」

かいぞくは なかまをよんだ!

ゾロゾロワラワラ・・・

子分1「お頭に手ぇ上げようってのか?お?」

子分2「んなこたぁ海坊主が許しても」

子分3「おれっち達が許さねえでやんすよ!!」

海賊「ぐわーっはっはっは!そういうこった!怪我ァしたくなかったらすっこんでな!」

勇者「ぐっ・・・多勢に無勢か・・・卑怯だぞ!」

海賊「ハッハッハ!なんとでも言え!おい、店主はどこだ!!」

店主「はいよ、あ〜、ご予約の?」

海賊「ああ、今4人だけど後からもう3人来る。酒をよこしやがれ!!」

店主「あちらのご予約席へどうぞ」

勇者(!?)

勇者「マスター。」

店主「はい」

勇者「彼らは海賊だな?」

店主「ええ、ここらの海一帯を仕切る海賊ですね」

勇者「ということは町人を苦しめたり漁師を攻撃したり」

店主「いえ、そういうあれではなくて・・・」

勇者「・・・どういうことだ」

店主「いえね、ここらの海は高級魚がよく穫れましてね、大陸側からの密漁船がよく来るんですよ、
その密漁船を彼らが襲って我々の港町の漁師を助けてくれてるわけです。」

勇者「それでみかじめ料をたんまり取って」

店主「いえいえ、そんなことはしませんよ、彼らも昔は漁師でしたからね。」

勇者「・・・・」

海賊「おい店主!フィッシュアンドチップス2つだ!!!」

店主「はいはい、ただいま」ザッザクッ トントントン

戦士「街に活気がなかったのは・・・」

店主「あ〜、まあ休日はこんなもんでしょうよ、みんな朝が早いからさっさと引っ込んで寝ちまうんですわな」ジュ〜

勇者「そ、そうだったのか」

店主「まあ口は悪いですがね、悪いやつじゃあないですよ」ササッ

トンッ

店主「フィッシュアンドチップスおまち」

海賊「うわははは!!いつも悪いな!!!!」

勇者(常連か)

勇者「なんかあれだったな」

戦士「そうだな、なんかこう」

魔法使い「『お、ついに来たか!?』って思ったけどそうでもなかったわね」

勇者「まあ平和なのは良い事だがな・・・」

戦士「結局あのおっさんに奢ってもらっちゃったな」

勇者「ああ、儲かっているんだろうな・・・」

魔法使い「ま、無事に済んで良かったじゃない!今日はもう休みましょ」

勇者「そうだな」


〜翌日〜

勇者「よし、船を探そう!!」

戦士「向こうの大陸への連絡船は無いらしいから、誰かに乗せてもらわないとな」

魔法使い「昨日の海賊のおっさんにあたってみましょうよ」

勇者「名案だね」

勇者「あの、昨晩はどうも・・・」

海賊「ん?おお、おめえらか、どうした?」

勇者「向こうの大陸へ渡りたいんですけど」

戦士「良かったら船に乗せてもらえないかと思ってな」

海賊「う〜ん・・・」

海賊「乗せてやりてえのは山々なんだが、実はちょっと事情が悪くてな」

勇者「・・・と言いますと?」

海賊「俺らの船にゃ特殊な部品でよ、かぜおこしの石っつー魔法石が組み込まれてるのよ、昔行商から買ったもんでな、それを使うと船はすげースピードが出るわけよ」

勇者「はあ」

海賊「それが昨晩、酒飲んでる間に盗まれちまってな、そいつがないと大陸付近の急流は越せねえのさ」

勇者「なんと・・・」

海賊「盗人どもから石を取り返すか、西の鉱山の奥深くまで潜って取ってこなきゃなんねえんだが、どっちも危険なんだよなあ」

戦士「西の鉱山には何かあるのか」

海賊「ああ、ボストロールっつーとんでもねえバケモンが棲んでんだ、人間なんかあっという間に食われちまう。
一応子分に向かわせてはいるが・・・ま、無理だろうな・・・」

勇者「ふむふむ、ということはその盗人共のアジトから石を取り返すか」

戦士「西の鉱山のバケモノを倒して石を採掘してくればいいんだな」

海賊「簡単に言うがおめえさんがたよ、どっちも無理な話よ。次の行商人が売りに来るまで石は・・・」

勇者「俺達がやりますよ、なんとかして石を手に入れてきます」

海賊「はぁー!?無理だって、危険過ぎるぜ」

魔法使い「なによこう見えて私達、結構強いんだから」

海賊「そうは言うがよぉ・・・しかし」

戦士「何、無理を頼んでいるのはこちらなんだ、これくらいのことはしないでどうする」

勇者「盗人のアジトの場所は?」

海賊「おそらく盗みを働いたのは、東の洞窟をアジトにしている盗賊団の連中だ。この辺じゃ悪事を働くのは密猟者かあいつらぐれえしか居ねえからな
しかし奴らの親分ってのも結構な強者って聞くぜ。なんせ団員70人の盗賊団だ。ケチな盗みをしやがる嫌な連中だぜ。」

戦士「ふむ、西と東か、どちらから行くか・・・」

海賊「俺ぁどっちもオススメできないがね・・・」

魔法使い「勇者はどうしたらいいと思う?」

勇者「盗賊のアジトへ向かい石を奪取・・・できれば盗賊団を壊滅させよう。悪党は滅ぼさなきゃ!」

勇者「それに恐ろしいモンスターといえどボストロールは野生のモンスターだしね。人間に生活を脅かされる言われはないだろう」

戦士「なるほど、それではまずは東の洞窟に向かうか」

勇者「うん、いよいよ『ぽく』なってきたな。」

戦士「ああ、頑張ろう」

魔法使い「やっときたわね、こういうベッタベタな展開が」

海賊「ん?何いってんだお前ら?」

勇者「いやいや、こっちのはなs」

子分1「お頭〜〜〜〜〜ッ!!!!!」ダッダッダッ

海賊「おお、生きてたかおめえ!!!」

子分1「へえ、なんとか・・・それより見てください!!獲ってきやしたよ!石!!!」

勇者・戦士・魔法使い「「「・・・・・・・・・・・・。」」

子分1「いやね、行ってきたんですよ西の鉱山に。奥深くの場所でしてね」

海賊「ボストロールは?」

子分1「眠ってやしたよ!そんでやつがグースカこいてる間に、ちょろっと持ってきたわけですわ」

海賊「でかしたぞ!!!なあ、お前ら!これで大陸へ渡れるぞ!」

勇者「あ・・・ああ、はい。そうですね・・・ありがとうございます」

魔法使い「子分くんもありがとうね・・・」

子分1「へへっ、お役に立てたようで光栄でさぁ」

海賊「そうとくれば、早速出港だぁ!おめえら、準備しな!!!」

子分達「アイアイサー!!!」


〜船上〜



    ↓魔法使い     ↓戦士       勇者↓

                    / ̄ ̄ ̄ ̄\
            / ̄ ̄ ̄ .;;       ;ヽ
      / ̄ ̄         ;; ィ●ァ  ィ●ァ;;
          ●ァ ィ●ァ   ;;        ;; 
     y●ァ    y         ;;   c{ っ  ;; 
     ノ      く、っ     ;;  __  ;;;       ザッパ〜ン・・・ザザ〜ン・・・・    
    (、っ     '__      ;ヽ;;  ー  ;;/  
     '__     ヽー     ;;;;\;;  ;;/
      ー     ;\     ;;/   ;;  ;;
      \      ;;..    ;;   ;;  ;;
             ;;   / ̄ ̄ ̄      ̄ ̄ ̄\
          / ̄ ̄  ;;              ;;
     / ̄   ;;      ;;              ;; 



〜大陸側の港町〜

海賊「着いたぞ!」

勇者「本当何から何までありがとうございました」

戦士「初めは悪者かと疑ってかたじけない」

海賊「ぶわっはっはっは!!酒ぇ飲んでりゃそういうこともあるって!」

勇者「あの、これ20万G・・・乗船料ってことで」

海賊「ハァ!?!?!?!?そんな大金を?!?!」

子分「別の港町の連絡船だったら200Gで渡れやすぜ」

勇者「いや、なんて言うかその・・・こうしないと気が済まないっていうか昨日のお酒もあれですし、あの、本当いいんで受け取ってください」

海賊「はぁ・・・そこまで言うんなら受け取るけどよぉ、おめえさんがた一体・・・」

勇者「まあ、なんていうかちょっとなんかあれなんですけど勇者一行ってことで・・・」

勇者・戦士・魔法使い「「「・・・・・・・・・・」」」

勇者「なんかあれだな」

戦士「ああ、これはちょっとあれかもしれないな」

魔法使い「こう・・・なんというかスッキリしないわね」

勇者「あ!」

戦士「どうした?」

勇者「せめて盗賊のアジトだけでも壊滅させてくればよかったかな・・・」

魔法使い「あー・・・なんかされるがままに船乗っちゃったもんね」

勇者「罪滅ぼしというか何かをした感出す為に20万G払ったけど」

戦士「かなり大金だな」

勇者「もともと自分で稼いだお金じゃないから全然心が痛くない・・・」

戦士・魔法使い「「・・・・・・・・」」

勇者「気を取り直しいこう、まだ旅は始まったばかりだ」

戦士「しかし最短で来ているからもう中盤を過ぎているだろう」

魔法使い「呆気無いわ」

勇者「城下を出て今日で何日だ?」

戦士「出たのは昨日の朝じゃないか」

魔法使い「呆気無いわね」

勇者「せめて、この街で何か・・・」

戦士「もう段々目的が変わってきているな」

魔法使い「仕方ないわよ、人は安心や安定を求めるものよ。ベタな展開、お決まりのパターン」

勇者「平和と混沌の間で葛藤している・・・まあいい、今日はここで宿を取ろう」


〜宿〜

勇者「はあ・・・」グビッ プハァ

戦士「まあ、ため息も出るな」

魔法使い「イベントがあれだものね」

勇者「そもそも最初からおかしかった。勇者が旅立つ動機って普通何?」

戦士「まあ『王様に頼まれて、世界平和のために』・・とか?」

勇者「そこだよ、もう!何だよ!『私怨なんじゃが』って何だよ!!」

魔法使い「王様も気まぐれね」

勇者「気まぐれどころじゃないよ・・・しかも普通最初の装備って『普通の剣、普通の防具』でしょ?」

戦士「それが初っ端そのめちゃくちゃな装備だもんな」

勇者「おかげでモンスターとの戦闘も始まらない・・・」

勇者「君たちさ、女神の加護って知ってる?」

戦士「ああ」

魔法使い「話には聞いた事があるわ」

勇者「俺はそれを受けていて、君たちもパーティだから恐らく知らず知らずのうちにそれを受けてるはずなんだが」

魔法使い「えっ!?じゃあ私達、死んでも蘇生されるの?」

勇者「いや、普通に死ぬ」

戦士「なんだそりゃ」

勇者「俺が聞きたいよ全く!」

魔法使い「城下の酒場も何かあれだったわね」

勇者「そう!!普通はさ!酒場で話しかけて、僧侶と魔法使いと戦士を!仲間にするんじゃないのか!」

戦士「ラストオーダーで入店拒否ってなんだよな」

魔法使い「気が利かない店主だったわね」

勇者「しかも僧侶仲間になんなかったし」

戦士「まああいつはああいう感じのあれだからな」

魔法使い「それにしても断る流れじゃなかったけどね」

勇者「君たちは知り合いだったの?」

戦士「ああ、各地のギルドで依頼を受けて日銭を稼いでたのさ」

勇者「そうなのか」

魔法使い「まあ、フリーターみたいなもんよ」

勇者「そういえばそこそこ強いとは言っていたけど、レベルは?」

戦士「78」

魔法使い「82」

勇者「そこそこどころか十分すぎるよ!!!なんだよ!戦闘起こらないとかそういう問題じゃないじゃないか!」

戦士「まあ起こっても問題ないからな」

勇者「だいたい、港町のあれもそうだよ」

戦士「あそこは決定的だったな・・・」

魔法使い「海賊さんね」

勇者「普通はさ、港町を荒らす海賊どもを退治して、『ありがとうございました、お礼に船を使ってください』だろ」

戦士「特殊な職業の連中もいるんだな」

魔法使い「結構普通にいい人達だったわね」

勇者「そう。彼らは悪くないんだ、全く悪くない。悪くないことが悪い、と思ってしまうこの現状が悪いんだ」

戦士「ややこしいが俺たち的にはそうなるな」

勇者「その後だよ、その後」

魔法使い「あれは正直『これはないわ』ってなったわね。」

勇者「いよいよだよ。盗賊団のアジトを壊滅させて、船を借りようって時にだよ」

戦士「全くもって正義を執行するタイミングがないな」

勇者「本当その通りだよ!イベントが全体的に『○○が○○だったけど○○だったから大丈夫だった』で解決してるんだよ!!!」

戦士「ああ何かそんな映画を見たことあるなそういえば」

魔法使い「恋した相手が生き別れの兄弟だから無理かと思ったけど実は違ったので大丈夫だった、のやつでしょ、私と見に行った」

戦士「それそれ」

勇者「なにはともあれ、苦労しないどころか徒労すらない旅なんて味気ないよ」

戦士「まあ、まだ旅は終わらないんだしさ、この先の街とか、魔王城とかで一悶着あるかもしれないだろ」

魔法使い「あまり気を落とさず頑張りましょうよ」

勇者「今のところ何も頑張っていないんだよ・・・」

戦士「城下で聞き込みしたあの奇跡的な男のトラップっていう可能性がまだあるしさ」

魔法使い「それもそうね、気を抜かないことだわ」

勇者「そうか・・・それもそうだな。よし、今日はもう休もう。」


〜翌朝〜

勇者「この港町は平和そうだね」

戦士「海賊らしきものの姿も見かけないな」

魔法使い「賑わっていて良いわね、私何か買い物していこうかしら」

ドンッ

魔法使い「キャッ!」

子供「・・・・」ダッ

タッタッタ・・・・・

魔法使い「何よあの子、ぶつかっていって謝りもしないなんて・・・」

勇者「ま、まさか・・・おい、財布が盗られてないか?」

魔法使い「あっ・・・・・・・・!!!」

魔法使い「あ、あったわ」

勇者「そうか。」

戦士「なんかこう、良いとこまではいくんだがな」

魔法使い「今の感じよかったのにね」

勇者「むぅ・・・」

戦士「先へ進もうか」


〜砂漠〜

勇者「この砂漠を超えれば魔王城は目の前だ。」

戦士「町人の話によると、途中に集落があるからそこで宿を取って、回復してから魔王城へ向かおう」

魔法使い「この長い砂漠を一日で超えるのは大変だものね」

勇者「よし、進もう」

ザバァッ!!!

勇者「!? 砂の中からモンスターが?! ・・・サンドワームか!!かかってこい!」ジャキッ

ザザザ・・・

戦士「と思いきや勇者の装備を見るなり逃げていった」

勇者「何なんだよもう!!」


〜砂漠の集落〜

勇者「モンスターどもめ、結局ザバァッ(登場)、ザザザ(退場)の繰り返しじゃないか」

戦士「もはやちょっとしたアトラクションだったな」

魔法使い「宿を取って、明日砂漠を超す分の水を調達しましょうよ。」

勇者「そうだね」

勇者「ごめんください」

宿屋「いらっしゃい、旅のお人か、どちらから?」

勇者「城下の方から、魔王を倒しに」

宿屋「勇者様ご一行様ってわけか!こいつぁ失礼したね。しかし悪いね、今の村の状態じゃ大したもてなしができねえ」

勇者「何かあったんですか?」

宿屋「元々この村は、ちょっと東に行ったところにあるオアシスから用水路をひいていたんですわ」

勇者「ふむふむ」

宿屋「しかしちょっと前に、そのオアシスに突然でっけえーワニのモンスターが現れて、呪いの魔法でオアシスの水を止めちまいやがったのでさ」

勇者「そうだったんですか」

宿屋「ええ、飲み水が中々手に入らねえもんで、料理もままならねえんですわな。それにそのバケモン、恐ろしいことに度々村に来ては村人を食っちまいやがる・・・」

戦士「恐ろしいモンスターだな、退治した方がいいんじゃないか」

宿屋「しかし村に腕の立つもんはいねえし、何よりドラゴンほどでかいモンスターなんだよ、かないっこないさ」

勇者「我々が退治しましょう。水がないと我々もこの先の砂漠を超すのに困りますから」

宿屋「あ、この砂漠を超すくらいの水の備蓄ならあるんで持ってってくださって結構ですぜ。おいら達は地中のカエルしぼった水飲んでりゃ大したことはないんで」

勇者「それではダメなんだ!!!!!!(憤怒)」

宿屋「へ、へえ・・・まあ退治してくれるってんならありがたいんですが・・・。そうだ、やつを退治できた暁にゃ、立派な馳走と酒を用意させていただきやすよ」

勇者「ありがとう」

宿屋「へへ、何もない所でして・・・これくらいしかできませんで申し訳ない限りでさ」

勇者「いやいや、いいんですよ。」

宿屋「外は暑い、今日はどうか部屋に上がって休んでいってくだせえ」

──────────────

戦士「危なかったな」

勇者「危なかった」

魔法使い「水の備蓄あるから持ってっていいよが出てくるとはね」

戦士「砂漠の民は逞しいな」

勇者「うっかりふたつ返事しなくてよかったよ」


〜翌日〜

勇者「よし、出発しよう」

戦士「オアシスは東だったな」

魔法使い「行ってみればそいつが居るかしら」

勇者「そうだな、とにかく向かってみよう」

勇者「いよいよって感じだね!」

戦士「ああ、今度こそだな!」

魔法使い「み、見て!!あのデカイのがそうじゃない?」

ギャオォォ・・・・ キシャァ〜・・・!!

ドォン・・・・

勇者「な、何だあれは・・・!?」

戦士「巨大なワニと・・・特大サイズのサンドワームが争っているぞ!!!」

勇者「ま、まずい!!急げ!!!!」ダダダッ

キシャァ〜・・・・!!

ズシーン・・・・・・・・・・・───

勇者「ま、間に合わなかった・・・ワニのモンスターが・・・」

戦士「サンドワームに負けてしまった・・・」

魔法使い「呪いがとけて、用水路に水が戻っていく・・・」

勇者「・・・・・・・・チクショオォォォォォーーーーーーッッッ!!!!!!!!」

宿屋「やぁー勇者様!!さっき用水路に水が戻ってきましてね、本当によくやってくださった!」

勇者「いえ、そうじゃなくて・・・」

戦士「実はかくかくしかじか・・・」

魔法使い「私達、何もしてないのよ」

宿屋「あー・・・そうだったんですか、砂漠はワームの縄張りですからねえ・・・地下の水までヤツが独占しちまって、ワームの親玉がブチ切れたんでしょうなあ」

勇者「はあ・・・」

宿屋「いやなに、勇者様がたにお手数かけたのは間違いねえんだ、どうか今夜はゆっくり馳走になっていってくださいな!」

勇者「それじゃあまあ、お言葉に甘えて・・・」

勇者「・・・・・・・」ガツ・・・ガツ・・・

戦士「・・・・・・・」ムシャ・・・ムシャ・・・

魔法使い「・・・・・・・」グビッ

戦士「・・・『また』だったな」

勇者「・・・・ああ」

魔法使い「『オアシスを占領する悪いモンスターが現れたけど先住民のサンドワームが倒してくれたから大丈夫だった』わね」

勇者「・・・一文に纏めないでくれ」

戦士「虚しくなる」

宿屋(こ、この人達一体どうしたんだ・・・)

勇者「しかし今回は徒労くらいにはなったんじゃないか」

戦士「そ、それもそうだな、結構歩いたし」

魔法使い「そうね、一応そういうことにしておきましょうよ」

勇者「・・・気が滅入るな。まあいい、明日はついに魔王城に到着だ。心してかかろう」

戦士「そうだな、今日はもう休もう」

魔法使い「魔王は普通に魔王だといいわね」

勇者「そうだな・・・この分だと、少々不安だが・・・」

勇者(魔王城では流石に数々のトラップや四天王が待ち受けているだろうが・・・)

勇者(どうにかして活躍のできる、波瀾万丈な冒険になるといいんだが)


〜翌日〜

勇者「お世話になりました、あの、これ泊めていただいたお礼に」

宿屋「10万G!?!?!!??う、受け取れねえよぉこんな大金は!!うちの宿賃は130Gだぜ?!」

戦士「しかしあれだけ馳走になったしな」

宿屋「あれだってせいぜい200Gぐらいのもんですぜ」

勇者「いいからッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

宿屋「─────ッ!?」

勇者「・・・いいんです、受け取ってください、受け取ってくれないと、俺・・・」

宿屋「へえ・・・、そこまで言うんでしたらありがたく受け取りやすが・・・。」

勇者「お世話になりました」

───────────────────

戦士「何かをした感出すため料か」

勇者「ああ、しかし・・・まあいい、進もう。敵はもうすぐだ。」


〜魔王城〜

勇者「ついにラストダンジョンだな」

魔法使い「最初にして最後のダンジョンね」

戦士「結局あの町人の情報も全部デマでもなければ罠でもなかったな」

勇者「そうだったな・・・奇跡的に全ての情報を知っている究極に親切な人だった」

魔法使い「本当にいるものなのね、聖人みたいな人が」

勇者「そうだな・・・・。よし、突入しよう。」

勇者「これは・・・毒沼か」

戦士「そのようd・・・・・いや、まて」

戦士「これただの色水だ」

勇者「ぐ、ぐぬう・・・・・」

戦士「中は不気味だな」

勇者「しかし・・・何もないな」

魔法使い「そうね・・・・・キャッ!」

バカッ────

戦士「落としあ─────!」

ストンッ

魔法使い「な・・・じゃないわね」

戦士「浅っ」

勇者「なんだよこの罠!!罠とも呼べないよ!!!!」

魔法使い「間違えて階段一段飛ばして降りた時みたいな感じになってちょっと冷や汗かいた程度よ」

勇者「ぐぐ・・・・俺達をコケにしているのか・・・!!」

戦士「まあ何事もなくて良かった。先へ進もう」

戦士「モンスターは全然居ないようだな」

魔法使い「嘗められてるのかしら」

勇者「直接は関係ない敵だけど、だんだん魔王が憎くなってきたな」

戦士「完全に怒りの矛先になってるな」

ズォッ  ドドドドド・・・・

魔法使い「!? 天井が落ちてくる!?」

ドドドド・・・ゴォ・・・・

戦士「ま、まずい─────ッ」

戦士「─────ッハァ!ハァッ、ハァッ・・・・・・!」グググ

勇者「せ、戦士!!!大丈夫か!!」

戦士「ここは・・・俺が一人で押さえる・・・・お前たちは先に・・・行けっ!」グッ・・・

魔法使い「でも・・・・!」

戦士「いいからっ・・・・早く行くんだっ・・・すぐに追いつくっ・・・・!!!!」グ・・・

勇者「戦士・・・・・・必ず・・・戻ってこいよ!!」ダッ

戦士「あっ・・・・ちょ、ちょっとタンマやっぱ一緒に行く」

勇者「何・・・・・あ」

戦士「なんかこの天井・・・この位置で止まった・・・」

戦士「完全にコケにされた」

魔法使い「今のこそ、って感じだったのに・・・」

勇者「・・・魔王を滅ぼす。」

戦士「ああ。」

魔法使い「やりましょう。」

勇者「王様は・・・そうだ、言っていた。俺がそいつも悪人なんですかと聞いたら嫌な奴と」

戦士「・・・・」

魔法使い「ビックリ箱的なものを渡されて蓋を開けてみたものの不発だった感があるわね」

戦士「しかもそれを意図的にやってきている」

勇者「くそっ・・・・」


〜魔王の間〜

魔王「勇者はもうじきか」

側近「はっ、そのようです」

魔王「クックック、我が魔王城のトラップにハラワタが煮えくり返っておろうな」

側近「あっ今ワープゾーンのトラップに辿り着きました。どのワープホールに乗るか悩んでいるようです」

魔王「あのどれに乗っても行き先一緒のワープホールか・・・ククク」

側近「一発クリアーです」

魔王「だろうな」

側近「怒ってますね」

魔王「クックック」

側近「あ、今四天王のところに着きましたね」

魔王「全員同じビジュアルの色違いでしかも同時に出てきて属性攻撃もしてこないそんなに強くない四天王か」

側近「一撃ですね」

魔王「だろうな」

側近「どうなってやがんだよオオォォーーーーーッ!!!と叫んでます」

オ・・・・・・ォ・・・・・・ォ・・・・・・・・

側近「ここまで聞こえて来ましたね」

魔王「相当おかんむりだな」

バタァンッ!!!

勇者「魔王オオオオォォォォォーーーーーーッッッ!!!!!!!」

魔王「ついに来たか」

勇者「貴様・・・・貴様だけは・・・・・・・ッッ!!!!」

戦士「散々俺たちをコケにしやがって!!!!」

魔法使い「このフラストレーション、あんたで晴らさせてもらうよ!!!!!」

魔王「クックック、よくきたな、愚かな人間の勇者よ・・・」

勇者(ビジュアルと口調は普通の魔王っぽい・・・・いいぞ!)

魔王「今すぐ滅ぼしてやっても良いのだが・・・少しだけ前口上を述べさせてもらおうか」

戦士(良い感じだ)

勇者「ふん、冥土の土産に聞いてやろう」

魔法使い(決まったわね)

魔王「貴様らの冒険にはどこか違和感があっただろう・・・私怨の国王、死んじゃう加護、過保護な装備、
    ラストオーダー過ぎた酒場、ついてこない僧侶、攻略本並の町人、
    襲ってこないモンスター、悪くない海賊、始まらないおつかいイベント、
    妙に強い味方メンバー、スリっぽいだけの少年、倒す前に終ってるボス・・・」

勇者「な、なぜそれを・・・」

側近「私の千里眼で監視させていただいておりました」

魔王「その他にも様々な違和感があったはずだ・・・そして我が城のトラップ・・・これが何を意味するか解るか?」

戦士「ま・・・まさか・・・」

魔王「ククク・・・余が貴様に王道なイベントになんなくて全体的にパッせずなんかあれな感じになる呪いをかけていたのだ!!!」

勇者「ッ・・・・!!!!!」

魔王「『運命をつかさどる魔法』とでも言おうか・・・勿論、この旅の間の出来事、すべて余が仕組んだわけではない」

魔王「この呪いが貴様らをそういう感じにさせたのだ・・・クックック」

魔法使い「ひどい・・・なんでそんなことを・・・っ!」

魔王「余は・・・何度も人間と争い・・・勇者に封印されては復活し、また争い・・・繰り返してきた」

魔王「人間は余を封印し、世界は平和になり、勇者は讃えられ、伝説になる」

魔王「しかし、それでは結局・・・余はいつまで経っても人間に勝てないのだ、復活せども、復活せども・・・」

魔王「人間の持つ、予定調和・・・運命力・・・そういったものを乱さなければ、余に勝機はない」

魔王「だから呪いをかけてやったのよ、おかげで貴様らの精神はボロボロ・・・ククク」

魔法使い「なんて・・・なんて嫌な奴なの!!!」

戦士「しかしそれもここで終わりだ・・・」

勇者「貴様をここで滅ぼすッ!!!!行くぞみんな!!」

魔王「それも叶わぬッッッ!!!!!」

勇者「!?」

魔王「クックック・・・ここまでズタボロにしたのに、まともに戦って勝たれては結局は同じこと・・・」

魔王「余は・・・寿命だ・・・・・・貴様らの戦いは・・・ここで終わり・・・・」

魔王「貴様らの旅は・・・釈然としない気分のまま・・・単にうざい魔王を・・・倒さずに終わる・・・・余の・・・・勝利だ・・・・・」

勇者「させないぞッ!!!魔王ォーーーーーッ!!!」ダダダッ

魔王「呪いは・・・・解けんよ・・・」ガクッ

魔法使い「・・・・・・・・・・」

戦士「・・・・・・・・・・」

勇者「・・・・・・・死んだ」

勇者「・・・・・・───チクショオオオォォォォーーーーーーーーッッッッ!!!!!」

側近「魔王様・・・お疲れ様でした・・・・・。」

勇者・戦士・魔法使い「「「・・・・・・・。」」」

側近「魔王様は死にました。パッとしない感じになる呪いは解けたでしょう」

勇者「・・・そうか」

側近「私を殺りますか?あなた方の実力であっても5ターンくらいは戦えますが」

勇者「いや・・・やめておくよ、もう」

戦士「ああ・・・」

魔法使い「蛇足になっちゃうしね」

勇者「この冒険は蛇ですらなかった気もするけどね・・・」

側近「私はこれから魔界へ帰りますが」

勇者「そうか」

側近「魔王様の呪いが解けたのであれば、悪の大魔王を倒しに行ってみてはいかがですか?」

勇者「!!」

側近「今度こそ波瀾万丈な冒険ができると思いますよ」

戦士「そうか、それもそうだな!」

魔法使い「名案ね!あなた中々良い奴じゃない」

側近「魔王様は満足してお逝きになられた、それはあなたがたのおかげでもありますから」

勇者「ありがとう、精神的にすごくモヤモヤした旅でしかもラストもなんか釈然としない感じだったけど、今度は頑張るよ」

戦士「強敵を求めて新たなる旅に出る、か」

魔法使い「ふふ、それっぽいじゃない」

勇者「魔王、死んでしまったな」

戦士「しかし全部呪いの仕業だったとは・・・」

魔法使い「ある意味恐ろしい敵だったわね」

勇者「ストレスが半端じゃなかった。まあいい、一度国に帰って国王様に報告だ」

戦士「俺達の取り分ってどのくらいなんだ?」

勇者「どうだろうか?150万どっこいじゃないか?」

魔法使い「貰うのも憚られるような冒険だったけどね・・・」

戦士「それもそうだな・・・」

勇者「まあ、とにかく国に帰ろう」


〜王の間〜

国王「勇者よ、魔王を打ち倒しよくぞ舞い戻った」

勇者「は。(倒してないんだけどね)」

国王「そのお二方の、お仲間には200万Gずつ褒美を与えるように計らおう」

戦士・魔法使い「有難きしあわせ。」

勇者「ところで、国王様」

国王「なんじゃ?」

勇者「我々は、これから悪の大魔王を倒す旅に出ようと思うのです。」

国王「ああ、あやつならおぬしらが出て行った翌日に人間の軍隊が倒したぞ」

勇者「・・・・・・・・・チクショオオォォォォォォーーーーーッッッ!!!!!!!!!!」

〜おわり〜 
 
コメントの数(1)
コメントをする
コメントの注意
名前  記事の評価 情報の記憶
この記事のコメント一覧
1 . @  ID:65nes72b0編集削除
ジョーカー

コメントを書き込む

今月のお勧めサイト



週間人気ページランキング
アクセスカウンター
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

記事検索
月別アーカイブ
タグ
ブログパーツ ブログパーツ