15年くらい前バイトで某ISPのコールセンターで勤務していた。
常時150人稼働してても人が足りなくて電話がつながるまで1時間待ちがザラだった。
その日も同じくらい接続待ちが溜まってて、ウヘァと思いながら新しい電話を繋ぐと途端に怒鳴り声の嵐。
が、それはいつもの事なので只管謝罪。
普段なら5分も謝罪すればお客さんの本題に入れるのに、俺が出たお客さんは15分以上怒鳴りっぱなし。
ノイズキャンセラーや音割れ軽減機能が付いていたはずの
お高いヘッドセットでも聞き取れない状態なので、本来はやってはいけないが怒鳴り声を遮って
「申し訳ありません。大変お怒りなのはここまでのお話で重々理解できました。
しかしこのままではお客様のご希望をお伺いすることができませんので、何卒お怒りを一旦沈めてお話を先にお伺いできませんでしょうか?」
みたいなことを言って何とか話を進めさせた。
そこでお客さんから聞かされたのが、
「ISPドメインの迷惑メールが自分(お客さん)の稼働しているサーバーにメール攻撃を仕掛けていて、レスポンスが重くなって平常稼働できない。どうにかしろ!」
と、いうものだった。
えぇ〜迷惑メールかましてるユーザーの尻拭いかよーと思いながら、該当のメールアドレス、攻撃をしかけられたサーバーのアドレスを伺う。
ついでにメール窓口に問い合わせをしたという話が
途中で出てきたので、問い合わせ状況確認のためということでお客様のメールアドレスと連絡先を伺い保留。
その場で履歴やら情報を調べ出したのがそれが衝撃的だった。
1.お客さんの教えてきたURLを業務PCで開くと、瞬時にDOS画面のような黒いウィンドウを開き、嘘IPを表示してオタクのPCの情報掴んだから金払えという文章を表示させる悪質サイト。
2.お客さんは実は当時社会問題にもなっていたワンクリック詐欺系アダルトサイトの運営を行っていた。
3.メール攻撃を行っていたユーザーはこのお客さんが送り付けた迷惑メールに激怒してかれこれ1か月以上攻撃をしていた。
4.サイト名をメモしてググったところ、すでに被害者も出ているガチ犯罪者と判明。
なんというか、もう犯罪者のくせに被害者面してコールセンターに電話かけてくるのかよ・・・。
というのが自分にはとんでもない衝撃だった。
書き込んでから、これ追加したほうがいいかな? と思ったので一応補足というかこういう対応しましたって報告部分。
とりあえず犯罪行為の内容のため、上記を上司に伝えて犯罪者なので警察に。
と上申したところ
「うちはアウトソーシングでこんなことで警察沙汰になったら契約が切られる〜そうなったら貴方に責任が〜」
とほざきだしたので、もういいです。
と上司との話を打ち切って保留解除。
「お客様、大変お待たせしました。少々込み入った内容になりそうですので、一度電話切ってお待ちいただけますか?
あ、そうそう何かあったら技術者の派遣も視野に入れなければならないので、できればご住所も伺えますか?」
うろ覚えだけどこんな感じで情報収集。
電話を切った後、ISP本社のコールセンター運営の部署に連絡。
犯罪者が電話かけてきて情報を聞き出したので警察に連絡しました。
いいですね。
と許可を貰い、
続けてお客さんが住んでいる該当警察署に直接連絡。
必要事項を伝えて終了。
上司はずっとデモデモダッテを席の後ろで繰り返してた。
それから仕事のたびにそのお客さんから連絡がないか履歴を確認したり、家で該当のアダルトサイトを開いたりして確認していたが2週間くらいたった頃にサイトが消えていたので捜査が入ったのかもしれない
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