25才の時に、友達のダブルデートに付き合わされて来たのが当時19の嫁だった。
ビックリするぐらい可愛くて一瞬で一目惚れして、連絡先聞いてデートに誘いまくった。
でも嫁はお嬢様で
「その日はピアノのレッスンがあるんです…」
とか断られたり、たまに来てくれても、門限が早くて9時には家に送ってきた。
若かったし、ガードが硬い嫁よりもっと気軽な子と遊んだり、付き合ったりしながらたまに嫁ともご飯に行ったりしてた。
私はチャラチャラ遊んでる割に、実は読書とか映画見るのが好きで、嫁とは物凄く話が合って、お薦めを紹介し合ったりしてたけど、
30才の時に私が関西に転勤になってしまった。
それでも月2回程は長電話したりして、たまに嫁の方が電話越しに「実は彼氏ができました。」と言ってきたりもした。
そんなときは「良かったね!もし別れたらまた連絡してよ!」と冗談で言ったりしてた。
ほんとに別れて悲しいときは「どうしてますか?」と連絡がきたり、2年ぐらい来ない時はこっちから「どうしてる?」とメール送ったりしながら、10年ぐらい平行線の関係だった。
34歳ぐらいの時に関東に戻ることになって、久しぶりに嫁に会うことになったら、もうなんというか話が尽きなくて楽しすぎて、その週の週末が3連休で土曜日も会うことになった。
たぶんこれが人生を分ける日だったんだろうけど、土曜日軽くご飯食べてた店で、トイレに行った時に友達にばったり会った。
その友達が
「あの子彼女!?」
と聞いてきて、
「いや、友達だけど」
と言ったら
「めちゃくちゃ可愛い!!紹介して!」
と言われ、なんか嫌だなぁって思ってしまった。
席に戻って、嫁に
「友達に会って、可愛いから紹介して欲しいんだって…」
と言ったら、
「いいよそんなの。私興味ないから…」
と言われてちょっとホッとした。
それから、
「明日ももし空いてるならどっか行く?デートとか(笑)」
と冗談で言ってみたら、
「うん。」
と言ってくれた。
次の日待ち合わせに、凄く女の子らしいワンピースで来てて、
「一応デートだから」
って言ってるのを見て、「私もうたぶんこの子の事すきなんだな」って思った。
ベタな水族館に行ったんだけど、ずっと手繋いでみようか…だめかな…。
って事ばっかり考えてた。
最後のクラゲコーナーの薄暗い所で、
「ここなら暗いからって言い訳もできる」
と思いきって手を繋いでみたら、
一瞬顔が強張った後、チラッとこっちを見て、手を握ったグーのまま両手で顔を隠してクスクス笑いながら、
「ずっと手繋ぎたいなぁって思ってたの。なんか凄く緊張しちゃって魚あんまり覚えてない(笑)」
って小声で言われて、
ほんとにめちゃくちゃ可愛い!!って思ってしまった。
それからは手繋いだまま歩きながら色々話して、夕食食べに行った。
食事中も、10年間の色んな思い出話したり、楽しくて帰りたくなかった。
それで、
「もし良かったらウチで映画でも見ない?変な意味じゃなくてほんとに映画見ない?門限までに帰れるように送るから。」
と言ったら、
「もうこの歳で門限なんかないよ(笑)」
と言われ、一緒に家に帰りました。
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