私は6年前に結婚、4歳の息子アリ。
義父はごくごく普通のサラリーマン。
空気のような人。
でも義母はブティックに勤めていたことも影響するのか派手好きでブランド好きで貴金属好き。
スタイルもいいし服にも化粧品にもお金をかける。
まぁ、それは自分ちの家計内でやりくりしているのなら別にどうでもいい。
ダンナはそういう義母をみてそだったので、反動なのか地味な私を選んだ。
義母と初めて会ったときに言われた言葉が
「まぁ、こんないなかっぺ大将みたいな子と・・・プ)」
だった。
私の勤め先が地元の漁業組合の事務だったのだけれど、そのことに関しても
「あら、まぁ、そんな荒っぽいところにお勤め?だからそんなに服のセンスがないのね」
と。
チクリチクリと容姿や体型のことで嫌味を言われつつ、1ヶ月に1回くらいしか会わないし、まぁいっかーとすべてを聞き流していた。
でも子供が生まれてひとつ我慢できなかったことがある。
それは義母が安全性や機能性よりも「見た目」を重視すること。
服でもおもちゃでも自転車でも私が選んだ安全性が十分なものに対して、
「またそんなダッサイものを・・・こっちのほうがカッコイイのに・・・」
と見た目は良くても明らかに安全性がないものを押し付けようとする。
もちろんそれはきっぱりと拒否してきた。
それが義母は気に入らず、ずうっと腹の底にたまっていたらしい。
9月の日曜日、私は友人の結婚式に招待された。
その日は1日ダンナが子供を見てくれることになっていて、釣り好きのダンアは子供を連れて釣りに行くといった。
私は息子から絶対に目を離さないこと。
救命胴衣を着させること、自分も絶対に着ることを約束させ、ダンナも了承。
さ、家を出ようかというときに、近くまで用事で来たから〜とアポなしで義両親がやってきた。
私がこれから結婚式出席で出かけると言うと、嬉々とした表情で
「わたしがマゴちゃんをみるわ!!」
という義母。
ダンナが自分と息子は釣りに行くというと
「私たちも行く!!」
と。
息子もじーちゃんばーちゃんと釣り!!と大喜び。
家を出るときにもう一度ダンナに救命胴衣をつけることを念押ししていると、案の定義母が不満げな顔をして口を出してきた。
「あら、そんな変なもの着せるの。見た目が悪いわね、かっこよくないわ。ガラの悪い漁師のオジサンみたい」
「息子の命を守るためのものです。絶対に着させます。」
「え〜でも、すっごくカッコワルイ。それに暑いのにこんなの着せたらカワイソウ」
「海に落ちたらどうするんですか」
「いやぁねぇ、そんな落ちないわよ〜。だからそんなの着させるの止めなさいよ。カッコワルイわ」
押し問答をしていると、ダンナが義母に対して
「オカンがなんと言おうと着させる!カッコイイ、悪いという問題じゃない!!」
と切れて、義母もしぶしぶ黙った。
出発時の義母との口論が気になったけど、時間も迫っていたし、ダンナに
「絶対に救命胴衣を!!それでないと釣りは許さない!!」
と念押しして出発。
でもなんだか嫌な予感がしていた。
それが的中。
結婚式のキャンドルサービスの途中で携帯電話がなった。
ダンナからの着信。
嫌な予感を感じつつ出るとなんと息子が海に落ちておぼれたと。
救急車で運ばれていると。
もうね、心臓が止まるかと思うくらいびっくりした。
友人に断りを入れて速攻病院に行った。
息子は意識不明だった。
だんなの胸倉をつかんで叫んだよ。
救命胴衣はつけていなかったの!!??って。
あんたは何をしていたんだ!!って。
そしたら義母が
「マゴちゃんがじぶんで救命胴衣を脱いだのよ〜」
だと。
どういうことだ?とダンナ聞くと波止場に行って釣りを始めた。
そしたら義母が喉が渇いたからジュースを買ってきてとだんなに要求。
ダンナは大人が二人注意していれば大丈夫だろうと息子と義両親を残して5分ほど離れた自販機に飲み物を買いに出た。
戻ってみると波止場が騒がしい。
見ると息子がずぶぬれで波止場に寝ている。
隣には同じくずぶぬれのおじさんがいて息子に人工呼吸をしている。
義両親はオロオロしているだけ。
息子は救命胴衣を着ていない。
自分がここを離れるまでは着ていたのに。
義母に聞くと
「マゴちゃんが暑いからって自分で脱いだの」
と。
問い詰めたいことはあったがとりあえずちょうど来た救急車に飛び乗り私に連絡。
私は息子には「釣り=救命胴衣。自分の命を守るために必要なこと。じゃなきゃ絶対に釣りにはいかせない」と何度も言い聞かせて息子も理解しているし、何より息子自身が「救命胴衣カッコイイ」ととても気に入っている。
だから自分から脱ぐことは考えにくい。
そのことを義両親に言っても義母は
「マゴちゃんが暑いって脱いだの」
しか言わない。
義父は黙っている。
なんか嫌な感じがした。
そうこうしているうちに息子が目を覚ました。
ちょっと水を飲んでパニックになっただけで救助も早かったから大事に至らなかったみたいだった。
泣いた。
うれし泣きで涙ダダ漏れだった。
息子の無事を確認して言葉を交わしてぎゅーっと抱き合った後、まだちょっと検査があるからと息子が別室に連れて行かれた。
そこに救助してくれた人が息子の様子を見に来てくれた。
意識が戻ったことを言うとその人も泣いて喜んでくれた。
どうやら同じ年頃のお孫さんがいるらしい。
救命胴衣さえ着ていればこんなことにはならなかったのに・・・全くうちの子は・・・というと、その人は
「息子さんを責めたらダメだよ。おばあさんが無理やり脱がしたんだから」
と。
えっ!!と思って義両親のほうを見ると二人の目が泳いだ。
どういうことだ?とダンナがドスヲ聞かせた声で聞くもだんまり。
すると救助してくれた人が
「おばあさんがお孫さんに『そんなの着ていたらかっこ悪い。それに暑い。
背中にあせもができるから脱げ』と無理やり脱がせていたよ。
気になったからずっと聞いていた。そのあとすぐにお孫さんはよろけて海に落ちた。
私も気にかけていたからすぐ救助できたんだよ」
義両親は
「え、いや、あの・・じつは、その・・・」
とうろたえまくっている。
おじさんの言うことが真実だとわかった。
怒髪天を衝くという言葉があるけど、その時はまさにその心境だった。
もしもそのときまだ息子が意識を取り戻していなかったらパニックになるか義両親を殴り倒しにいったかもしれない。
でも息子は意識を取り戻して命に別状はないといわれていた。
だからすーーーっと頭の中心が冷えた。
だから冷静に義両親に対して言えた。
「お義母さんは息子が死んでもいいと思っていたんですか?」
「なにいってるの!そんなことおもうわけないじゃない」
「じゃあなんですぐばれる嘘をついたんですか?こんな嘘、息子が目を覚ましたらすぐばれますよね」
「・・・・」
「息子の目が覚めなければいいと思っていたんですか?」
「・・・・」
「そもそも、無理矢理救命胴衣を脱がそうとすることが息子の命を危なくさせたんですよ。息子を殺す気ですか?」
「・・・・」
「孫の命よりも自分が『カッコイイ』と思う格好をさせる方が大事なんですか」
「助けてくれたこの人が本当のことを教えてくれたからいいけれど、このことがなければ黙っているつもりだったんでしょう」
「息子が目を覚ましても口止めするつもりだったんですか」
「孫の命よりも自分の責任逃れのほうが大事だったんですね」
他にもいろいろ言ったけど覚えていないや。
しゃべっているうちに意識朦朧としてきちゃったから。
座った目をしたまま一本調子で義両親を問い詰め続ける私を見て、ダンナはヤバイ!と感じたらしい。
義両親を無理矢理病院から追い出した。
私はそのあとカウセリングルームみたいなところに連れて行かれて、女医さんからいろいろ話を聞かれているうちに落ち着いてきた。
息子は一晩入院して次の日に退院した。
義母からはそれから2週間ほどは毎日のように泣き&言い訳の電話が入った。
でも私は
「私の息子を殺そうとした人とは二度と会いません。会わせません。」
「孫の命よりも自分の美的感覚を優先した人には会わせません」
「孫の命よりも自分の保身を考えた人には孫に会う資格はありません」
と言い続けた。
凸されても無視した。
保育園の先生にも事情を話してもし義両親が凸してきたら警察を呼んでくださいとお願いした。
実際、お迎えのときに凸したけれど、目の前で携帯を取りだして
警察にかける振りをすると逃げた。
電話の会話も凸のときの様子も全部記録しておいてそのつどダンナに見せ、これ以上続くようなら離婚を考えていると言った。
ダンナは
「俺に任せてくれ。二度と会わせないし、来させない。そういう場も設けない」
と言ってくれたので、信用して待っていると、そのうち電話も凸もなくなった。
で、昨日の夜
「話し合いはすんだから。二度と電話も家にも来させないし、オマエも息子も行く必要はない。ただ、俺だけはあちらの家に様子伺いをすることを許してくれ」
と。
絶縁完了の瞬間だった。
目を覚ました息子にいろいろ聞くと、確かに義母が息子からもぎ取るようにして救命胴衣を脱がせたらしい。
息子が
「これ着ないと命が危ないんだってば!」
と言うのを無視して
無理矢理脱がせたらしい。
義父は見ていただけ。
息子には義母が「マゴちゃんが自分で脱いだ」とウソを言っていたことは話していないけれど、祖母が無理矢理脱がせた→海に落ちて自分が死にかけた。
ということは理解しているらしく
義母に対してひどく不信感を持っています。
「ばーちゃん、無理矢理脱がせたからぼく危なかったんだよね」
と。
フォローはしているつもりだが足りていないのかもしれない。
一度息子と義母をきちんと会わせて、義母のした行動を義母の口から謝らせた方がいいのかもしれないと思いつつ、どうしても会わせたくない。
絶縁完了といいつつ、まだ迷っている。
ダメだなー。
やっぱり会わせなくてもいいですよね。
ただ息子が
「じーちゃんとばーちゃん、どうしたのかな。最近来ないね。」
としょんぼり言うもので気になって。
海に落ちたことも、無理矢理救命胴衣を脱がされたことも息子は全然悪くないよ。
としてはいけなことをしたのはじーちゃんばーちゃんだ。
と
言い聞かせてはいるものの、息子は自分が海に落ちたから・・・と思っているところがあり、フォローはしているつもりなんだけれどもしきれていないのがもどかしい。
義父は義母にベタ惚れ&言いなりな人。
尻にしかれまくって、なにもかも義母の言うとおり。
空気もいいとこ。
多分マゴよりも義母が大事そう。
っていうかマゴにヤキモチ焼いてそう。
若い頃の写真を見せてもらったことがあるんだけれど義母、かなりの美人だったから今でもメロメロなのでしょう。
だから義父はどーでもいい。
ほうっておく。
義両親のことはもうどーでもいい。
息子のフォローを第一にしていくことにします。
こんなことで息子が責任を感じる必要なんてゼロなんだから。
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