「なーにやっての?」
「・・・は?」
「ご、ごめんなさい間違えました」
仕事中部下だった子が油売ってると思って冷やかしてやれと思ったら部下と同じ鞄持った別人。
イケナイ子だなぁなんてニュアンス込めて頭を軽くポン。
人生で初めてゴミを見るような目で見られた相手は未来の妻。
それからしばらく。
取引先に挨拶へ。
「〇〇専務はおられますか?」
「〇〇は只今空けておりましてよろしければこちらにお名前を・・・」
記入中チラチラ不審者目線で眺められる。
(一体何なんだ・・・・・・はてどこかで?・・・はっ!?・・・・・・orz)
素早く記入を終えて退散。
あ、焦って伝言欄に要件書き忘れ―――こそっと様子を窺うと隣の受付嬢と怪訝な表情でひそひそ・・・
(やめとこ(泣))
「どうぞ。浮かない顔してますね」
自分にとって彼女は大変扱いづらいタイプの部下だった。
一度も好きと言った覚えのないキャラメルマキアートを毎回差し入れしてくれる気立ての良い子だ。
出来れば次はブラックと伝えても一切変わらないところが◎営業では打たれ強さが求められるが彼女のそれは尋常ではない。
「ありがとう。そんな変な顔してたか」
「変ですね。変な顔です。(ザクッザク←心に刃物が刺さる音)」
「新規の担当決まったとこが原因だったりしてw何処でしたっけ」
「○○社だよ(なんでそういうとこは鋭いんだ?)」
「えっ・・・」
「なんだよえっ、て。怖いわw」
「課長もしかしてそこのウケ嬢ナンパしました?」
(やや君のせいでもあるわ畜生!)
「ぶほっ・・・何、まさか先方で噂になってんの?(ひょええええっやべぇぇ)」
「まぁそんな感じですね」
「課長だったんですか〜あっちのウケ嬢からウチの社の人間ってだけ聞いてたからびっくりしました」
「ウケ嬢ってwキャバ嬢じゃないんだから。ハハッ」
「ナンパしたんですか?(話逸らさせませんよ的空気)」
「はぁ・・・実は」
結局これこれしかじかと説明。
「こじれちゃってますね。誤解だって言えばいいのに」
「言い訳してるとしか思われないだろ。ま、全部俺の自業自得だからそこは耐えるしかない」
「・・・私○○社に知り合いが居るので誤解だったって伝えときますよ」
「え、あ、あぁ。助かるよ」
それからはピリピリした空気は無くなり温和に接してくれるように。
三ヶ月ほどで諸々の手続きを終え無事商談成立。
部下には大きな借りができたので休日前の夜に行きたいと言っていた料亭で飯を奢ることになった。
偶然身内が来ていてご一緒してもいいですかとの問いに何人でも連れてこいと大きな口を叩いて何人来ちゃうのかなぁと怯えつつ。
連れてこられたのはあの受付嬢だった。
「その節は本当に失礼しました。
お人柄を知りもせず間違いを責め立てるような真似をしたこと深く恥じております」
深々と頭を下げ折り目正しく陳謝された。
「気にしていませんのでどうか頭を上げて」
「それに、普段も傍若無人な姉が迷惑をお掛けしていますし」
「姉でーす」
「おおおまえお嬢さんの姉だったのか!?」
「身内って言ったじゃないですか」
言われてみれば似ている気も。傍若無人と言い切る所も信憑性大だ。
「ここでてってれーとドッキリ札を掲げ」
「お姉、やめて」
「はいはいごめんなさい」
この時初めて部下が素直に言うことを聞く場面を見た気がした。
これは確かに俺じゃ無理。
「あの日は姉の鞄を借りてたんです。ですから課長さんの全くの勘違いというわけでもないんですよ」
「いやー直ぐ言わずにいて正解でしたね」
「お前な・・・でも助かったよ。そこは感謝してる。仕事にも今回の要素は大きかったしさ」
「課長仕事以外のプレッシャーに弱いですもんね」(グサッ)
それから半年ほどで色々あった。
一番の出来事は部下(営業一温厚で人の良い青年)がとある取引先と揉め、怒りの電話を受け即時謝罪に行ったこと。
下げた頭に浴びせかけられる人間のクズだとか生きる価値ないなとか虫湧いてるクサイなどと現状には全く関係の無いあまりな言い分。
ついつい堪えきれなくなりそうだった時一緒に来ていた部下(姉)が一言。
「課長が頭下げる価値ありませんよ。こいつら程度が知れるスポンジ脳です。あ、役立つスポンジに失礼か」
何かが砕けた音がして俺の体感時間が止まった瞬間だった。
結果あわや乱闘かの騒ぎまで発展した。
帰り際部下二人には泣きながら謝られたが俺は責任をとって最悪退社だろうとまで考えていた。
「なぜ私を呼ばなかった(怒)」
「申し訳ありません(終わった)」
「君は殴り合いに参加したのかね」
「殴り合いには至りませんでした。
しかしなっていたのなら参加していたと思います(最後くらい言いたいことを言ってしまおう)」
「当然だ!私だったら先制ラリアットからのパンピングボンバー追加でコケシかますっ!」
(そっちかーーーいっ!)
ドロップキックやフランケンシュタイナーetc…社長、トップロープは現場にありません。
ひとしきり知っている技をリアルな振り付きで披露し、いい汗をかいた社長満足そうに笑う。
「良くやった!どう考えても先方に非がある。そんなとこはどうでも良いから次こっちとナシつけてくれ。
このおばちゃんもマジ大変だが頑張れ」
結局社長あっさり。
妙な部分が長くなってすまん。
本題はこのおばちゃんだ。
とある企業生え抜きの女社長。
花が大好きで献上品がアウトだと商談に如実に影響を及ぼすツワモノ。
「花・・・知らないな。どうしよ」
「妹が詳しいですよ。園芸部でしたし」
の情報。
ここで献上品の選定において受付嬢に白羽の矢が立った。
知らない番号から電話。
受付嬢だった。
姉から番号を聞いたとか。
それからは休日に何度か花屋を巡る。
待ち合わせをして話しを聞きながら女社長に送るべき花を選ぶ。
事前にあった他企業から得た情報はどれもよくない。
ある人物はメーカー推しの企業向けアレンジ花を金を掛けて持って行ったがすげなくあしらわれた。
会社に花を贈りたいのならわざわざ私に送らずともよいと。
そんな逸話ばかりだったので花選びが迷走するには十分だった。
デートっぽいものだとはなんとなく意識したが、歳上のおじさんに興味も何もあったもんじゃないだろうと割り切っていた。
「姉はいつもあなたの話をするんですよ」
まずいと思った。
その頃には既に部下の好意にも気付いていた。
アピールのようなものを都合良く煙に撒いたのは一度や二度じゃない。
下らないきれい事を言えば俺も会社も誰もが彼女の才能を高く買っていた。
天性の才能だと言ってもいい。
それが俺なんかにかまけて台無しになるのは我慢がならんと勝手だが決めていた。
要は身勝手な都合で一人の女性を蔑ろにしていたからそれを妹に指摘されそうになると思って恐怖していた。
けれど、次に彼女から出た言葉は予想外のものだった。
「姉はね、知ってますよ」
「ん?何をだい」
「自分の恋が実らないって」
何とも言い難く下手な相槌も無難な言葉も思い浮かばないので黙って聞いた。
「優しいんですよ。お姉。ぽっと出の横取り狙いに大切にしてたものをあっさり譲っちゃうんです。
自分の為にお願いをした妹に大切なものを渡す時、何て言ったと思います?」
「何て?」
「私じゃダメだから後は任せるって。化粧で泣き痕を隠して番号書いた紙切れをあっさり差し出して笑ってました。
機会は作るから任せろとか。言ったことなかったのにこっちの魂胆知ってて渡すんだから酷いですよね。
姉妹って良くない部分まで似るみたいです」
「あのね」
「いいです。何も言わないで下さい。これは私と姉からです」
少し怒った様子の彼女に掛ける言葉も無く。
リナリアと名前札の付いた小鉢に入った綺麗な花を渡され、そのまま別れた。
―――補足―――
リナリアの花言葉
私の恋を知ってください
幻想
花言葉ラボ
――――――――
「これはどういう意味の贈り物でしょうか?」
「花が好きだとお聞きしました。
正直に申しまして私は付け焼き刃程度の知識しかなく、何を選んでも無難になってしまうので。
シンプルに社長に似合う花をと思いまして。」
「それでこれを?」
「はい」
「個人的な贈り物でしたら・・・頂いておくわ。折角だもの」
どうやらこれといった正解はないようだった。
契約は全面的に承認され、話しもトントン拍子に進んだ。
部下が一人、会社を辞めていった。
結局自分がしたことは自己満足でしかなかったとも思えた。
新しく入った者、上司や同僚の移動、昇進。
出来事は多かったがどこか張り合いのなさを感じる部分があった。
なんとも都合のいい奴だ。
突き放して勝手に寂しくなるなんて目も当てられない。
繁忙期が来てこれ幸いと仕事仕事で雑念を紛らわし、終電逃してつい駅前でうとうとしてたある日。
「お久しぶりですね。さすがにここで寝るのは良くないと思いますよ」
「おお、妹くんか」
「家、近いので来ますか?」
「いや、いいよ」
「お姉なら出てっていませんよ?」
「・・・元気にしてるって?」
「聞いてませんか?起業しましたよ、お姉」
「おーっなるほどそうきたかぁ。凄いな」
「まあまあだそうです」
「そうかあ。社員よりは社長が似合いそうだったしなw」
「・・・面倒ですね。なんでもいいので来て下さい。夜も遅いですし」
「大丈夫だよ」
「オヤジ狩りに遭いますよ?」
「それも良いかもな」
「じゃ遠慮無く狩ります」
その日が俺の人生分岐点だった。
今もそう思う。
家の前まで手を引かれ、何だろうこの状況はとそわそわしながらドアの鍵を開ける彼女を眺めていた。
初めて入った部屋の第一印象は芳香剤とは違う優しい生花の匂い。玄関に飾ってある。
「お風呂はそっちです。トイレはこっち」
「いや、やっぱ悪いよ。タクシー拾」
「いいからさっさと入って下さい。怒りますよ?」
「はいすいません」
知ってるかい?怒りますよ宣言する人はその時点で既に怒ってるって。なんて減らず口を飲み込んで言う通りにした。
色々目の遣り場に注意したのを強く覚えている。
長年独身だった男にはどれも猛毒だ。
使ったことがない洗髪剤や石鹸にドギマギしながらそそくさと全身を洗い終え風呂から上がる。
気付けば脱衣所に脱いでおいたスーツやシャツの一切が消え、代わりにとても男が着るような柄ではない、サイズも合わないパジャマが一着。
これまでしてきたこと対する罰だろうか。
っダメだ!入らん!
「すいませーん折角ですがサイズが合いそうにないので着てきたものはぁー」
「じゃあ上にバスローブあるんでーっ服はもう洗濯しちゃってますからー」
バスローブって・・・マジか。
そりゃ裸よりはいいけどさ。
上。
上って一体・・・どこの上なんでしょうか。
上は色々な場所にあります。
ボックスの上や上の戸棚、ラックの上。
仮に上の戸棚を差すのだとすれば6つはありますが全部を探すべきなのでしょうか?
ここかっ違うここだっ違うここはぁ・・・あっ。
次ここっ違う。
どこやねん。
って洗濯機の上かいっ!
「なにごそごそしてるんです?変なことしないで下さいよ」
「ご、ごめんなさいね」
「寝ててもいいですし、冷蔵庫にビールありますからどうぞ」
「お、お構いなく」
そう言って浴室に行ってしまった。
350mlビール缶が1,2,3・・・随分飲んでいる。
水滴が付いていて出したばかりのようだからさっき空けたんだろう。
シャワーの音が聞こえる。
おいおい中学生か俺は・・・寝よう。
寝るしか無い。
丁度良いソファがあるので横になるとあっという間に眠気に襲われた。
疲れはどんな時も容赦なく意識を閉じてくれるから頼り甲斐がある。
起きたらお礼を言おう。などと思っている内に意識が閉じた。
「―――ぁから聞いてますかって!」
「んあ?」
胸倉を掴まれて強く揺さぶられ目の前には険しい表情。
酒臭い。
「あなたは卑怯者。最低最悪の卑怯者。お姉から逃げ、私から逃げ。一人だけ聖人君子のつもりでしょうか」
何がおきているのかは思いの外素早く整理できた。
「会社を免罪符にして逃げてるんでしょ?」
正論。
「だったら周囲に心配されないくらい完璧な仮面被ったら?」
これも正論。
「普通自分で招いた状況に疲れた寂しい助けてってそれこそ巻き込まれただけの周囲に言外にアピりますかぁ?
その点も最低ですね」
仰る通りだ。
「一体何がしたいんですかあなた?
数年前までただの学生だった年下のペーペーにこれだけ言われて悔しくありませんか?」
実に正論。
悔しいに決まってる。
ここまでして焚き付けたいか。
頭に血が上って外れてはならないリミッターが外した。
「そうだね。少し怖い思いをした方が良さそうだ」
言うが早いか腕を掴んでソファに引き倒し強引に唇を奪う。
ガチッとぶつかった歯が痛み感覚が無くなった唇は見事に割けたようでさびた鉄の味が広がる。
顔に手が掛かるがまるで力が入っていない。
手も怪我も一切気にせず唇を貪った。
彼女とのファーストキスは比喩表現でも何でも無くただ血の味がした。
酔っているからか意図的なのか。
抵抗というにはそれほどでもない抵抗を押し退け、押さえ付けた。
邪魔な寝間着を力任せに無理矢理剥ぎ取る。
ブチブチと音を立ててはじけ飛んだボタンがパラパラとフローリングへ落ちる。
この下らない芝居に対して投じられたお捻りのよう。
妙に滑稽で笑えた。
「悲鳴あげればいいのに。止めてやるから」
親切に警告してやったのに返答すらない。
両手ではだけた服を胸元に寄り合わせ、体を横にして蹲るのみ。
乱れた髪に隠れた目元はよく見えなかったが、小さく開いたままの口元に表情らしきものは一切窺えない。
なんだ単に襲われたかっただけか。
瞬く間に湧き上がった呆れと苛立ちの入り交じった仄暗い感情が思考を黒く滲ませる。
ついつい乾いた笑いが込み上げた。
「うわぁ。あー下らない。もういいや。そんなにされたいならお望み通り――――」
足の間に片足を挟み、力を込めて掴んだ肩と一緒に強引に向き直らせ、仰向けにする。
刹那、言葉を失った。
目一杯の涙を湛え、少し腫れ始めた口元から一条の血を流し、穏やかな笑顔が多かった彼女の変わり果てた姿。
無抵抗のまま、二の腕を額に当て、堪えきれないとでもいうように嗚咽に塗れた吐息を漏らし始める。
必氏に声だけは殺し続けて。
後退り、離れ、部屋の隅に干してある着替えを見つけた。
ふらつく足取りで向かい手に取る。
乾燥機でもあるのか完全ではないが乾いてはいた。
下着とスラックスを着てバスローブを脱ぎ、シャツに袖を通し、上着を羽織ろうとしたとき、背後から袖を引かれた。
「まっ、またっ、逃っ、にげっ、ますか?」
猫の威嚇みたくフーフーしゃくり上げながら訴える光景は子供染みていたのに、俺の目にはものすごく勇気ある行動に映った。
肩の力が抜けて。
とんでもない罪悪感と一緒に今更ながら意地を張り続けることに対する疲れがどっと背中にのしかかってきた。
「やめにする・・・」
袖を掴んだまま背後霊のように付いてくる彼女を従えて空缶を始めテーブルに散らかっていたゴミを全て片付ける。
冷蔵庫にミネラルウォーターがあったので口を開けて差し出す。
空いた手で受け取って物凄い勢いで飲みきってしまった。
二人でソファに腰掛け、静寂の帳が下りる。
覚悟を決めて提案を一つ。
「今日、二人でズル休みしよっか。出来る?」
「・・・出来る」
話すべきことは山ほどあった。
散々悩んだのが嘘のようにあっさりと二人揃って休暇の許可が下りた。
「やってしまった・・・サボりだよ」
「・・・サボりですね」
起き抜けにした会社への連絡を終え、二人でベッドに並んで座り、話していた。
「これほどまでの罪悪感を日に何度も味わうとはね」
「・・・やっぱり、無理してたんだ」
「まあね。いくらなんでもあそこまでの悪役やったのは初めてかな」
「お相子ですよ。私も酷いこと言ったから」
「それでも、さ。昨日はごめん」
「・・・一つききたいんだけど」
「はい?」
「俺、最初は随分嫌われてたように思うけど、一体何がどうしてこうなったのか?」
「ち、違います!私は嫌ってませんでした!あれはお姉が・・・あ」
顔色が真っ青だ。
「お姉が?」
「やっぱり今日何処に行くとか話しません?」
「お姉が?」
「えーっと・・・」
「お姉が?」
「こ、怖いなぁw」
「お姉が?」
「い、言います言います」
やっちゃったぁなどと頭を抱え何故か不自然に大きく深呼吸を一つ。
どうしたんだろう。
それほどのことなのか?
「最初に念を押しますが誤解してても嫌いではありませんでしたよ。外見はむしろ・・・こ、好み・・・といいますか・・・」
「・・・恐縮です。はい」
「まずはお姉に相談したんです。休日に知らない人に声かけられたって。」
「ふむふむ」
「そしたらそういう輩には徹底抗戦だ!追い詰めてやれ!とか」
「・・・ほーぅ」
「その人が会社に来たって知ってからお姉、私の同僚と組んで不審人物一掃作戦とか始めちゃって・・・」
「ほほーぅ」
「最後に実はお姉の会社の人だったって判明して慌てて作戦中止になって」
「ほほほーぅ」
「お姉課長ってしか言わないから私もまさかいつも話に聞いていたあなたのことだとは思わず・・・
結局責任は私にあるとかで・・・誤解招いた私が謝って万事解決だろうと・・・」
「ほほほほーぅ」
例えるなら黒幕は部下。
親友がラスボス。
裏切りのヒロイン?確かにあいつがいないと今は無いし感謝もしてるが。
あの時の『えっ・・・』はそれだったかぁ。
こちらは満面の笑みだというのに昨晩と全く別種の不安と恐怖に彩られた視線で見詰め返される。
「あのさ」
「・・・はい」
「いつか俺、君のお姉様に些細な復讐するから、その時は協力して貰えると嬉しい」
「わ、分かりました」
「俺が知ってることも伏せといて」
「り、了解です」
手を伸ばし、肩を抱く。
彼女は今ボタンの無い寝間着を気にして両手が塞がっている。
「それと君には黙っていた罰として今から絶対に三つ俺の質問に答えるっていうのどう?」
「えぇっ・・・」
「YesとNoの二択を三問。たったそれだけで帳消し」
「・・・それくらいなら」
この辺りが素直だと思う。
彼女は大筋での謝罪を済ませているんだからこんなものは言いがかりでしかない。
指摘されれば引こうと思っていたのに、罪悪感に負け従順な様子につい嗜虐心が鎌首をもたげた。
これは決定的チャンスだと内なる悪が舌舐めずり。
昨晩の数倍今の自分が悪者していると自覚するが今回はやめない。元々据え膳は食う主義だ。
「今から三つね。約束だよ」
「・・・はい」
「ありがとう。一問目。俺を好き?」
「それは!!そんなのって・・・」
「約束は反故?」
「・・・反故じゃないです、けど」
「ならYesかNo・・・頷くだけじゃダメ。声に出して」
「・・・イエス」
「ありがとう。二問目。昨日の続きをされてもいいと思う?早いと思うならNOで」
「・・・・・・・・・イエス」
「ありがとう。三問目。今しても?」
「・・・・・・」
答える前に向こうから唇を合わせてくれた。
はだけた寝間着の胸元に手を這わせ、今度は歯が当たらないようそっと唇を合わせながら押し倒す。
結局、その日は丸一日家で時間を使う羽目になってしまった。
結婚式にて
「いやぁ○○君!やるね君!まさかウチから契約だけじゃなく受付の子まで持ってくなんて!
一本どころじゃなく二本も取られたよっ!お手上げだよお手上げ!二本(日本)ばんざーい。
なんてなぁ。はーはっはっ」○○社社長
「ゴッドジョッブ!」ビシっ。社長、なんか違います。
「おめでとうございますーナンパからここまでくるなんて大したもんですよぉ」嫁同僚。
「課長っ!」
「だからもう課長じゃないって。次長と呼びなさい次長と」
「あ、私にとっては永遠に課長なんで。もう一生昇進しませんよ。
とゆーか義姉さんって呼んでもらっていいですか。ずっと弟が欲しかったんですよー。
凄ぉく老けた弟で心底ガッカリですが」(ザクッ)
「あのなあ」
「見て貰えました?」
「何が?」
「生き様ですよ。私本気出すと社長イケます。期待した以上の実力、私持ってたでしょ?」
「・・・それはもう。凄い奴だよ、お前は」
「あーやっぱキャラメルマキアートですね」
「結局なんなのよそれ」
「厳しさも優しさも斑で中途半端。所々苦いけど全体的に檄甘。詰めが甘いんですよ。
渋くなりきれないというか。渋さ一貫してるブラック気取ろうなんてお門違いもいいところですからね」(ズドシュゥッ←日本刀)
「“これからこそ”よろしく」
「こちらも末永くよろしくお願いします。お姉以外とは浮気だめだよ」
「あのね誰とでもダメだし無いからwよくまぁ式当日にそれ言うわw」
この日、空にはやけに長い飛行機雲が二つ並んで走っていた。
特別な日に特別なこともあるもんだなぁと。
まるでカタチの見えない何かに祝福されたよう。
これまでの出来事が思い出されて胸が満いっぱいになる。
人はやっぱり一人じゃいきていけないんだなぁ。
最後に。
最近嫁の妊娠が判明した。
噂では父になると恋人気分では居られなくなるらしい。
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1 . 名無しさん ID:F935YaYz0 : 編集:削除
えっと・・・頭を叩くて子供ができた?
リナリアまで読んだ
ばくぜろ
ばくぜろ
文章書くの下手くそじゃね?
長い・・・・。
ヘッタクソ!(笑)
頭書の20行くらいで もう倒壊してるwww
頭書の20行くらいで もう倒壊してるwww
「なーにやっての?」
「・・・は?」
「ご、ごめんなさい(日本語を)間違えました」
いきなり間違ってるしこういう話じゃ無いのか
「・・・は?」
「ご、ごめんなさい(日本語を)間違えました」
いきなり間違ってるしこういう話じゃ無いのか
ちなみに
とってもとっても愚作だから
20行ほどで
読み進めるの や〜めたょ
とってもとっても愚作だから
20行ほどで
読み進めるの や〜めたょ
ちょっと全然知らない女性の頭を「なーにやっての?」って言いながら軽くポンしてくるわw
途中で読むのやめた人、報告イラナイですよ〜
こういう文章を書く人間ってきっと本を読まないんだろうな。
あるいは、ラノベ読んで本を読んだ気になっているとか。
(ラノベの中にも「まともな」文章の作品があるにはあるけど)
あるいは、ラノベ読んで本を読んだ気になっているとか。
(ラノベの中にも「まともな」文章の作品があるにはあるけど)
読解力、無さを書き込む、コメント欄。
女の創作はくどくて読み辛え
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