今日、自分が自意識過剰な人間だとわかった。
うちの家は2階にリビングがあってリビング横に二畳ほどの壁で囲まれているベランダがある。
そこに11月〜2月の終わりくらいまで、父が小さなイルミネーションの箱庭を毎年作ってくれる。
夜にリビングの明かりを消して眺めているととっても癒される。
私が小さなときから作ってくれていて、子供のころは毎年楽しみにしていて作るのも一緒に手伝っていた。
でも中学生になったころから世間の家庭と同様、反抗期を迎えイルミネーションの製作も全く手伝わなくなった。
今は大学生
それでも父は毎年作り続け、今年は
「こんなふうにしたよ」「今年からLEDだよ」「今年は観覧車入れて遊園地だよ」
工夫を凝らしたのを作ってくれた。
私は
「ふ〜ん」
と言いながらも父がいないときにじっくり観察していたし。
友人を家に呼んで見せてあげたりしてた。
昨年の11月にも父は休日にせっせとイルミネーションを作っていた。
母も手伝っていた。
私はその後ろを
「毎年飽きないね〜」
とからかう口調で通って、友達と遊びに行ってしまった。
でも後ろを通り過ぎる時、父が少し悲しそうな表情をしたのが見えた。
ものすごく心が痛くなった。
友達と遊んでいても、父が私のためにしてくれていることにどうしてあんなひどいことを言ったのだろう?と考え自分が嫌になった。
夕方、父と顔を合わせるのが恐かったけど、恐る恐る帰ってみると明かりを消したリビングで、父と母が夕飯の支度を整え、完成したイルミネーションを眺めていた。
私もイルミネーションを見て、思わず
「わー、綺麗!」
というと父も母もにっこり笑って
「でしょう?」
と言ってくれた。
昼間の私の悪態はなかったかのように接してくれた。
でも父には謝ることはできなかった
私の住んでいる地域では、ある神社で2月にお祭りがあって、そのお祭りが終わると春を迎えるという風習がある。
それで毎年そのお祭りが終わるとイルミネーションも片づけるようにしていた。
でも今年は、父がお祭り前に仕事で事故にあってしまい入院することになった。
父の入院でバタバタしていたこともあってイルミネーションも3月に入っても設置したままだった。
それで今日、母と二人で片づけたんだけど、その時母に11月に作る時に悪態をついてしまったことを謝って、父に直接言いにくいから
「いつも自分のために毎年イルミネーションを作ってくれていることを感謝していること」
「毎年、手伝わないでごめんなさい」
「この前は悪態ついてごめんなさい」
「あんまり凝ったもの作らなくていいよ」
って母から父に伝えてもらえないか話してみたところ、母の反応は「はぁ?」だった。
母によると、イルミネーションはこの家を建てたときから、母のリクエストで毎年作ってもらっていたこと、毎年、母と二人でネットやホームセンターで新しいイルミネーションのパーツを買っていたこと、毎年のイルミネーションの構図も母の希望を取り入れたもの。
そして、いつも寝る前に父と二人で、イルミネーションを見ながら話をすることが夫婦の日課であること。
を聞かされた。
母には
「あんた自分のためにお父さんが作ってくれていると思ったの?おめでたい子ね!」
と言われた。
「昼から、お父さんのところに行くから、一応あんたの気持ちは伝えとくわ」
と言われたので、全力でなかったことにしてくださいとお願いしたが、夕方に父から
「今年は、(私)ちゃんのリクエストにも応えるよ^o^」
とLINEがきた。
一応、謝っておいた。
水曜日退院だって。
良かった。
でも、父と顔をあわせるのが恥ずかしい。
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