父方祖母の葬儀の時のこと
救急車も入って来られないような人里離れた田舎の葬儀で、都会に出ていた家族はしきたりがわからず右往左往
バタバタしばがらも葬儀の準備がどうにか整い、親せきや近所のご老人が集まる中、自立歩行ができるかひやひやするレベルのお坊さんがやってこられた
脇道士に支えられて祭壇までたどり着いて、払子(で合ってる?白いふさふさがついた棒)をファサーッファサーッって
2回ほど振ったら、蝋燭の火が引火したらしくてメラメラメラメラと燃えあがった



「…お母さん、あれ、燃えてない?」

私がこそっと耳打ちすると

「…うん…ここら辺はあれを燃やして葬儀が始まるのかしら?」

「え、そんな風習?」

それはさすがにないだろうと思うが、お坊さんはプルプルしながら火のついた払子を振り続けてるし
いやでもさすがに危険じゃないか?
でも、席立って火を消しに行ってもいいのか?
ぐるぐる考えてたら、ふと異変に気付いた脇道士の方が

「ゥグワォ?!」

みたいな声出して払子を取り上げ、庭先に投げた

火のついた棒が突如小屋の前に飛んできて亡祖母の愛犬大パニック
ぎゃひんぎゃひんとしっぽ丸めて泣きわめいてかわいそうだったので、私が庭に出て払子を消火し、しばらく犬を抱っこしてた
みんな笑いこらえて肩プルプルしてるし、途中でお坊さんの入れ歯は外れるし、私も噴き出さないように必死で耐えた

ようやく落ち着いたかな、と思ったころにお焼香の順番が回ってきて、母について立ち上がったら、母の服がなんかおかしい
ブラックフォーマルなはずなのに、スカートの裾から柄物が見える

「お母さん…スカート2枚はいてない?(小声)」

「…あらやだ!!脱ぐの忘れてた!!(素声)」

その瞬間、鳩時計が

「パッポー!パッポー!パッポー!…(12時なので12回)」

親族一同、こらえてた笑いが噴火して、

「ぶふぉっ」
「ぐふっ」

って声があちこちから漏れた
おばあちゃん、ほんとごめん
メラメラ燃え上がる払子を見たときの景色はいまだに鮮明に思い出せるぐらい衝撃だった

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この記事のコメント一覧
1 . なんか  ID:toXO3IA20編集削除
めちゃくちゃやな
2 . 名無しさん  ID:awMSjGLS0編集削除
何そのリアルドリフwww
3 . 名無しさん  ID:danrMY6u0編集削除
親父の葬儀、始まる直前にズボンの尻が裂けた俺(喪主)
くぐもった笑いがこもる遺族席、慌てて引っ込んで叔母に仮止め(縫って)もらいなんとかセーフ。
真っ最中でなくてよかったよ。
4 . 名無しさん  ID:1UEt3Avw0編集削除
なんで葬式って絶対笑ったらいけない時に笑う出来事が起きるんだろうなw
故人が天国に行く前の最後のいたずらなんかねw
5 . 名無しさん  ID:axd4NZpU0編集削除
みんなの笑顔を見て旅立っていったんだな
6 . 名無しさん  ID:o7Qs4Fxs0編集削除
>5
そう捉えると、なんかいい話になった気がする。
7 . 名無しさん  ID:jQH3uM6e0編集削除
棺桶の中からも「・・・ブフォッ!」とこらえきれない笑い声が漏れた
8 . 名無しさん  ID:HT1GikLS0編集削除
全部、お茶目なばぁちゃんのいたずら
じめじめするより笑ってお別れがばぁちゃんの望みだったんだろう
9 . *  ID:nBOqbGOc0編集削除
こうやって、記憶に残る別れになったわけだ。
お前らも親戚の前で、カミングアウトしてみるといい。 だが、それを焼べちゃダメだぞ。

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