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とある山、洞窟の奥

娘「地震、疫病、連日の日照り……村はこのままでは滅んでしまいます」

娘「どうか……わ、私を食べて怒りを静めてください!」

竜「……」

竜「たった今人の気配感じて起きたばっかりなのに何の話!?」

娘「あ、も、もうちょっとお肉がついてるほうが良かったですか!?」

竜「いや! 生きた人間なんぞ食わんぞ!」

娘「じゃあ! 今このナイフで!」

竜「待て待て! 死んだ人間も食わんわ!」



娘「わ、わかりました! こんなこともあろうかと塩コショウを持ってきていたんです!」

竜「なにがわかったんだ!」

娘「じゃあどうやったら怒りを静めてくれるんですか!」

竜「別に怒っとらんわ!」

娘(どう見ても怒ってる!)

竜「私は今……おそらく30年ぶりくらいに目覚めたばかりだ」

竜「地割れや日照りなど、ただの自然現象だろう」

娘「そんな……この日のために一晩お酒に漬かって味をまろやかにしたのに……」

竜「……道理で酒臭いと思った」

竜「自分たちで何とかする方法を考えるんだな」

娘「そうですね……すいません、眠っているところをお邪魔しました」

村。

村人A「うう……悪いことしちまったかな……」

村人B「そういうな……あの子の親は疫病で死んだんだ、あの子もうつってるかも知れねぇ、そうなりゃどっちにしろ追い出さなきゃならねぇ」

村人C「むしろあの子を食った竜に病が移ってくれるかも……」

娘「……」

洞窟。

娘「ただいま……」

竜「なんで!?」

娘「実はかくかくしかじかで……」

竜「だからと言ってここに居座られても困るんだがな」

娘「……私はいらない子なんだ……」

竜「……」

娘「げっほごほ! げふっごほごほっ!」

竜「ど、どうした!?」

娘「どうせ野垂れ死ぬなら竜さんに疫病うつして死のうと思って……」

竜「やめろ」

娘「疫病をうつされたくなかったらここにおいてください」

竜「いや……疫病と決まったわけでもないんだろう?」

娘「」ぬぎぬぎ

竜「なんだ」

娘「風邪をひこうと思って」

竜「……そもそも、うつされたくなかったらここに置けというのもおかしいだろう」

娘「わかりました……さようなら」テクテク……

竜「……」

竜「……」ノシノシ

竜「……」洞窟の出入り口で首を伸ばして外を窺っている

竜「……もう姿が見えんな……」

……ブツブツ……

竜「!?」自分の首の下を見る

娘「……ココデシンダラキットジョウブツデキズサマヨウンダ……エイエンニ……」

竜「すぐ外に居座るなぁぁ!!」

竜「さっきまで死ぬ覚悟だったんだろうが!」

娘「いやぁ。一度助かると惜しくなってきたと言うか……」

竜「ずいぶんと図々しいな」

娘「一度死を覚悟したせいか怖いものもなくなったと言うか……」

竜(めんどくさいヤツ……)

竜「住処を貸してやらんでもないが……こんな所で食べ物も無いぞ」

娘「あ、大丈夫です。 考えてありますから」

娘「一週間ごとに食料を要求する by竜」 カリカリ

娘「この紙を村に置いてくればOKです」

竜「コラ」

翌日

娘「さっそく食べ物が置いてありました」

竜「あくどいヤツ……」

娘「そういえば、竜さんは何も食べないんですか?」

竜「私は周囲の気的なものをエネルギーにしているから何も食べなくていい」

娘「便利ですね」

娘「シャクシャク」

竜「リンゴとはどんな味だ?」

娘「あまくてちょっとすっぱくてみずみずしいです」シャクシャク

竜「そうか」ガブ 娘「」サッ

竜「」

娘「」

竜「」ガブ 娘「」サッ

竜「このドケチ娘が」

娘「シャクシャク」

竜「……ひさびさに外に出るか」ムクッ

ノシノシ ガッ

竜「……」

ガッガッ

竜「寝ている間に成長したせいで出れん!!」

娘からりんごをもらった竜

竜「シャクシャク」

娘「成長期だったんですか」

竜「まだまだ若いぞ。お前たち人間で言えば14くらいだ」

娘「!?」

娘「それって私より子供じゃないですか!?」

竜「いや、人間に換算しての話だぞ?」

娘「そんな歳でこんなところに引きこもってちゃダメですよ!」

竜「いや、200年は生きているからな?」

娘「30年は寝てたんでしょう! そんな調子じゃ他の竜からもバカにされますよ!」

竜「……」

村。

村人「う、うわぁ竜だ!」

村人「竜が出たぞ!」

村人「もうおしまいだー!!」

村人「皆殺しにされる!!」

帰った。

竜「……」フン!

娘「(ふてくされちゃった……)」

娘「竜さんの分のご飯です」

竜「私はそういうのは必要ないんだが」

娘「まあまあ、食べてみてくださいよ」

竜「……(フォークもナイフも小さくて使えん……手でいっていいのか……?)」

娘「はい、あーんとしてください」

竜「」

娘「ほら!」

竜「(私は何をやらされているんだろう)」

娘「ほら早く! 冷める前に!」

竜「」アーン バク!

娘「フォークが!」

竜「これは……うまい」

娘「でしょう! 料理には自信があるんですから!」

竜「一口で終わるのももったいないな」

翌日。

娘「たぁぁぁぁ!」ジュウジュウ

娘「やぁぁぁぁ!」ドバドバ

娘「はぃぃぃぃ!」ガチャガチャ

娘「竜さんサイズ、人で言うと100人前です!」

竜「材料はどうした」

娘「要求をちょっと増やしました」

竜「村が!!」

ガッシャガッシャ

竜「?」

騎士A「貴様が人々に仇なす竜かぁぁぁぁ!」

騎士B「死ねぇぇぇぇぇい!」

竜「」ファイアブレス

騎士「ギャー!」

竜「全く、面倒くさい連中だ」

娘「あ、ちゃんと生きてますね」

竜「当然だ……何をやってる」

娘「え、ちょっと身ぐるみを……いい装備ですし」

竜「……」

娘「あの装備を売ったお金で、町でベッドとか家具を買ったんですよ」

竜「そうか」

娘「でも重いからここまで持ってこれなかったんです」

竜「そうか」

娘「」チラッ

竜「」

町。

町人「う、うわぁ竜だ!」

町人「この町もおしまいだー!!」

竜「もう二度と出かけん」

娘(怒ってしまった……)

娘「ふぁぁぁ……やっぱり新しいベッドは一味違う……」

竜「zzz……」

娘「……」ペシペシ

竜「zzz……」

娘「……」

三日後

バシャン!

竜「何をする!」

娘「死んじゃったのかと思って……三日も起きないんですもん」

町の図書館

娘「竜の血は不老不死の妙薬として高値で売買される……それでほんとに不老不死になるなら、今頃お金持ちはみんな不老不死でしょうね」

パラパラ

娘「竜の肉は大変美味であるとされ、お肌はつやつやになり胸は大きくなり余分な脂肪は排出される……」

娘「竜さんの尻尾ってまた生えてきたりしますか?」ギラリ

竜「その包丁をしまえ」

ガッシャガッシャ

竜「?」

騎士団長「貴様が町で暴れまわったという竜か! この私の魔法剣で」

竜「」バクッ

娘「!」マルカブリ!!?

竜「」ペッ

騎士団長「ぐはぁ……」ヌルヌル

娘「唾液が……」


娘「!」

張り紙「懸賞金 トアル山の竜 3000000G」

洞窟。

娘「竜さん! なんかこんな貼りが」

ウウ……

イテェ……

スンマセンデシタ……

山のように折り重なった賞金稼ぎたち。

竜「なんだ」

娘「別に」

次々とやってくる賞金稼ぎをかるく蹴散らす竜。

娘「めちゃくちゃ強いですね」

竜「私を何だと思っていた」

娘「でっかいトカゲくらいかと」

竜「……」

竜「トカゲみたいな見た目だろうと、かつて竜族は世界の覇権をかけて神と戦ったんだぞ」

娘「でもトカゲみたいな見た目ですよね」

竜「……私の父はある国では神にも等しく祭られていたんだぞ」

娘「でもそれは竜さんじゃないですよね」

竜「……」プイッ

娘「(しまったふてくされちゃった)」

竜「父も母も死んだし、私に勝てるものは居ないだろうな」

娘「? お父さんたちはなんで亡くなったんですか?」

竜「ドラゴンキラーとかいう剣でな。 一突きされただけであの親父がうごかなくなって……」

娘「……」

竜「動かなくなって……」フルフル

娘「」ポンポン

娘「そのドラゴンキラーで襲われたらまずいんじゃ……」

竜「問題ない、その剣士は私が……」

娘「?」

竜「」

娘「い、いや別にホントのこと言っても大丈夫ですからね!?」

娘「いざと言うときのために包帯や薬を買っておきました!

  竜さんでも安心の特注サイズです!」

竜「(身ぐるみをはぎ続けているから金が有り余っているのだろうな)」

ウオー

竜「」ドラゴンテール

ダリャー

竜「」ドラゴンクロー

シャヤー

竜「」ドラゴンバイト

ユミィー

竜「」コン! No Damage! 

竜「」ファイアブレス

ギャー

竜 HP200000/200000

娘「たあ!」バキッ

竜 HP200000/200000

娘「少しは傷ついてくださいよ」

竜「無茶を言うな」

賞金稼ぎ「ふっふっふ、ついにドラゴンキラーを手に入れた! これであの竜もおしまいだぜ!」

娘「」


娘「た、助けてください!」

賞金稼ぎ「どうした!」

娘「りゅ、竜が! 襲ってきて……」ハァハァ

賞金稼ぎ「なに! よし、俺に任せろ!」


賞金稼ぎ「竜なんてどこにも」ドン!

ヒュー                        グシャ

ドラゴンキラー

娘「」ガッツンガッツン

ガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンカ

娘「」ハァハァ……ゼィゼィ……

ガンガンガンガンバキ!

娘「ただいま」

竜「ど、どうした?」

娘「え? いえ別に」

竜「……そうか」

村長「竜退治の連中が来るおかげで村が潤う潤う!」

村人「竜さまさまだよホント!」

村人「疫病や地震の責任もかぶってくれてホント大助かりですよね!」

村人「これといって被害も出てないしな!」

娘「そろそろ滅ぼすべきじゃないですか?」コレトイッタヒガイトカ……

竜「落ち着け」

ある日。

?「こんにちは」

娘「え……? こ、こんにちは(いつの間に目の前に……)」

?「人間を侍らせるとは、良い趣味をしている」

娘「はべ?」

?「ああ、失礼。 竜にあわせて欲しいのですが」

シヌ……

イテェ……

マジヤベェ……

竜「全く、性懲りもなく……」

?「お忙しいところ、失礼しますよ」

竜「!」ファイアブ…

 竜 娘 ? ←三人の位置

竜「チィッ」

娘「人見たらとりあえずファイアブレスするの止めましょうよ」

竜「先制攻撃だ」

竜「何者だ……人間ではないな」ガシャガシャ

?「気づきましたか、私は」ガシャガシャ

竜「……」ガシャガシャ

?「……」ガシャガシャ

娘「あ、お構いなく」

竜「そいつらの身ぐるみはぐのは後にしてくれんか?」

?「こほん、申し遅れました。私は魔王です」

竜「魔王?」

魔王「魔族の国の王、だから魔王です」

娘「そのまんまですね」

魔王「わかりやすくていいでしょう」

竜「魔族の国など聞いたことがないが」

魔王「建国しようと発起してまだ20年なもので」

竜「……私が眠っていたころか」

魔王「今はこうやって、国民を募っているところなのですよ」

娘「地道な人ですね」

魔王「単刀直入に言います、あなたが欲しい」

竜「」カァァ(ほほを染める音)

娘「!? その音はおかしいでしょう!」

娘「つまりアレですか、世界征服に竜さんの力を貸して欲しいと」

魔王「いえ、我々の目的は生み、増えることです」

娘「ストレートにエロスなことを!」

魔王「人間が隆盛を誇る現在、強力な魔族ほどその身を隠さなければならなくなりました。

        雌雄がつがいになる機会も減り、魔族は減少の一途を辿っています」

娘「(無視された……)」

魔王「同種の魔族同士同じ土地に住み互いの存在を認識することが重要になるわけです。

        特に竜族は数が少ない上、その体のせいで目立つことになります」

竜「……確かに、私が雌を探し飛び回れば厄介なことになるだろうな」

魔王「是非、あなたには我が所領に移り住んでいただきたいのです」

竜「……」

娘「……」

竜「一つ聞きたい」

魔王「何でしょう」

竜「私のように強力な種族を集めれば、当然人間も黙ってはいないだろう。

  最悪、全人類を相手にした戦になる可能性もある。 そういった危険をどう避けるつもりかを聞きたい」

娘「(竜さん難しい話ができたんですね)」

竜「(どういう意味だ)」

娘「(なんか竜さんにとっていい話っぽく聞こえてたのでほいほいついていっちゃうんじゃないかと)」

竜「(自分の力にそこまで無責任ではないわ)」

魔王「我々は人間を超えた力を持っている、邪魔立てするものはなぎ払えばよし」

娘「」ビク

竜「……」ギロ

魔王「……という選択をしないから、こんなところに隠れ住んでいる」

竜「……」

魔王「魔王領は人間の未踏の地、人が来る事はありません。

        ここで連日、火の粉を払うよりは静かになりますよ」

竜「それは楽観が過ぎるのではないか?」

魔王「強い魔族が集まれば、それだけで人間に対する抑止力となります。

        好き好んで蜂の巣をつつく者はいない、そしてそれを行うほど愚かな者なら相手にもならない」

竜「だが、命を奪う毒蜂が軒先に巣を作れば、愚かでない者も黙ってはいまい」

魔王「……ふむ」

娘「(なんかいい話っぽくないですか?)」

竜「(まあそうだな)」

娘「(なんでOKしないんです?)」

竜「(相手の国に住むということは私もその国に属すると言うことだ

        その地に人間が攻め入れば私も戦わなければならない、逃げ隠れると言う選択は無くなる)」

娘「(はあ……よくわかりません)」

娘「(まあ、基本ノーだと)」

竜「(戦争で戦うことになるくらいなら、今のほうがはるかにいいからな)」

魔王「……実は、すでにドラゴンを一人我が所領に招いてあるのです」

竜「」ピク

娘「」!

竜「それは……」

魔王「雌です」

竜「」ピクピクピク!

娘「(な、なんですこの反応……)」

魔王「ちょうど竜さんの話を聞き、これは運命ではないかと思い、参上したのです」

竜「……」

魔王「そう、運命ではないかと……」

娘「か、顔を不必要に竜さんに近づけないでください!」

魔王「立派な角を持った女性で……」

竜「」ドキーン

娘「それが色気の基準なんですか!?」

魔王「ニヤリ)お返事はすぐにとは言いません。 明日、また」フッ

娘「消えた……」

竜「どうしたものだろう」オロオロ

娘「私に聞かれても……」

竜「結婚とかまだ考える時期ではないだろう……だがこれを逃すのもなんともな」オロオロ

娘「……マイナスが見えるんなら遠慮したらどうですか」イラッ

竜「だが、顔も見ず断るのも相手に失礼だとは思わないか」

娘「つまり行く気まんまんだと……さっきは基本ノーとか言ってたくせに」イライラ

竜「いやまんまんというわけではないが、私も父さんと母さん以外の竜を見たことがないからな、とりあえず顔くらい会わせるべきだろう……それに雌……」ウキウキ

娘「(重要なのは雌の一点でしょうによ……)」イライライラ

娘「なんでしょうね竜さんは」

娘「長湯したかのごとく顔をふやけさてますが、相手が竜さんを気に入るとでも?」

娘「世間知らずの上こうやって洞窟に引きこもってばっかりの竜さんでは無理無理」

娘「……私は誰に言っているのか……」

竜「いや、すべて聞こえているんだが……」

竜「そういう欠点ばかりでなく長所もあげてくれんか」

娘「長所ですか……」

娘「キリッとした目と男らしい二本の角とか、太陽でギラギラ輝き月で妖しく光る黒い鱗とかはまあかっこいいと思いますし、

  体が大きくて包容力あるところとか、ぎゅっと締まっていながらなだらかなラインを描く体はセクシーさとかっこよさが備わってますよね」

娘「子供っぽいところもむしろ母性をくすぐられると言うか、でもしっかり者ですし……」

娘「……」

娘「……」

娘「えーと……あ、でも犯罪者として賞金かかっててしかも盗賊行為してるのは大きなマイナスですよ!!」

竜「犯罪はしとらんし盗賊行為はお前だ」

洞窟から離れた娘

娘「はあ……恋に悩むと溜め息がでるのか溜め息をするから恋に悩むのか……いや、完全に前者ですね」

娘「恋……そうです、これは恋としか」

娘「でもどうすれば……そもそも竜さんとは種が」

娘「……いや、弱気になっちゃ駄目だ! 女ならやってやれ!」バサッ

娘「竜さん! アイラブユー!」

竜「ど、どうした……服は」

娘「愛を語るのに服は要らないと判断しました!」

竜「は、はぁ……」

娘「で……どうですか!」

竜「え?」

娘「さっきの返事ですよ!」

竜「……すまん」

娘「」グハッ

竜「お前と私ではそもそも種が」

娘「じ、じゃあ、私が竜だったとしたらどうですか!」

竜「……まあアリだが」

娘「よし!」

娘「じゃあたとえば、クワガタムシのツノをもぎ取って雄竜の鼻に突っ込むのが趣味の雌竜と人間の私だったらどうですか!」

竜「え…………ま、まあ二択ならお前だが」

娘「ならOKと言うことですね!」

竜「何が!?」

竜「むちゃくちゃを言うんじゃない」

娘「うー……だ、だいたい、裸で乗り込んだ私を見て何も思うところは無いと!?」

竜「まあ、珍しく裸だな、とは思うが」

娘「こ、興奮とか!」

竜「別に」

娘「」グサザクゥ!

最終手段は体で訴える、娘のそんな覚悟と少しばかりの自尊心は、木っ端微塵に砕け散った

日常的に素っ裸である竜は、裸を晒してGOした娘の覚悟を理解できなかったのである(種の違いが二人の間に横たわっているのが大きいが

娘「竜さんの馬鹿! エロ! むっつりスケベ!!」ダッ

竜「ちょ、ちょっと待て!」ノシノシ

竜「ど、どこに行った……おーい、娘!」

賞金稼ぎ「ついに出てきやがったぞ!」

賞金稼ぎ「けりつけようってわけか!」

騎士「良いタイミングだ! 我ら騎士団の力思い知らせてやる!」

騎士「ヤツをこの村から出すな!」

竜「ああもう邪魔だ!」ファイアブレス

ギャー

この戦いで竜は千の賞金稼ぎと一万の兵士たちをなぎ倒し、魔物の脅威を全人類に知らしめることとなった……

人間の魔物に対する恐れは大きなものとなり、大掛かりな魔族の排斥運動が始まる

住処を追われた魔族たちは自然と魔王領に集まり、結果的に魔王の目的は果たされた

竜も娘を見つけることはついにできず、山に住み続けることもできなくなり魔王領に移り住むこととなる

それから5年後、人間と魔族の緊張は極限に達し、種の存亡を賭けた戦いが始まっていた。

魔王領の砦。

部下A「竜様! 勇者たちがこの砦に接近しています!」

竜「早いな。あのクラーケンと戦った後、矢継ぎ早に来るとは」

部下B「部隊の出撃準備完了しております! ご命令を!」

竜「かまわん、ここまで通せ」

部下A「な、何故ですか!?」

竜「ベヒモスやクラーケンを打ち破るほどだ、お前たちが束になって勝てる相手ではない

  ならば私が直接相手をしたほうが被害も少なく済むというものだ」

部下A「そ、そんな……」

竜「お前たちは万一に備え、この城の兵を引き連れ魔王軍本隊と合流する準備を始めろ」

部下B「(竜様……まさか、死を覚悟しておられるのか……)」

戦士「竜はここか!」

竜「……来たか」

勇者「……」

僧侶「戦士、わざわざ通してくれたんだからそんなに荒っぽくしなくてもいいでしょう」

戦士「ふん、私の国の騎士団はヤツに壊滅させられたんだ!

        今すぐ我が魔法剣の錆にしてくれる!」

僧侶「落ち着いてちょうだい。 相手が冷静なら戦わなくても」

戦士「断固戦いしかなし! 勇者、お前からもなにか……」

勇者「」ポロポロ

戦士「!?」

僧侶「!?」

竜「(何故泣く!?)」

勇者「大きく……なりましたね、あのときよりも」グスッ

竜「まさか……娘、なのか?」

カシャン(兜を取ると少し大人びた娘の顔が)

僧侶「……知り合い?」

勇者「ええ……あれは忘れもしない5年前、女の色香に惑わされたあの男は、本能の赴くまま私の前から姿を消したんです!」キッ!

戦士「お前は振られた元カノか」

竜「本能的なものがあったのは事実だが、お前から消えたんだろう」

勇者「その後の私の人生は惨々たるものでしたよ……」

竜「そ、そうだったのか?」

勇者「勢いで剣術道場の門を叩き勢いで奥義を受け取り勢いで出場した武術大会で優勝した勢いで魔王討伐隊に選ばれ勢いで優秀な戦績をおさめたらいつの間にかこんなところですよ!」

僧侶「何度聞いても舐めてるわね……」

勇者「私はあのまま竜さんの威を借りて働かず暮らしているだけで幸せだったのに!」

竜「人生舐めてるな」

戦士「魔王軍への恨みが人一倍強いとは思ってたが」

勇者「あの傷心をバネに私は己を鍛え上げたんです……腕の一振りに怒り、汗の一滴に憎しみを込めて!」

竜「(恐ろしいヤツ)」

勇者「受けてもらいますよ、私の怒りを込めた一撃! まあ半分は逆恨みですが!」

竜「わかっているならやめろ」

勇者「問答無用!」

?「待てッ!」

竜「! 竜子!!」

竜子「お父さんの前に私と戦え!」

戦士「お父さん!?」

僧侶「……竜将軍に子供がいたとはね」

部下A「竜子様! お戻りください!」

竜「お、お前たち! 早く竜子を下がらせろ!!」

竜子「やだ! 私も戦う!」ファイアブレス

勇者「……」 HP249980/250000

竜「棒立ちで喰らった!?」

勇者「オトウサン……?」

勇者「う……」

勇者「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」ダッ

戦士「おい勇者!?」

部下A「さ、流石竜様の子、竜子様! あの勇者を一撃で!!」

竜「ま、待て娘!」ノッシノッシ

部下A「おお、竜様が追撃されるぞ!」

戦士「させるか!」ダッ!

勇者「うう……一人にしてよ!」

戦士・僧侶「え!?」

竜子「よし、お父さんに続くぞ!」

竜「ついてくるな!」

部下・竜子「え!?」

部下「で、では我々はどうすれば!?」

竜「え……適当にやっててくれ!!」

一同「え、ええ〜……」

砦の外

娘「なんで追うんですか!! 捨てた女に未練がましい!」

竜「なぜそういう話になる! 私はただ落ち着いて話を」

娘「はぁ!? 私は落ち着いてますよ落ち着いてないのは竜さんのほうでしょう!」

竜「ああもうわかったから止まれ!」

娘「なんですか一人落ち着いた風に! そりゃ家庭も持てば落ち着きますよねそうですよ落ち着いてないのは私ですよはべしっ!」コケタァッ

竜「うおっ!」タチドマレズコケタァッ

グシャ

竜「娘!?」

娘「うう……」

竜「少しは落ち着いたか」

娘「」……ポロポロ

竜「(泣いた!?)」

娘「……」ポロポロ

竜「」オロオロ

娘「………」ポロポロ

竜「」オロオロ

娘「…………」

娘「あーもう! なんですかさっきからオロオロと! 200年も生きてればこんなときどうするかくらいわかるでしょう!」

竜「え!?」

娘「こう! おもむろに抱きしめればいいんですよぎゅって! 後は勢いで言葉をたたみかけりゃいいんです!!」

竜「私にそれを求めるのか!?」

娘「他の誰に求めろと!?」

竜「無茶な」

竜「」ギュ

娘「」

竜「……」

娘「……」

竜「……」

娘「……なんか子ねずみが抱き上げられたみたいですね」

竜「だから無茶だと」

娘「しかも鎧ごと持ち上げられたせいで金具が体に当たってかなり痛いです」

竜「……」ストン

娘「昔とは、すべてが変わってしまったんですね……周りも、私や竜さんの身長も」

竜「……」

娘「そして、私と竜さんの実力も」

竜「?」

娘「今は戦争状態、つまり敗者は勝者に絶対服従……」

竜「は?」

娘「勝負です、竜さんの家庭を賭けて!」ジャキ!

竜「(中身がまるで変わっとらん!)」

竜「私が負けたらどうするつもりだ」

娘「私と逃避行してもらいます」

竜「私が勝ったら?」

娘「竜さんのことはあきらめますがご家族がどうなるか……」

竜「脅しか! 竜子に手を出したらさすがにただではおかんぞ!」

娘「私はすでに竜さんに手を出されているからただでおかなくてもかまいませんね!」

竜「……もういいとっととかかってこい!(めんどくさくなった)」

娘「」ファイアブレス

竜「何ぃ!?」HP237800/240000

娘「隙あり!」ユウシャクロー! コンビネーション! ユウシャバイト!

竜「ちょっと待て! なんだその戦い方は!」HP231000/240000

娘「私のバトルスタイルは竜さんの戦い方を基にしていますからね」

竜「剣の修行とか言うのはなんだったんだ」

娘「ふふふ、竜さんの戦いを間近で見てきた私だからこそできるこ」

竜「」バクッ

娘「」

竜「」

娘「」バタバタ

竜「(隙だらけだったな)」

竜子「さすがお父さん!」

娘「うう……」ヌルヌル

僧侶「(どんな攻撃であんなことに)」

戦士「勇者を倒してもまだ私たちがいる!

        喰らえひっさ」バキャス

僧侶「投降する。抵抗はしないから命の保障はして欲しい」

戦士「は!?」

僧侶「勇者がこの状態で、しかも竜が2人もいたのでは勝ち目がないわ」

戦士「一人は子供だろ!」

僧侶「子供がいるってことは母親もいるってことでしょうが

        どっちにせよ勇者抜きじゃ、一人でも手に余る相手よ」

戦士「う……」

風呂

娘「」ザパー

ヌルヌルを落とす娘。

竜「(どうしたものか……)」

互角に戦えるのが竜だけなので見張っている

竜「」チラ

娘「」!

娘「」アハーン

竜「」プイ

娘「プイってなんですか!?」

娘「この姿を見てなんとも思わないんですか!」

竜「なんともと言われても」

娘「5年前にはありえない膨らみにくびれ!」

竜「……なにか変わったか?」

娘「」ビシブチィ!

竜のサイズからすれば、人間の成長なんて誤差の範囲でしかなかった

娘「」ギャーギャー

竜「」ハイハイ……

竜子「……」

竜子「お父さん」

竜「ん、竜子か」

娘「!」ギラ!

竜子「!」ビクゥ!

竜「殺気を放つな」

娘から離れた二人

竜子「勇者を見張らなくてもいいの?」

竜「逃げはしないだろうし、いまさら暴れることもないだろう……しかし、まさか娘があの勇者だったとは」

竜子「……」

竜「どうした」

竜子「お父さん……お母さんのこと忘れちゃったの?」

竜「」バブゥ!!

竜「き、急にどうした、竜子……?」

竜子「ご、ごめんなさい、おかしなこと言っちゃった……」

竜「……」

竜「……(いや、急に、と言うより、今さら、か……)」

竜「竜子、母さんはおまえを産んですぐに死んだ……もともと、寿命で体力が落ちていたんだ

  ……ごまかすつもりは無い、私はただ、竜の血を絶やしたくないがためにお前を産んだ。……母さんを愛してはいなかった」

竜子「……」

竜「だが、命が尽きようともお前を産んだ母さんを、私は同じ竜として誇りに思う。そしてその姿を忘れることは、絶対に無い

  そして、母さんは誰よりお前を愛していた。 もちろん、私もお前を一番愛している」

竜子「……うん」

娘「……(いいなぁ……)」

部下「竜様! 魔王様がお見えになりました!」

竜「魔王様自ら? ……まあ瞬間移動が使えるからな……伝令を見て急いで来たのか

  わかった、すぐに行く」

竜「お前は部屋に戻れ、後でゆっくり話そう」

竜子「うん」

竜「」ノシノシ

竜子「……!」

娘「……あ

竜子「」ジリッジリ……(距離をとっている)

娘「!」

娘「(私にはわかる! あの後退は逃げるためじゃない!!)」

娘「」チラ

竜子「ガウ!」ダッシュドラゴンバイト!

娘「」ヒョイ! 

竜子「」ガチン!

娘「もらった!」ムスメスープレックスホールド!

竜子「ガフ!」HP0080/2000

竜子「だああああああああ!」再生力活性化! HP2000/2000

娘「な、なんて気迫……」

竜子「お前にお父さんは渡さない!」

娘「」ピーン!

娘「ま、まさかあなたも……」

竜子「やっぱり! お前もお父さんのことが好きなんだな!」

竜子「お父さんは私のだ!」

娘「り、竜さんのお嫁さんになると!?」

竜子「違う……私はお父さんの子供を産む!」

娘「! 意味的には同じようなものなのに重さが違う!!」

娘「って、何言ってるんですか!? 実の子供のくせに!!」

竜子「お前だって種が違うくせに!」

娘「なに些細なこと言ってるんです!?」(些細ではない)

 「愛し合っていれば関係ありません!」(愛し合ってない)

竜子「そ、そんな自信満々に言い切るなんて……」

竜子「でも、残ってる竜は私とお父さんだけ! 選択の余地はないんだから!」

娘「うぐっ……」

竜子「」ヘヘン!

娘「で、でも竜さんがあなたに手を出すなんてことは……」

竜子「……今、そんなことはどうでもいい。大事なのはあの一言!」

娘「!?」

竜子「お前を一番愛してる! それを私に言ったと言うこと!」

娘「いやぁぁぁぁぁぁ!!」ザックゥ!

竜子「つまりあなたはどうがんばっても二番以下!」

娘「ぐぎゃぁぁぁぁぁぁぁ!!!」メキドグシャ! (心のダメージ音)

竜子「二番以下!」

娘「あああああああああぁぁぁぁぁ!!!」HP000000/250000 !!

娘「あああ・・・あ・・・あ・・・・・・」

娘「あ・・はっは………」

娘「あーっはっはっはっはっは!!!」

コツコツコツノシノシノシ

魔王「あなたなら、人間の勇者を殺さず捕らえてくれると思っていました」

竜「人間に降伏勧告をするのだな?」

魔王「要求無しでね。我々にとって人間の土地や労働力などどうでもいいこと。そのことをわかってもらわなければ」

竜「クラーケンとベヒモスも、生存が確認されたらしいな」

魔王「ふふ、プライドはズタズタのようです。人間、しかも小娘にあしらわれたとね」

竜「……正直、一番槍を任せて欲しかったところだ」

魔王「責任を感じているのですか?」

竜「人間の魔族排斥の動きが活発になったのは、私のせいだからな」

魔王「好戦派の魔族も、あの二人が倒されたと知って人間の力を見直しています

        今回のことは、お互いを知る第一歩だったと考えるべきでしょう。あなたが一番に動いたのでは、戦いが終っても状況は変わらなかった」

ドゴォン!

魔王「!?」

竜「なんの音だ!?」

娘のいた場所。

壁が粉々に粉砕されていた。

竜「娘はどこに行った!?」

竜子「な、なんていったらいいんだろう……」

竜「な、何かあったのか?」

竜子「こんな運命を背負わせた神許すまじ! って……ものすごい勢いで出て行っちゃった……」

竜「神!? なんの話!?」

魔王「神……まさか、神の住む山に?」

竜「おそらく」

魔王「厄介ですね……捜索隊を向かわせるにも、あの山では」

竜「私が向かおう」

魔王「いかに竜さんとはいえ、あの山は……」

竜「かつて私の祖先はあの山を登頂し、神に挑んだと言う。

  登っていれば会うだろうし、私なら大丈夫だ」

神の住む山

万年雪に覆われたその山頂には神が住むと言われ、人間・魔族を問わず多くの者たちが頂を目指し、しかしたどり着いたものは竜族の祖先だけだったと言う……

娘「勢いで山頂に来てしまいましたが……

  神なんていませんね」

だけだったという

娘「ああむなしい……そもそも神様にあって何をしたかったんでしょう……」

娘「万年雪で寒いし、思わず裸足とタオルなんて軽装で出てきちゃったし……」

娘「帰ろ……」

神「待て……」

娘「?」キョロキョロ

娘「!」

娘「竜さん!」

バサバサ!

竜「……登りきっているとは思わなかったぞ」

娘「よかった……ちょうど足がしもやけになってきてたんです」ヨジヨジ

竜「……」

娘「はー、あったか」

竜「……」

バサバサ

神「……」

魔王「勇者さんも見つかったことです、さっそく会談に備えたミーティングを行いましょうか」

僧侶「戦士の説得はまだできてないけど、時間の問題だわ」

竜「……娘……勇者の姿が見えないが?」

魔王「ああ、こういう話は無理でしょうから外に」

僧侶「あの子にはカンペでも渡しておけば大丈夫」

魔王「本番でも、勇者さんはなるべく立ったまま終るようにシナリオを考えなければ」

竜「……」

竜「まあそうだな」

竜子「シャー!」

娘「シャー!」

戦士「五歳の竜と張り合うなよお前」

3ヵ月後。

竜「時間がかかったな」バッサバッサ

全員、竜の背に乗って移動中。

魔王「しょうがありません、魔族、それも竜さんや私を領内に入れたくは無いでしょう」

娘「でも二人だけ、っていうのも危ないですよね」

戦士「ふん、一人で万軍に匹敵する竜将軍だ。ちょっと気が変わればどんな被が」ガツン!

僧侶「黙ってなさいな。その万軍を打ち破ったときさえ人を殺さなかったのよ?」

戦士「……フン」

娘「いまさらですけど、この兜とか着けてなきゃ駄目ですか?」

僧侶「『勇者』として出席してもらわなきゃ困るのよ」

娘「重いからあんまり好きじゃないんですよね」

僧侶「あんた高く売れそうだからってもらった直後に質屋に入れようとしたわよね?」

娘「ええ、昔からの知り合いで……騎士団の紋章付きだろうと買い取ってくれますよ」

僧侶「質屋に勇者の鎧が置いてあったら盗賊に殺されたとか思われるでしょうが」

戦士「(そう言って止めなかったらホントに売ってたからなコイツ……)」

王都郊外

剥き出しの大地に、不自然に舗装された場所

竜「あそこか」

娘「あれ、会談って外でやるんですか?」

竜「私が入れる建物などないだろう」

魔王「それに、竜さんが街の上を飛ぶのは住民のショックが大きいですからね」

竜「……やはり、私より人間サイズの魔人を付き添いにした方がよかったのではないか?」

魔王「魔族、と言うものを手っ取り早く印象付けるには、やはり竜さんが一番でしょう」

竜「まあ、そうかもしれないが……」

魔王「しかし物々しい……」

戦士「(この距離で様子がわかるのか)」

僧侶「魔王と竜将軍となれば、兵を置くのも……」

魔王「……竜さん、予定変更です。あそこより離れた……あの木の辺りに下りましょう。

        ゆっくりお願いしますよ」

竜「……わかった」

トン。

竜「どうするんだ?」

魔王「待ちましょう、向こうから声をかけてくるのをね」

僧侶「……不穏ね」

戦士「私が話を聞いてくる」

僧侶「やめなさい」

戦士「……この国の騎士団には知り合いが多い」

僧侶「この二人が人間を極力刺激しないようにしてるのがわからないの?」

戦士「……」

魔王「戦士さん、兵士の方が来たときはお話をお願いします」

戦士「あ、ああ」

兵士たち「」ガッシャガッシャ

娘「……なんか多いですね」

戦士「止まれ!」

兵士たち「」ピタ!

戦士「降伏勧告の使者として、魔王自らが来た!

        彼らは人間の奴隷化や略奪、無差別な殺戮を望んではいない! 今すぐ武器をその場に置き、使者に対する礼節ある行動を願う!」

娘「(よく舌をかみませんね)」

僧侶「(あれでも元騎士団長よ? まあ竜将軍に騎士団壊滅させられてクビになったけど)」

騎士「申し訳ありません、それが……」

戦士「?」

騎士「先日、ある国が魔族によって……消滅したのです」

魔王「!」

騎士「」チラ

竜「……?」

騎士「その魔族は、巨大な竜だった、と」

竜「! な、なんだと!?」

騎士「ひ……」

竜「その国の名は!?」

娘「落ち着いてください!」

竜「だが!」

魔王「……間違いないのですか?」

騎士「」ビク!

魔王「……(恐怖で萎縮してしまっている……)」

僧侶「竜、というのは間違いないの? 竜将軍はここ数ヶ月、私たちと共にいたわ」

騎士「……黒い鱗に大きな翼を持った竜だった、と」

魔王「(竜の特徴はほとんどがそんなもののはずだが……大きさは?)」

僧侶「大きさは?」

騎士「聞いた話では……その、竜将軍ほどだと」

竜「どこのく」

僧侶「どこの国が滅ぼされたの?」

騎士「……コーソアドの国です」

竜「!」

騎士「とにかく、こちらとしては今回のことの事実がわからない限りは、魔王領の方との会談はとてもできない状況だと……」

先ほどの場所からさらに離れた。

戦士「どういうことだ……?」

僧侶「……魔族すべてが魔王領に属しているわけではないわ」

戦士「それはわかっている!

        だが、小競り合いこそあれ国に属さぬ魔族が大規模な破壊を行ったことは無かったぞ!!」

魔王「……竜さん、心あたりが?」

竜「……」

僧侶「コーソアドは、昔竜を神と祭っていたと聞くけど」

戦士「私も聞いたことがある。かつて火山噴火で国が溶岩流に飲まれそうになったとき、巨大な竜が立ちふさがり国を守ったと」

竜「……」

娘「……」

魔王「戦士さん、

        部下ではないあなたに頼むのは気が引けるのですが、あの国の兵士たちから話を聞いてきてもらえますか?」

戦士「わかった」

魔王「私は勇者さんと変装し、街で聞き込みをしながら、今日の宿を探します」

戦士「……町に行くつもりか?」

魔王「これでも、人間の町に行くのは一度や二度ではないんですよ

        ぱっと見は少し色黒の人間ですから

        それに、今回の件がどれだけ人間に影響を与えたのかをこの目で見たい」

娘「なんで私も?」

魔王「一応の保険です。

        私が何かのきっかけで町で暴れだしてもあなたが止めればいい、と言うことです」

戦士「……ずいぶんと皮肉ってくれるな」

魔王「ふふ、半分冗談ですが、私に見張り無く町を歩いて欲しくはないでしょう?」

戦士「……」

僧侶「私は?」

魔王「僧侶さんは竜さんと外にいてください」

僧侶「(見張りってことね、竜将軍の)」

竜「……」

街。

娘「じゃあ、ギルドか酒場にいる冒険者さんから話でも」

魔王「いえ、私が知りたいのは一般人の反応なのです」

娘「? でも通行人に片っ端から声をかけるのは不審ですよ?」

魔王「まあ、任せてください」

娘「……」

娘「ちょっと離れて歩いてください、と言われましたが……なんでしょう?」

ドン!

女「きゃあ!」 紙袋から食べ物がバラバラ!

魔王「あ、も、申し訳ない!」ヒョイヒョイ…………コッソリトグシャ!

魔王「あ、ああ……このリンゴやパンはもう駄目ですね……」

女「す、すいません、私も不注意で……」

魔王「是非弁償させてください……買い直さなければ……あ、荷物も持ちましょう」

女「え、いえそんな……」

魔王「」キラーン

女「」ドキーン

娘「」!?

魔王「実は私、この辺りには不慣れなもので……買い物ついでに、道を教えていただけると助かるのですが」

女「あ、え、ええ……」

その後、女から話を聞くと共に女を介してさまざまな人から情報を得た魔王だった

魔王「さて、あと2、3人同じことをすれば十分ですかね」

娘「ま、魔王さん!」

魔王「?」

娘「あのキラーンというのは一体!?」

魔王「気づきましたか、アレこそキメポーズというものです」

娘「キメポーズ!?」

魔王「顔の角度や光のあたり具合、表情、かもし出す雰囲気……そう言ったものすべてを状況に合わせたベストな状態にし、相手の心を揺さぶる。

        それがあのキラーンであり、キメポーズなのです」

娘「キメポーズ……そ、それを使えば、たとえば違う種でもドキーンとさせることはできますか!?」

魔王「ふふ、あなたは見たことがあるはずですよ? 私が違う種でありしかも同性である相手をカァァとさせドキーンとさせた所をね」

娘「……! 魔王さんが竜さんを勧誘に来た時!」

魔王「そう、あの時まさにキラーンが炸裂し竜さんはカァァとなってドキーンとなったのです!」

娘「そ、それって私にもできますか!!」

魔王「もちろん」

娘「ぜ、ぜひ教えてください! ぜひに!」

魔王「ふふ……」

娘「な、なんですか?」

魔王「いえ……本音を言えば、人間と魔族の共存など不可能だと思っていたのです。

        いずれ国を大きくすれば、人間を滅ぼさねばならない、と」

娘「そんなこと考えてたんですか?」

魔王「あなたと竜さんを見るまではね」

娘「」

魔王「圧倒的な力を持ちながら振るわない、脆弱でありながら相手の命を守ろうとする

        まああなたと竜さんが恐ろしく変わり者なのかもしれませんが、共存への道がなんとなくはかなくも見えた気がしたのです」

娘「(……見てたんでしょうかね……)」

娘「話を要約すると」

娘「魔王さんから見て私と竜さんはお似合いに見えると!」

魔王「何故そういう結論に」

戦士と合流した後、娘、僧侶、戦士、魔王は宿へと向かった

竜は一人、町外れへと身を隠した

夜。

竜「……」バサ!

娘「ま、待ってください!」

竜「む、娘!?」

娘「コーソアドに……竜さんのふるさとに行くんでしょう? 私も連れて行ってください!」

竜「……」

娘「……」

竜「」ガシ!

娘「おっと」

竜「とばすぞ、お前が居なくなったことに気づけば、魔王様たちも感付くからな」

ギュン!

ギュオオォォォ!

ズシン!

竜「ここがコーソアド、のはずだが……」

娘「……ここって本当に国なんですか?」

竜「お前には暗くて見難いだろうが、辺り一帯……いや、見渡すかぎり、焼き払われた跡しかないな」

娘「ほとんど更地……ですね」

竜「建物ごと人を焼き尽くしたのか……むごいことを」

ゴゴゴゴゴ!

竜「!」

娘「じ、地面が……」

バガァ!

???「……」

娘「! 竜!」

竜「……!!」

娘「(竜さんより、倍以上も大きい!!)」

???「騒がしいな……」

娘「(さ、最初のズシン! ってやつでしょうか?)」

竜「(いや……同じ竜の気配を感じたのだろう)」

???「……同族とはいえ、100年ぶりの安眠を邪魔しないで欲しいものだ」

竜「……人々の灰の下で安眠とはな」

???「ようやく……静かになったのだ」

娘「こ、この国は、あなたが?」

???「人間が居たのか、小さくて気づかなかったぞ」クアァ……

娘「!」

???「」ファイアブレス!

竜「」炎を尻尾でパーン!

竜「どうやら、問いただすまでも無いらしい」

???「……人間を従者にするのは止めておけ、いつ寝首をかかれるかわからんぞ」

竜「従者ではない、友人だ」

???「なおさらやめておくことだ」

竜「……変わったな」

???「何?」

竜「かつては、人を信じ慈しめと教えられたものだが」

???「……! まさか」

竜「100年ぶりではわからないのも無理は無い……父さん」

父竜「!」

娘「(やっぱり……)」

父竜「生きていたのか!」

竜「私にとっては、あなたが生きていたほうが驚きだ」

父竜「……」

竜「……母さんは?」

父竜「どうなったかなど思い出したくもない……!」

竜「竜殺しの剣士は私が殺した。

  国を滅ぼさなくとも、復讐はもう」

父竜「竜殺しの剣士? そんなものはどうでもいい」

竜「……?」

父竜「かつて人間を守ったのはあやまちだった、だから殺しただけのこと」

竜「……今、魔王様主導の下、魔族と人間の講和が図られている。

  100年はどこかに身を隠せばほとぼりも……」

父竜「人間との講和など不可能、魔族と人間はすべてが違う

        だから私が滅ぼす、人間すべてをな」

竜「……昔から、極端な人だとは思っていた!」ドラゴンテール!

父竜「!」

父竜「私と戦うか」

竜「私にも子供ができたものでな……より良い未来を与えたい!」ドラゴンバイト!

父竜「」フン! HP6799800/6800000

父竜「」ドラゴンバイト!

竜「!」バキメキ!HP160000/240000

ギギギギギギギ!

父竜「」

竜「ググ・・・」メキメキ! 

娘「」ムスメクロー!

父竜「」! パッ

竜「」ファイアブレス!

父竜「」ヒュウウ……

父竜「」ファイアブレス!!

竜「」HP008000/240000!

娘「」HP090000/250000!

父竜「」ヒュウウ……

竜「(く……連続で放つつもりか!

  私も娘も、もう耐えられん!)」

父竜「」ファイアブレス!!

魔王「」バリア!

父竜「」!

魔王「すいません、景色が様変わりしすぎていたせいで瞬間移動が遅れまし……!?」バリアハカイ! HP160000/190000!

僧侶「」カイフク!

竜「」HP018000/240000

娘「」HP100000/250000

戦士「オオオ!」

父竜「」ガキン! NoDamage!

戦士「!」ケンハヘシオレタ!!

戦士「くっそ、何が竜将軍と同じくらいだ! 体格が全然違うぞ!」

魔王「」アイス!

父竜「」カチン!

魔王「竜さん! 先に逃げてください!」

竜「断る!」

魔王「いいですか、私たちは瞬間移動で逃げられますが、あなたほどの大きさでは瞬間移動に巻き込むことができません!

        時間を稼いでいるうちに早く!」

父竜「」ファイアブレス!

魔王「」バリア! ……ハカイ!

竜「……く、すまん!」

バサ!

父竜「竜よ!」

竜「!」

父竜「次お前がここに来た時、あの日の後にあったことを話そう!

        そのときどうするか、お前が決めろ!」

竜「……あの日の後、あったことだと……」

バサバサ!

シュン!

魔王の瞬間移動で逃走した四人。

魔王「さて、竜さんが来る前に、状況を教えて欲しいのですが」

娘はすべてを話した。

戦士「馬鹿げているだろう! 恨みがあっても、100年前の人間がやったことは、今の人間には関係ないはず!」

魔王「100年など、魔族にとってはそう長い時間ではありません……父竜が言ったという、魔族と人間はすべてが違うという言葉、なかなか的を射ている」

僧侶「……でも復讐にしては……やりすぎとしか」

魔王「行為の意味は置いておきましょう、今の問題は、まるで歯が立たないということです」

戦士「竜将軍も、あれほどじゃなかった」

僧侶「父親とはいえ、同じ竜にしては力が違いすぎるわ」

娘「あ、それは……なんというか、これを知ったからといってどうなるとか言うわけじゃないんですが」

僧侶「?」

娘「竜さんは、まだ子供なんです」

僧侶「……は?」

魔王「……子供、とは?」

娘「そのままの意味です。5年前に聞いたとき、まだ200歳……人間で言う14歳くらいの成長期って」

戦士「……は?」

僧侶「将軍やってて魔王軍最強名乗ってて子持ちが14歳で成長期?」

娘「いや気持ちはわかりますよ!? 私も竜さんのお父さん見るまで忘れてましたもん!」

僧侶「つまり、ホントに大人と子供ほど違う、と」

娘「そうなりますね」

魔王「純血の竜族とは、竜さんのあれで子供だったのですか……」

娘「(魔王さんも知らなかったんだ……)」

竜「」バサバサ……トン!

竜「待たせた」

魔王「竜さん、大丈夫でしたか!?」

僧侶「ところどころ、怪我が残ってるわね……早く治さなきゃ」

戦士「すまない……私たちにもっと力があれば」

竜「(なんか気持ち悪いな)」

戦士「しかし、どうしたものだろうな」

娘「あ、でも竜さんが次来るまで待つとか言ってましたし、一生行かなきゃいいんじゃないですか?」

僧侶「さすがに、それが通ると思ってるわけじゃないでしょうね?」

竜「だが、それなりの時間はある、ということだろう」

魔王「そうとは言えません。

        今までは大地に潜っていたから見つからなかったようですが、人間に存在がはっきりと知れれば討伐隊が送り込まれるでしょう」

僧侶「送り込まれた端から殺されるわね……」

戦士「そこは私が話してみる。いつまでも、は無理だろうができるだけ引き伸ばされるように」

魔王「長く見積もっても1ヶ月、というところでしょう」

娘「……倒す準備をする前提で話が進んでますけど、説得は無理でしょうか?」

魔王「」チラ

竜「……無理だろう、父さ…父竜は次会う時、あの後あったことを話そう、と言っていた。

  おそらくその内容が父竜の復讐心の源、それがわからないのではな」

娘「竜さんは気にならないんですか? 「あの後あったこと」って」

戦士「(コイツばしばし聞くな……)」

僧侶「(とはいえ重要な問題だわ。その話で竜さんが裏切る可能性もあるんだから)」

竜「……気になる、といえば気になるがな。

  だが、私にとってはすべて過去だ。あの後何があろうとも、な」

僧侶「(あの後……当然、竜さんの母親が死んだ後……ってことよね?)」

戦士「(何かあっても、何か変わるものか?)」

僧侶「一番は、ドラゴンキラーを見つけることだと思うわ」

戦士「確かにな。それで一度死に掛けているんだろうし」

娘「!」

竜「すまないが、それは無理だ。持ち主は私が殺してしまった」

僧侶「え、剣は?」

竜「うかつに触れられなかったから、ファイアブレスで焼き尽くした。チリも残さずな」

娘「え……?」

僧侶「あー……まあ、そうよね。竜さんにとっては危険なものだし」

娘「……?」

娘「……?」

娘「ここはどこでしょう?」

娘「吹雪いてるのに全く寒くありませんが……」

娘「はやく帰らないと……」

神「待て……」

娘「?」キョロキョロ

神「」

娘「!」

娘「……えーと、あなたは?」

神「私は神と呼ばれる存在。世界の力を調停するもの」

神「神の山の頂を見た者よ、これを授けよう」

娘「! これは……(ドラゴンキラー!)」

神「その剣は、ひとかすりしただけで竜の魂を削り取り絶命させる」

娘「……ま、まさか、ドラゴンキラーを作ったのは」

神「私だ」

娘「(なるほど、一本だけじゃなく何本もあったわけですか)」

神「かつて愚かなる竜は私に戦いを挑んだ

  私はこのまま竜の力が増せば、世界にとって大いなる脅威になると感じた……

  だから、これを再び人間に託そう」

娘「……このドラゴンキラー、世界にただ一つなのですか?」

神「それが三本め……!!」

娘「」ムスメクロー!

神「な……」急所を突かれた!

ドサ!

娘「これでもう、新しいドラゴンキラーができる心配はありませんね」

ドラゴンキラー

娘「こんな面倒なものを作らなければ、竜さんは悲しまず済んだものを……!!」

バキメキバキバキ!!

魔王領・魔王城・客間寝室

娘「はっ!」

娘「……なんだ、夢か」

娘「……」

真っ赤な手と、枕元に置いてある粉々の剣。

娘「……ま、いいか」

会議室

幹部A「近隣に海が面しているのなら、海中に引きずり込んでクラーケン様や海の魔族たちに……」

幹部B「竜は海中でもそれなりに戦える。むしろ豊富な陸上の魔族を使えなくなるほうが厳しいのでは?」

魔王「いえ、多くの数に陸上を移動させることはできません。人間の領地に侵入せねばならないのですから」

幹部B「なら、海中策しかないということですか」

魔王「……どれだけ通用するか……」

竜「」ドラゴンクロー!

娘「」サッ

娘「」ムスメバイト!

竜「」!  ハタキオトシ!

娘「」シッポヲ ツカンデ……

竜「」!

娘「」ナゲル!

ドスン!

娘「竜さん! 本気で来てくれなきゃ特訓になりませんよ!」

僧侶「致命傷でもここでならすぐに治せるわ、遠慮なく戦って」

竜「ぬう……」

竜「」ファイアブレス!

娘「」ファイアブレス!

娘「」ホノオニ マギレテ パンチ!

竜「」ムリヤリ アシデ オサエコミ!

娘「」! ミシミシ!

竜「」シッポデ ツカンデ……タタキツケ!

娘「」クハ!

僧侶「(実力が伯仲した者同士のほうが特訓は効果があるとはいえ……どれだけレベルアップできるものかしら)」

戦士「……」

僧侶「どうだった?」

戦士「討伐隊の編成が決まった……一週間後だそうだ」

僧侶「……どういう交渉したのあんた」

戦士「国はあの竜を甘く見ている……っていうか竜将軍がトアル山に住んでたとき、実質被害が無いのに物流がすごく激しくなったろ?」

僧侶「賞金もあるけど、竜を倒すことは最高のステイタス、戦士たちにとっては夢みたいなものでもあるからね……冒険者がガンガンやってきてたわ

        それに、キッチリ身包みはぐもんだから新しく装備整えるために物買ったり、臨時の仕事に就く冒険者が増えたのよね」

戦士「同様の効果を期待してるらしい……とりあえず討伐隊を送って竜を確認の後、賞金をかけるってな」

僧侶「私たち「勇者パーティ」を討伐隊に置く事はできなかったの?」

戦士「俺たちはまだ「魔王軍討伐任務」中だ、他にはまわせないってことだ」

僧侶「そんなお役所仕事な」

戦士「今竜を倒されたら困るからだろ……俺たちじゃあ万が一にもありえないが」

魔王「これなら、互角の戦いにできると思います」

竜「……たしかに、勝てるかも知れん」

魔王「あの話を聞いて、この魔法を思い出したのですが……失うものも大きい」

竜「かまわん、竜族の不始末は竜族がつける、当たり前のことだ」

娘「なんとも久々ですが……」

トアル山。

看板「かつてこの山に住んだ竜は村に疫病をもたらし、満月の夜が来る度に村の娘を生贄として食い荒らした」

娘「……妙な観光名所にしているとは」

看板「」バメキャ!

村人「ち、ちょっと困りますよ! 看板壊しちゃって……」

娘「さっさと撤去したほうがいいですよ? 人間の降伏が決まれば、こんな商売しててどうなるか」

村人「降伏ってあんた何言って……!? お、おまえは……」

娘「人違いでしょう」スタスタ

ガサガサ

娘「えーと、この辺だと……あった」

ドラゴンキラー(へし折れ)

娘「このくらいなら直せるかもしれませんからね」

バキバキバキバキバキ!

ドラゴンキラー(粉々)

娘「これでよし、と」ポイ!

バサバサ!

竜「……とんでもないことを」

娘「あ、竜さん」

竜「もっとも安全な策だぞ、それは」

娘「竜さん、この剣嫌いじゃないですか?」

竜「……見たくもない」ファイアブレス!

ドラゴンキラー(灰)

魔王「一週間後ですか……ならば、その前日に何とかしなければ」

戦士「討伐隊を見捨てる、という選択肢もあるぞ?」

魔王「いまさら試すようなことを言わなくとも。

        それに、時間を多少延ばしたところで今以上の有効な対策を練られるとは思えませんからね」

僧侶「対策? なにかあるの?」

魔王「ええ、とっておきです」

魔方陣の上に乗った竜。

娘「パワーアップできる魔法があるんですか」

僧侶「そんなのがあったらとっくに使ってるでしょ……ていうか、どう見ても呪いの類としか……」

バチバチ!

竜「オォオオオオオオ!!」HP240000→5200000!

二周りも大きくなった竜。

魔王「……無事、成功ですね」

娘「こ、これは!?」

魔王「呪いの一種でね、相手を老いさせるのが目的のものなのですが、まだ幼体である竜さんなら、うまく調整すれば成長させることができる

        これなら成竜とも互角に戦えるはず」

娘「成長させるって……竜さんの体は大丈夫なんですか?」

魔王「当然、成長した年月分の寿命は失います」

娘「!」

竜「私も承知の上だ。 ……竜に勝てるのは竜しか居ない」

娘「……」

戦士「老いさせる……、そっちをあの竜に試せばよかったんじゃないのか?」

僧侶「人を呪わば穴二つ、呪いは失敗すれば術者にそのまま効果が返ってしまうの。 メジャーな攻撃手段になれない一因ね。

        見たところ相手に動かれちゃ困るものみたいだし、こんな使い方しかできそうに無いわ」

竜、成体へ

急激な変化は想像以上に負担があったらしく、残された時間、竜は療養に専念するしかなかった。

そして一週間後。

コーソアド。

灰と化した大地の上に、父竜。

娘「一週間何やってたんでしょうね」

僧侶「ちょっと黙ってなさい」

僧侶(でも言われてみると少し気になる)

父竜「来たか」

竜「……よく私だとわかったな」

父竜「手段は知らん。だが、たかだか私に勝つために愚かなことをしたものだ」

竜「……」

父竜「……あの日、私はあの後、右腕と翼を失った

        その傷を癒すには、地中にて百年の眠りを要した」

竜「……? たしか、一突きで動かなくなったあなたを見て、あの剣士は立ち去ったはず……」

父竜「はっきり言っておこう。私はあの剣士を恨んではいない。

        ドラゴンキラーがあるとはいえ、竜に挑み勝利した、そのことに変わりは無い」

竜「なら、何故」

       

父竜「……思い出すだに忌々しい、この国の人間どもだ」

父竜「あの後、私は右腕と翼を切り落とされた所で目が覚めた……赤い血溜まり、小さなカケラ……最初はわけがわからなかったがな

        数秒のち、その血だまりが! ばらばらになった肉が! 剥がれた皮が妻と知った!」

父竜「解体されていた。 家畜のようにな!

        そこに居た人間どもは血をすすり、肉を貪り食った!」

竜「!」

父竜「その行為がすべてだ、人間にとって我々は物に過ぎん、己の利に反すれば殺し、死には尊厳も与えられぬ!

        知性の有無も無い、ただ都合のいいときだけ生かしているに過ぎん!」

竜「……人間すべてが、そういうわけではあるまい」

父竜「お前が人間の何を知る?

        私は土の底で眠りながら、バラバラになったお前と母さんの夢ばかり見ていた

        ただバラバラなのではない、まるで肉屋にでも並べられるように解体された姿でな」

竜「黙れ……!」

娘「……」

娘「竜さん、本当はどう思ってるんですか?」

竜「……?」

戦士「あいつ何言って……」

娘「人間はみんな悪い人じゃない、そのとおりです。

  でも、人間の内一人でも誰かを殺そうと思ったなら。竜さんたちを殺そうと思ったなら。

  その一人のせいで、死んでしまうかもしれないんですよ?」

竜「……」

戦士「極端な話だ」

僧侶「……でも、それが竜さんの家族に起こったことなのよ?」

竜「……(そうだ、私は人間のことなど良く知りはしない

  ただ昔、父や母から、弱きものを慈しめと、自らのために力は振るうなと……それが強き種である竜だと、そういわれてきただけだった

  だが……人間は知らないが、よく知っている人間は、いる)」

竜「その「人間」とやらに、お前は入っているのか?」

娘「え……」

竜「ならば守ろう。お前以外の誰かに殺されようとかまわん」

竜「」バンッ! ツバサヲ ツカッタ カソク!

竜「」カソクヲ リヨウシテ ドラゴンクロー!

父竜「」ザグ! HP6760000/6800000!

父竜「この……愚か者が!!」ドラゴンバイト!

竜「」! バキミシミシ!

父竜「」クワエコンダママ ヒキタオシ! フミツケ!

竜「ガ・・・カッ!」 HP4800000/5200000!

父竜「竜とは長い年月をかけ己の力を増していく!

        ただ体が大きくなっただけのお前が私に勝てるか!!」ヒュウウ……

父竜「」ファイアブレ……

魔王「カァッ!」ドラゴンタックル!

父竜「!」フハツ!

魔王「」ドラゴンテール!

父竜「貴様、その姿は……」

魔王(第二形態)「私の体には魔人の血の他に竜の血も流れていましてね。ハーフドラゴン、というやつです」

父竜「ふん、竜と魔人の子か……純血の竜に敵うと思ってか!」ドラゴンクロー!

魔王「」ザクザク!

魔王「ヌウ!」

竜「」ドラゴンクロー!

父竜「」シッポデ ケンセイ!

父竜「」ファイアブレス!

竜「クッ…」

娘「」ガシィ!

父竜「」!?

娘「タアァァァ!」ナゲ!

父竜「」!!?

ズウン!!

魔王「」ドラゴンテール!

父竜「」キタ シッポヲ クワエコンデ……

魔王「!」

父竜「」チカラヅクデ フリマワシ!

魔王「!!」ズン! メキメキ!

魔王「」クゥ…… ヘンシンカイジョ……

父竜「」フミツケ……

竜「」ファイアブレス!

父竜「」カマワズ トッシン!

父竜「」ドラゴンタックル!

竜「」ドラゴンタックル!

ガキィン!!

戦士「・・・・・・生き物がぶつかってる音じゃないな」

魔王「く……申し訳ない」 (戦士に引っ張られて回収された)

竜「グゥ…」ガク

父竜「」ドラゴンバイト!

娘「」バッ! タチフサガリ!

父竜「」! カマワズ ドラゴンバイト!

娘「」ファイアブレス!

父竜「」!?

娘「」スキヲ ツイテ クロー!

父竜「」!!

竜「」ドラゴンバイト!

父竜「グゥ!」ドラゴンバイト!

竜「」

         カミツイタ ママ ファイアブレス!

父竜「」

竜「」 HP 3200000

父竜「」HP 1800000

竜「」 HP 2400000

父竜「」HP 1400000

竜「」 HP 1600000

父竜「」HP 1000000!

竜「」 HP 800000!

父竜「」HP 600000!

竜「グウゥ……」HP0000000!

父竜「カァ・・・ッ…ハァーッ……ハァッ!」HP0200000/6200000

娘「」ザッ!

父竜「」!

娘「」スゥゥ……

父竜「ファイアブレスか……体力を消耗したとはいえ、人間の半端な技に負けはせんぞ!」

娘「」ファイアブレス!

父竜「」ファイアブレス!

娘「」ソノママ ツッコム! HP280000/320000

父竜「」! ドラゴンテール!

娘「」HP 200000 ムスメタックル! 

父竜「ク……」 ドラゴンクロー!

娘「」HP 110000 ムスメクロー! 

父竜「」ドラゴンバイト!

戦士「いかん! 避けられん!」

娘「クフッ!」バキゴキッ!

娘「」ニヤ

父竜「!」

娘「」ファイアブレス!

父竜「ク……」ファイアブ…

娘「」ファイアブレス!

父竜「グゥゥ・・・」ズシン! HP0000000/6200000

父竜「グ・・・クッ!」

娘「……」

娘「」クルッ

娘「」スタスタ

戦士「お、おい! なんでトドメ刺さないんだよ!?」

娘「昔、竜さんからお父さんとお母さんが死んだときの話を聞きました

  ……そのときの竜さんは、とっても悲しそうだったから」

父竜「!」

僧侶「……怪我は?」フフ

娘「腕がなんか痛いです」

僧侶「ちょっと、これ千切れかかってるじゃない!?」

娘「ああ、道理で痛い割りに痛くないと」

父竜「・・・・・・」

父竜「・・・・・・!」クワッ! ダン!

娘「え……」

竜「」! ダンッ!

父竜「」ドラゴンバイ……

竜「」ドラゴンバイト!

父竜「」メキメキ……ゴキン! 

父竜「クフ・・・…フフ」……バタン

娘「え……竜さん……」

竜「……」

竜の手によって、父竜の遺体はコーソアドの火山に投げ入れられた。

竜も娘も口を開くことなく、溶岩に沈む父竜を静かに見送った。

そして数ヵ月後。

竜も娘も傷は癒え、ようやく人間と魔族の会談が始まろうとしていた。

戦士「はぁ」

僧侶「なに? 溜め息なんて」

戦士「すっかり忘れてたが、魔王軍討伐を成し遂げて騎士団長への復帰を狙っていたんだよなぁ……」

僧侶「国の期待を一身に背負った勇者パーティ、でも負けちゃったからね……国じゃ出世も無理じゃないかしら」

戦士「ずばずばと致命的なことを言ってくれるな……」

僧侶「あら、戦いから離れられていいじゃない。 私はもう一生分戦った気分だけど」

戦士「おまえな、戦い以外でいまさらどんな生き方ができると」

僧侶「魔王が人間のスタッフを探してるのよ。

        魔族とのいさかいが無くなれば戦い専門の僧侶なんて仕事もなくなるし、私は話に乗せてもらうけど」

戦士「……そんないまさら魔王軍につけるか」

僧侶「それこそいまさらなに言ってんの……?」

娘「魔王さん、ちょっといいですか?」

魔王「勇者さん? ええ、今一区切りついたところですから」

娘「あの戦いで、私は大事なことを知りました」

魔王「私もです。人間と魔族の溝というものは」

娘「そんなことじゃないんですよ!」

魔王「そんなこと!?」

娘「あの戦いで一番大事なこと、それは竜と魔人の間には子供ができるということです!」

魔王「それが一番なのですか!?」

娘「と、いうことは! 竜と人間の間にも子供ができるはず!」

魔王「ま、まあ……魔人と人間の間にも子供はできますし、できないことは無いと思いますが……」

娘「そういうことで、ハーフドラゴンの魔王さんにはお父さんとお母さんがどうアレをソレしたかを是非教えて欲しいんです!」

魔王「アレをソレ!? い、いやなんというか……」

魔王「私は確かにハーフドラゴンですが、私の両親もハーフドラゴンだったので……普通だったのではないかと

        それに、親のアレソレなど見たこともありません」

娘「」ガーン!

魔王「期待に副えず申し訳ない」

娘「……いいえ、かまいません!」

魔王「?」

娘「子供ができるということは、アレコレもできるということ! 自分であらゆる手段を試せばいいんです!!」

魔王「それは乱暴な……」

娘「そうとなれば善は急げ!」ドヒュン!

魔王「あ、ちょっと……すごい勢いで走っていってしまった……」

魔王「……」

魔王「子供、ね……」

数時間後。

ティータイムも過ぎ、午後の風うららかなひととき。

外で物思いにふける竜。

竜「……」

娘「竜さん竜さん」

竜「どうし……!?」

娘「」ムスメマツバクズシ!

ズーン!

娘「」ムスメマウント!

竜「なんのつもりだ!?」

娘「」キラーン!

竜「」ドキーン!

竜「(な、なんだドキーンとは!? 相手は娘だぞ!?)」

娘「竜さん……あの戦いで、私は大切なことに気づいたんです」

竜「……?」

娘「竜さんは、本当に人間と魔族が共存できると思いますか?」

竜「当然だ、そのために戦っているんだ」

娘「私は無理だと思います」

竜「! ……何故だ?」

娘「そう言っている竜さん自身、他種族を竜より力が劣ると見下げているからです」

竜「……!」

娘「あの戦いもそうでした、竜さんはお父さんを倒せるのは竜族だけと考えて、呪いで大人の姿に……

  私たちの力を、少しは信じてくれても良かった……」

竜「……」

娘「だから! 他種族を認めるためにも!」バッ!

娘「さあ!」

竜「なぜ脱いだ!?」

娘「やはり認め合うにはこれがアレでしょう!」

竜「アレとはなんだ! ええい最近はようやくわけのわからんことを言わなくなったと思っていたのに!」バサバ……サ

竜「!? 力が入らん!!」

娘「ふふふ、さきのティータイムに出した紅茶に、痺れ薬をそれはそれはたんまりと!」

竜「な、なんだと!?」

娘「50kgほど!!」

竜「道理で樽なんかで渡してきたと思った!!」

娘「さあ脱ぎましょうか!」

竜「最初から何も着とらんわ!」

娘「つまり準備万端だったと!」

竜「やかましい!」

娘「ああもうこのすべすべのおなかとか誘ってるんですか」サスサス

竜「」ゾクゾク!

竜「こんな外で事に及ぶつもりか!!」

娘「竜さんが寝そべればそこがスウィートルーム!!」

竜「人が来るぞ!」

娘「来ればいいでしょう!」(答えになってない)

竜「物理的に不可能だろう!」

娘「物理なんかを言い訳にしないでください!」(自分でも何言ってるのかわかってない)

竜「(い、いかん! いつになく目が! 目がマズイ!)」

竜「だ、誰か! 誰か!」(女のような悲鳴をつい上げてしまった)

娘「ふふ、泣こうがさけぶべ!」メキャゴ!

竜子「お父さんになにやってるんだ!」

娘「く、うるさいのが……」

竜「竜子!」

竜子「今日は決着をつけてやる!」

娘「つまり私があなたを倒せば竜さんのソレをアレしてもOKだと!」

竜子「そうだ!」(よくわかってない)

竜「え!?」

竜子「シャー!」

娘「シャー!」

竜「……(今のうちに這ってでも逃げなくては……)」ズルズル

魔王「楽しそうですね」 

                                        娘「タエリャ!」 竜子「アウ!」

竜「どこがだ!!」

魔王「本当は、まんざらでもないのでしょう?」

竜「…………痺れ薬盛ったあげくこんな所で事に及ぼうとするヤツは嫌だ!」

                                        竜子「マダマダ!」 娘「コレデオワリ!」 バシコン!

魔王「よく聞いてください、竜さん」

竜「なんだ」

魔王「現在、あの一件で人間と魔族の溝はより深まろうとしています」

                                        娘「ネンノタメ ツルシアゲトコ!」ズルズル

竜「……」

魔王「現状を打破するには、インパクトのあるニュースが必要不可欠なのです」

魔王「それぞ、勇者と竜将軍の子供!」

                                        娘「アレ? リュウサン? リュウサーン?」

竜「なにほざいてるんだ貴様!」

魔王「はっきり言って、当事者以外には感情の風化など早いもの。

        ここで一発ぶち上げれば、手っ取り早く事態が解決することは間違いありません!」

竜「手っ取り早くなくともゆっくりやればよかろうが!」

魔王「勇者さん! 竜さんならここですよ!」 シュンカンイドウデ トウソウ !

竜「ま、待て貴様! 貴様ぁぁぁぁぁ!」

娘「ここですか竜さん!」 竜「イヤァァァ!」

おしまい

コツコツコツコツコツ

戦士「引き伸ばしに引き伸ばした会談ももうじきだな」

魔王「ええ、勇者さんのお腹が膨らんでくるのを待っていたので」

僧侶「なにもそこまでタイミングを合わせなくても……」

魔王「あの二人は魔族と人間の友好の象徴となり得ます。最大限に利用しなくては」

僧侶「竜さんが勇者の出席を認めてくれるかしら。出産後とか言いそうな気もするわ」

戦士「かなり神経質になってるからな……勇者から離れようとせん」

魔王「二人の子供のためにもなることです、理解してくれるでしょう。

        ……しかし私が言うのもなんですが、一体どうやったのか……」

僧侶「あら、堂々とセクハラ?」

魔王「……世知辛い」

娘「あ、動いた」

竜「……竜なら卵生のはずだ」

娘「私は胎生ですよ?」

竜「……」

娘「ほら、ちょっと聞いてみてくださいよ」

竜「……そんなみっともない格好をできるか」

娘「ホラ!」

竜「……」ピタッ

トクントクン

竜「……」

……サン……

竜「?」

オトウサン……

竜「!!?」

竜「ま、まさか……」ピタッ

ネエ オトウサン……

竜「(な、なんだ……)」ドキドキ

オカアサンニ アイシテルッテ イッテアゲテ……

竜「」バブゥ!!

魔王「」

戦士「」

僧侶「」

娘「」ネェオトウサン……(腹話術)

竜「い、いやしかし……」

戦士「(勇者が妊娠してからかしこさ下がったよな)」

ホラ……

竜「そ、そんないまさら……」

ヒトコトダケデ イインダヨ……

竜「だ、だが……」

ホラ! イッテ! スピーク! スピーキング!

竜「……」

娘「スピーキング! ってあれ」

竜「」

娘「」

竜「おまえというやつは」

娘「ふふ、ゴメンナサイゴメンナサイ」

竜「……」

娘「(……怒っちゃった?)」

竜「……」

チュッ

娘「」

竜「」

娘「」

竜「」

 

娘「」……ッブワッ! ポロポロポロ!!

竜「な、何故!?」

娘「だ、だって……い、今まで竜さんから、こ、こういうことしてくれたこと、ないしっ!」ポロポロ

竜「だ、だからと言って泣くほどか!?」

娘「よく考えたら初めてでファーストだしっ!」ポロポロ

竜「……そういえばそうだな……」(なんかしみじみした)

娘「」グジグジ

竜「落ち着いたか」

娘「はい! というわけで!」ンー!

竜「なんだ」

娘「いきなりすぎてゆっくりできなかったので、今度はゆっくりと初めてでファーストをば!」

竜「もう初めてでもファーストでもなかろうが」

娘「じゃあセカンドでもサウザンドでも!」

竜「……まったく」

娘「」ンー!

竜「」ンー……?

魔王「」

僧侶「」

戦士「」

竜「……いつからそこに?」

魔王「え」

戦士「……」

僧侶「竜さんが勇者のおなかに耳当ててる辺りから……」

竜「ウワァァァァァァァァァァァァァ!!」バサバサバサ!!

エピローグ・完

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この記事のコメント一覧
1 . 名無しさん  ID:nh3ibm340編集削除
最後まで読み切った人いる?
2 . 通りすがり  ID:IFrCTa7i0編集削除
一応読んだ…
3 . 名無しさん  ID:2.Yc4ELB0編集削除
あきた
秋田
空きた
4 . 名無しさん  ID:54I7U60E0編集削除
なんとか読み切ってやったぜ

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