高校生の時、自分で髪切って失敗した事があった。
次の日の放課後、Yに人気のない場所に呼び出され
ものすごく深刻な表情で、吐き捨てるように

「帽子みたい」

と言われた。

Yはヘアメイクが結構上手な子だったので、恥ずかしさで頭に血が上り

「わかってるよ!でも少し我慢してれば何とかなってくるでしょ?
 一生このままってわけじゃないし、何もそんな事言わなくてもいいじゃん!」

と言うと、Yが突然泣き出した。


しまった、言い過ぎた!と思い、慌てて

「どうにもならなくなったら、あんたの手も借りたい…」

と言うと
Yは泣きながら

「わかった。もうあんな事言わない。ごめんね」

と。

つい先日、Yと飲みに行ったら彼女がその話をしたので、色々思い出した。

「あの時はあの勢いに救われたよ。まったくいい友達だ、あんたは」

と、照れたようにYは言ったが、私は顔がひきつった。

「帽子みたい」じゃなくて、「もう死にたい」だったのか…

その後、何度も友情に乾杯してから真実を打ち明けた。
私も衝撃的だったけど、Yはもっと衝撃的だったと思う。

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この記事のコメント一覧
1 . 名無しさん  ID:WAIh8ClC0編集削除
読み返して、…なるほど。
2 . 名無しさん  ID:PEOW0CqK0編集削除
どう読み替えても会話が成立しないと思うんだけど?
3 . 名無しさん  ID:m0guvvaG0編集削除
そこがリアルなところ
4 .   ID:pDVeqCIX0編集削除
相手に汲み取る気があれば、多少辻褄合ってなくても
衝動に任せた物言いの方が気持ちは伝わったりするしね

奇跡的に状況が噛み合ってたせいではあるけど
本当に欲しい言葉だったから上手くハマったんだろ
5 . 名無しさん  ID:pME4bIC20編集削除
最後まで読むと、必ず最初から読み返してしまう。なんという名文
6 . SEXマシーン  ID:lymE4UGw0編集削除
そんなことよりSEXしたい。
顔射したい!
7 . 名無しさん  ID:gVDQb2Fd0編集削除
お前らが褒めるとは珍しい

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