まず前提の話になりますが私は小説のようなものを趣味で書いていました。
ようなもの・・・という理由も趣味程度のものなので手記風だったり、ラノベ風だったり
一般的な小説風だったりとコロコロ変わる書き方。
恥ずかしい内容のものを書いたものもあったので結婚前も後も妻にも言ったことはなく
ひっそりとやっていました。

今回はその趣味が修羅場の原因。



今年の4,5月、タレントのYさんが不倫でテレビに大騒ぎになっていましたよね。
私はその報道を見て、「不倫を題材に小説を書こう!」とスイッチが入りました。
今回はリアルな手記風にしてみるか・・・と資料集めを開始。
本屋さんに不倫を題材にした小説を探しに行き購入し、女性向け週刊雑誌を買い、有名な昼ドラを見て、ネットの体験談を集め・・・。
予定以上に集まり、それらを参考にPCへ打ち込んでいた小説の進みは非常に良いものでした。
主人公を自分の名前にし、不倫相手は実際にはこんな人おらんやろ!というくらい自分の希望を詰め込んだ人物像にしたので、元来想像力逞しい私は架空の人物にハァハァと興奮。
傍から見ればPCを見てニヤけているのは大層気持ち悪かったと思います。
途中何度か妻に何してんの?と聞かれることはありましたが

「面白いサイト見てるだけ」

とそれらを載せたHPやブログを見せて一緒に笑い、

「ちょっとアレな画像みてた」

と言ったときは軽く叩かれはしましたがそれで終わりました。

ですが・・・妻の不信感は拭えなかったんですね。
このとき正直に言ってればよかったととても後悔。

0小説が八割がた進み、クライマックスを書き進めていた6月末頃のことです。
ご飯を食べ終えてPCに向かいカタカタと打ち込む私に妻が話しかけてきました。

「ねぇ、私に隠してることない?」

「・・え?いや、別に、ないけど・・・」

(小説書いてるのバレた・・・?やべぇバレてたらどうしよう前に書いたのも見せてって言われるかな
 見られたら死ねるほど恥ずかしいものもあるんだけど)

「・・・そう、じゃあいい」

そういうと妻はふっと能面になりバタバタと走って玄関にいき乱暴にドアを開けて

「アンタが浮気してんの知ってんのよ!!このロクデナシ!!実家に帰る!!」

と大声で叫び出て行ってしまいました。

「え・・・ええええちょっ待て誤解だっ俺は浮気なんてしてないいいいい」

あまりに突然のことに私もパニックになり、追いかけようとしましたが車で出て行ってしまった
妻には追いつけず。
携帯に電話するも出て貰えず・・・。

妻の実家は我が家から1時間ほどでつくところにあるので1時間と少し待ってから妻実家に電話するも

「○○?(妻の名前)来てないけども・・・来たら連絡するように言っておくよ」

と妻の行方は知れずのまま。
義実家に電話するまでの間も、電話をした後も妻は電話に出ず、「誤解だ、ちゃんと話すからかえって来て欲しい」等のメールを送りつつその日は寝れないまま
次の日会社に出勤することになりました。
寝不足でヘロヘロしながらもなんとか仕事をし、帰ってくると車が玄関にあり
帰ってきてくれたんだ!と慌てて家に入ろうとすると・・・鍵が閉まってる。
鞄から鍵を出して開けようとすると・・・アレ?鍵がささらない。
え?え?となりチャイムを押して

「ただいまー帰ってきたから開けて欲しい、なんか鍵入らないんだ」

少しして

「・・・貴方の帰る場所は此処にはありません。
 どうぞ○○さん(小説の主人公不倫相手)のところに行ってください、
 後で住所をメールで送ってくれれば其方に荷物と離婚届送りますから」

・・・ああああああああ、見事に勘違いされてるううう!!!

0「ちょっ待て!それ違う!違うから!浮気じゃないから!潔白だから!」

「何が違うのよ!あんなにずっとっ・・・夜の関係(実際は露骨な言葉でしたが)も!
 あれが浮気じゃなきゃなんなのよ!最低よアナタ!!気持ち悪いのよ!」

「違う!ホントに違う!全部話すから!お願いだから家に入れてー!」

と二人で玄関で大騒ぎし、ご近所さんが何事だと出てきたところで
妻が少しヒートダウンし家の中に入れてくれました。
(ご近所さんにはちょっと喧嘩で・・・ハハと濁したら、なんだ、とすぐ帰っていかれました)
家の中に入るとすぐに

「そこに座って」

「え?ここ玄関・・・」

「座 り な さ い」

「ハイ」

多分般若の顔ってあのときの妻のような顔のことを言うのだと思います。

「で?いつから浮気したの?」

「だから!浮気してないってば!」

「じゃああのPCの日記みたいなものはなんなのよ!」

「アレは俺が書いた手記風小説だから!俺浮気してない!」

「ハァ?!嘘も大概にしてよ!携帯出しなさいよ!あの女に電話してやる!!」

「ホントいないんだってば・・・」

情けないことに半泣き状態で携帯を差し出す私。
無言で奪い取るように取り、携帯を操作する妻。

「ない・・ない・・・どうやって偽装してるの?名前。メールは消したんでしょ?」

「だからホントに違うんだってば・・・お願いだから信じてくれよ・・・」

「私がそれを信じられる証拠は?」

証拠といわれても・・・ ハッ そうだ、小説書くのに揃えた資料を全部出せば信じて貰えるはず!

私は小説を書くために買った本、雑誌、昼ドラDVDのタイトルをメモした物
ネットの体験談をプリントアウトした紙、すべてを妻に見せました。

ですが、

「よくもまぁこんなに言い訳するための資料を集めたものね」

と、フンッと鼻で笑われてしまいました。

「違うホントに違う・・・信じてくれよ・・・」

「これじゃ証拠になんないわよ」

「じゃあ何なら信じてくれるんだよ」

「小説ってさっき言ったけど貴方が小説書くなんて一言も聞いたことない、だから信じられない」

「他にも小説あるよ・・・」

「じゃあそれ見せて」

「え゛・・・」

私は背中を嫌な汗が流れていくのを感じました。
でも覚悟を決めないと離婚・・・嗚呼覚悟を決めるってこういうことなのね。

「わかった・・・見せる・・・」

PCを起動、完結済み小説の入ったフォルダのロック解除、ワードを起動しPCの前を妻に譲り。
いくつもあるタイトルを順番に流し読みしていく妻。
そして・・・

「・・・あははははははははは何これ、ばかwwありえないww
 人間が悪魔になるしかもあんたに翼が生えるって、ギャグ?これ アニメも真っ青ねwwww」

妻は私の書いた渾身の厨二病作品でこれでもかってほど笑い

「わかった、アンタが小説書いてるってのは信じる、でもこれは・・ぶふっ」

私のHPは0ですもうやめて状態の私を横に、その日寝るまで妻はずっと私の小説を見続けました。
不倫小説も最初から出来上がってるとこまで通して読まれ、

「読んだけど大体にしてこんな良い女性が貴方みたいなのを相手にするわけなかったね、
 ごめん
 後早くこの不倫小説完結させてね」

と、浮気の疑惑は晴れたものの、私の心を深く抉り事態は収束しました。

なお玄関の鍵は私が仕事に行ってる間に、私が帰ってこれないよう付け替えたそうでした。
交換費用は私の財布から徴収されましたが誤解をさせてしまった罰だと思い文句はないです。
でもちょっと言い合いになると厨二病作品のセリフを音読するのはやめてほしい。
古傷を抉らないで・・・orz

不倫小説の完成と、今月の給料日が明日にせまりやっと財布の中身が息を吹き返しそう。
当分小説は書きません・・・

書くことが若干トラウマみたくなってしまったので暫くは書けなさそうです

あの小説は完成、嫁の読み終わりをもってほぼ永久的に封印します・・・
離婚を招きかねなかった小説なんて縁起悪いですし・・・w

小説の中に自分を投影すると(やや?美化)なんか自分が新たな世界に目覚めたような
自分なのに自分じゃないような感覚が楽しかったので自分の名前を書くようになっていま
したが今後また書くことがあったら自分の名前じゃないものにしようと思います。

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この記事のコメント一覧
1 . 名無し  ID:2A5wcKDAO編集削除
なんだかんだと言いながら完結まで読んでしまう妻
2 . 名無しさん  ID:Ug6rhI6v0編集削除
そういうプレイだからな
3 . 名無しさん  ID:.iwA0P800編集削除
嫁の有責で離婚する懸案だろこれ。
4 . 名無しさん  ID:Yex.tqqo0編集削除
凄いな浮気してない証拠だせって
浮気した証拠を持ってこいよクズが
5 . 名無しさん  ID:Lxx2SIN50編集削除
小説家になろう!ってサイトにて、ファンタジーを現在進行中で書いてるワイには隙がなかった

ちなみに40才独身
6 . 名無しさん  ID:b9.lMtaF0編集削除
ダンナ弱すぎ。
奴隷?
7 . 名無しさん  ID:1Ig4ZJny0編集削除
「じゃあ何なら信じてくれるんだよ」
「芥川賞取って!」
「そりゃ無理だーーー!!!」
8 . 名無しさん  ID:1Ig4ZJny0編集削除
>離婚を招きかねなかった小説なんて縁起悪いですし

それだけ完成度が高かったってことじゃないのかな?
俺は趣味じゃないがそういうジャンル好きな人にはウケるかも。

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