河原に段ボールハウスたてようとしてたら嫁に声かけられた
嫁「そこマムシ出ますよ」
俺「え(東京でマムシって出るのか)」
嫁「あと寝るつもりなのかハウスたてるつもりか知りませんけど増水したらそこはまずいです、流されます」
俺「いやでもあの大丈夫そうなとこがここぐらいしかなくて、他は誰かが使ってるから」
嫁「………じゃあついてきて」
安全に段ボールハウスたてられる場所と先輩ホームレスを紹介してくれた
嫁とは俺がホームレスになって2日目で知り合った
ホームレスになったものの知識もなくどこに段ボールハウス建てていいかもわからず、とりあえず空いてる河原にそれっぽいものを建てようとしてたらマムシが出るし増水したら危ないって通りかかった嫁に止められた
俺の実家は毒としか言えない家庭
元凶は親父でギャンブル狂いのアル中
カーチャンはまともだと思ってたけど今思うとただの共依存だな
高1のときにカーチャンが亡くなり、カーチャンに向かってた分の暴力と搾取も全部俺にきた
高校は辞めさせられ、日雇い工事現場やら夜の仕事までさせられた挙げ句に給料は全部親父が受け取ってた
3年ほど我慢してたけど、ある日日雇いの仕事に行ったら人数が集まったから今日は仕事無しと言われた
ポケットには帰りの電車賃と親父の酒代。不意に死んでもいい、ホームレスになってもいいから逃げようと思った
大して距離稼げなかったけど自宅から離れた駅に降りた。初日は公園の遊具の中で寝て、ホームレスといえば段ボールハウスのイメージしか無かった俺は近所のスーパーから段ボール持ってきて河原に行き嫁に出会った
嫁は家が河原の近所でよく散歩をしてたらしい
俺に世話をしてくれそうな知り合いのホームレスを紹介してくれた
嫁は翌日、先輩ホームレスと俺に弁当を買ってきてくれた。
3日程経って、ようやく嫁に事情を聞かれた
嫁「見たとこ10代でしょ?」
俺「違います」
嫁「いやわかるから。案内しておいて何だけど、ちゃんとした機関を頼ったほうがいいよ。
家に帰れとは言わないけど10代でホームレスすることないよ」
俺「家に絶対ばれたくないんです、いま帰ったら殺される」
嫁「だから家には連絡しないってば。
知らないだけで世の中にはいろんな人を助けてくれるシステムがあるんだよ」
こんな感じで1週間ほど嫁に説得されて、結局支援団体や各種公的制度のお世話になった
安アパートだけど一人暮らしするようになって、高校も入り直して高卒になった。
その間、嫁にはずっとアドバイスもらったり色々な制度を紹介してもらったりして世話になってた。
今は仕事もできてるし人並みに稼げてるが嫁に会わなかったら本当に死んでたかもしれない
俺アタマ悪いし話すとどうしても長くなることだから長文の割に色々抜けてるかもしれない
嫁は俺がいた河原はマムシがでるので純粋に危ないと思って止めてくれたらしい。
今となってはマムシに感謝か
1年は一応高校生してたから単位とれてて、不足分補って卒業→就職した
小さいけど良い会社だったおかげで普通の生活できたし、これなら嫁に交際申し込んでもいいなって思って告白した
嫁は喜んでくれたし順調に付き合ったけど結婚のときは経歴が経歴だからやっぱり揉めた
高卒になるまでにだいぶ直ったとはいえ、やっぱりずれてたり非常識だったり知らなすぎたりがあったから当然だと思う。
今は嫁曰く言われなきゃわからないレベルらしいけどね
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