もう30年ぐらい昔の高校生の時、うちの学校に病的にヒステリックな家庭科の先生がいた。
由来は知らないけど先輩から代々伝わるダイモスという渾名で呼ばれていたので以下ダイモスとする。
入学して半年ぐらい経った頃に、校内の廊下を歩いていたら
「ちょっとあなた来なさい!」
とすごい剣幕のダイモスに生徒指導室に連れていかれた。
気が小さかった私は先生に目をつけられないように校則はしっかり守っていたから心当たりはなくて、ダイモスが何を怒っているのか全く分からなかった。
部屋に入ると、指示棒をニュッと伸ばして、先っぽで私のアゴのあたりをツンツンしながら
「あなた!色付きのリップ(クリーム)は禁止されてるでしょ!」
と怒鳴られた。
「はい・・・」
と答えると
「校則違反と分かっててやるのは最低なことよ!!」
とヒートアップ。
「いえ・・・普通の薬用キャンパスリップ(ロート製薬のやつね)なんですけど・・・」
と答えた。
事実、色付きリップは塗ってない。
私は唇の色素が濃いので確かに間違われやすいけど・・・と説明する間もなく
「うそおっしゃい!」
と、引き出しからポケットティッシュを取り出して私の唇をゴシゴシ拭き始めた。
窓拭きかよってぐらいゴシゴシされて唇が切れて血が出ただけだった。
唇痛いし、先生怖いし、何も悪くないのに怒鳴られるし、で私涙目。
「あら・・・?あらまぁ・・・あら?」
と急にヒートダウンする先生。
それだけだったらまだ良かったんだけど、ダイモスのやつ謝りもせずに
今度は私の頭をジッと見つめ、見つけた!と言わんばかりに私の髪の毛をグワシッ!と掴み
ぶるんぶるん振り回しながら
「この髪はなに!?我が校は パ ー マ 禁 止 で し ょ !!」
と再ヒートアップ。
涙目から涙を飛び散らせて
「違います!癖毛なんです!癖毛なんです!」
ここでまたしても
「嘘おっしゃい!!」
私は中学の時にも生徒指導の先生から何度かパーマと注意されたことがあって嫌な思いをしてきたので
生徒手帳には常に赤ちゃんの時と、幼稚園の時のクリクリ頭の写真を入れてある。
それを見せたら納得はしたみたいだけど、とにかくダイモスは謝らなかった。
ただ
「行ってよし!」
と部屋を出されただけ。
今思えば更年期か何かだったのか、とにかく病的にヒステリックで怖かった。
教室に戻っても動揺が収まらなくて、机に突っ伏して泣いてたら
クラスの何人かが声を掛けてくれて、ダイモスに連れていかれてこんなことされて・・・と泣きながら説明したら
他にも別件でダイモスに同じようなことをされてた子が何人かいて
もともとダイモスが嫌われてたこともあって、クラス中がダイモスに抗議だ!って空気になり
家庭科の授業をボイコットすることになった。
それでちょっとした問題になって、校長先生と副校長、生徒指導教師、クラス担任立ち合いのもとで
私を含め同じ目に遭った生徒たちと男女のクラス委員とで、直接ダイモスに話をすることになった。
とは言っても、ダイモスがどう言い訳しても生徒の話を全く聞かず一方的に決めつけて
しかも手を出してるわけだから分が悪い。
この件を教育委員会に報告することと、今後生徒指導からは外れてもらうこと(この2点は校長から出された)、そして被害に遭ったひとりひとりに頭を下げて謝ってもらうこと、で決着した。
それからは別人みたいにおとなしくなって、年度変わりの時に転任していった。
今思えば学校側がちゃんと対応してくれたのは評価できたのかも。
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