「だーかーら飲むなって言われただろ!」(背中さすりながら)

「ずびばぜん〜げろげろげろげろげろ」

まさか目の前で便器に顔つっこんでゲロっている女と結婚しようとは。

ヨメは最初の会社の同期入社だった。
俺は一浪大卒の23歳、ヨメは地方工場の現地採用で、高校出たばかりの18歳。
新人研修は合同だったんだけど、最初の自己紹介のときは「若ぇなーまだ子供だなー」としか思ってなかった。

研修の最後の週末に打ち上げがあって、新人20人ぐらいで会社の近くの居酒屋に行った。
俺は幹事の一人だったんで、未成年は飲むな!飲ませるな!とみんなに言ってあったんだけど、ヨメは場の空気に舞い上がって勝手に飲んじゃったんだな。
で、べろんべろんに泥酔。


気持ちが悪いというのでトイレに連れて行ってとにかく吐かせた。

俺「だーかーら飲むなっつったろ!」(背中さすってやりながら)

ヨ「ずびばぜん〜げろげろげろげろ」

落ち着いたら寝てしまった。
意識不明とかじゃないことは確認したんだけど、幹事の悲しさで俺が宿泊先(徒歩5分のビジネスホテル)まで連れて行くことに。
幸いヨメは小柄だったのでおぶって歩いていった。
考えたら「お持ち帰り」なんだが、目の前で吐いてたゲロ女相手じゃそんな気に全然ならねえw
ヨメ、途中で目を覚ましたんだけど…

「すいませ〜んすいませ〜んウゲロロロ」

って俺の背中に吐きやがったw泣いたww

ホテルのフロントで訳を話して部屋に連れて行って寝かせ、コンビニでポカリと水と氷買ってきて、洗面所でスーツの上着とワイシャツを洗った。
宴会に戻ろうかとも思ったけど服は乾かないしヨメ一人置いていくわけにもいかないしで、夜中まで部屋でヨメの看病してた。

11時半ごろ、別の部屋に泊まっていた女の子の同期が来てくれたんで交代。
その頃にはヨメは目を覚ましていて、迷惑かけてすいませんでした、と青い顔で見送ってくれた。
後で聞いたら酒飲むのは初めてで、甘いカクテルを一口だけ飲んでみたら大丈夫そうだったのでカパカパ行っちゃったらしい。
そのときは、ものすごく恐縮したお礼のメールが転送されてきたぐらいで、それ以上何の進展もなかった。

俺は開発職なんで、ローテーションで入社4年目から工場に異動に。
その工場がヨメ(事務職)のいる工場だった。
住まいの下見と異動先への挨拶で事前出張したとき、3年ぶりにヨメと顔あわせた。
あの子供っぽかったヨメは、3年たってちゃんと女性らしくなっていた。

ヨ「お久しぶりです〜」

俺「あ、ゲロw」

ヨ「ゲロって言わないでください!でも本当にあの時はありがとうございました」

あのとき、知らない人ばかりの中で気分が悪くなり、どうしようどうしようと思っていたところを助けてもらって
夜中まで一緒にいてくれて、本当に嬉しかった、と後で聞かせてくれた。

で、嫁の案内で会社の借上独身寮とかを案内してもらって、4月に転勤。
土地勘が全くない所だし知り合いもほとんどいないんで、どうしてもヨメにいろいろ教えてもらうことが多くて、顔を合わせる機会が増えた。
北関東の田舎だから車がないと生活できない所なんだが、俺はペーパードライバーだし車も持ってなかったんで、そのうち休みの日に旨い食べ物屋とか観光名所とかを案内してもらうようになった(ヨメは18から自分の車を持ってるんで運転超うまい)。
ヨメは仕事しながら簿記とかパソコンの資格を取る努力家だったし、明るくて元気でよく気がついて、一緒にいると楽しくて、しかも彼氏がいなかった。
自分がヨメを好きだと意識するようになった。

そのうち工場内で俺とヨメが付き合っているという話が広まり、工場担当の役員に呼ばれたw

役「おい俺、おまえヨメちゃんと真剣につきあってんだろうなw」

俺「え!いやよく遊びに行ってますけどつきあっているとかは」

役「おまえあの子泣かしたらただじゃおかねえからなw」(目が笑ってない)

工場って狭い社会だし、ヨメは工場のおっさん連中に可愛がられてて、「ヨメ子ちゃんは実の娘同然」と思っている人が何十人もいるんだった。
こりゃ男としていいかげんな事はできない。
 
で、7月のある休日にとある観光地に出かけたとき、夕方、停めた車の中で告白。

俺「いっつもいろんな所に連れてってくれてありがとうな。
     俺、ヨメちゃんのこと真剣に好きだから。俺とつきあってください。」

ヨ「…はい、よろしくお願いします」

初キスはそんとき。
まあ俺が助手席だったけど。

そこからはまあ順調で、2年後に俺がまた本社に戻ることになったのを機に結婚することになり、ヨメは退職することに。
役員の主催で工場をあげてのヨメちゃん送別会&祝賀会が開かれた。
大盛り上がりの中、ヨメ退職の主犯wである俺は何十人のおっさん連中に

「おい俺、ヨメちゃんを幸せにしねえと」

の説教つきで死ぬほど飲まされた。
酒は強い方だと思ったが、見事に潰されてヨメに介抱してもらうことに。
よく覚えていないんだけど、嫁の膝枕でダウンする
俺に満面のイイ笑顔で大喜びのおっさん連中たちと、泣き笑いのヨメを見て、なんか幸せな気分だった記憶がある。

本社に戻った6月に結婚して4年。
まだ小梨だけど、事務のパートをしているヨメと仲良く楽しくやっている。
たまに仕事で工場に行くたび、

「おー俺、ヨメちゃん元気にしてる?」

と声をかけられる。

てかヨメがいない夏休みって寂しいしすることないし、午前・午後1回ずつ見舞いに行っちゃって笑われたよ…。
ヨメはもうガスも出て今週末に退院なので、元気になったらまず何を食べに行こうかと二人で話し合っている


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この記事のコメント一覧
1 . 名無しのクランケ  ID:Hq.fhPCPO編集削除
盲腸の話は蛇足だな。
2 . 名無しさん  ID:cHFXDnN30編集削除
前触れのない盲腸
3 . 名無しさん  ID:6GyZaYXw0編集削除
嫁は一ノ蔵
4 . 名無しさん  ID:j89koVbN0編集削除
あー空気を抜いて仕舞ったって事ですね。と思った俺はゲス
5 . 名無しさん  ID:Mkm0SdyA0編集削除
続きを読む→元記事から18禁広告へ。ていうのは私だけ?
6 . 名無しさん  ID:NtJ5cKmY0編集削除
昔2ちゃんで定説化した話のうちの一つだな。

「ゲロ最強」
7 . 名無しさん  ID:xJ5syEbz0編集削除
体験談:まさか目の前で単車のマフラーにチンコつっこんでオナっている漢と結婚しようとは [感動]

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