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魔王「なに?次の勇者は齢13の少女だと?!ふははは!片腹痛いわ!」

魔王「そんな小娘に我を倒せる者か!!ふはははは!!」

側近「これが勇者の顔写真です」

魔王「ちょっと悪戯してくる」



―城下町―

魔王「さてと……勇者はどこか」

魔王「……ん?」

勇者「それではお母さん、お父さん。行ってまいります」

父「気をつけるんだぞ」

母「危なくなったらいつでも帰っておいで」

勇者「泣かないで……これは私の使命です」

父「ああ……そうだな」

母「がんばるのよ……」

勇者「はい」

魔王「いたー!!」

魔王「かわいいなぁ……」

魔王「仲間にしてくれないかな?」

―街道―

勇者「……」

魔王「……」

勇者「ん?」

勇者「気の所為か……?」

勇者「何か気配はすんだけど……」

魔王(ふふ……透明になっていても気配を感じるとは流石は勇者だ)

魔王(これは油断できないな)

勇者「……魔王……」

魔王「え?」

勇者「必ず、倒してみせる」

魔王(むぅ……)

魔王(こんな子に倒されるのは嫌な気分じゃないが……魔王としての威厳もあるしな)

魔王(とりあえず、ケツでも触っとくか)

勇者「―――きゃ?!え?なに?今、お尻を誰かに……撫でられたような」

―村―

村人「勇者さま……近頃魔物が凶暴で……村の畑を荒らしていくんです」

勇者「それはお困りでしょう」

村人「どうか助けてください」

勇者「分かりました。私にお任せください」

村人「おぉ……ありがとうございます」

勇者「では、さっそく……」

村人「魔物は東の森に居ます……お気をつけて」

勇者「はい!」

魔王(この地域はウルフたちの縄張りだったな)

魔王(おし)

勇者「……気配が消えた……?」

勇者「もしや魔王の偵察が既に……?」

勇者「……いや、気にしても仕方がない」

勇者「今は進まないと」

―東の森―

勇者「ここに凶暴な魔物が……」

勇者「行かなきゃ」

魔王「しゅーごー!!!」

ウルフ「はーい」

魔王「えー、ここに可愛い女の子が来るんですけど、絶対に噛みつかないように」

ウルフ「じゃあ、どうしたらいいんですか?」

魔王「そうですな……舐めまわせ」

ウルフ「ひゃっほー!!!」

魔王「足の裏とか耳の後ろとか」

ウルフ「脇とか?」

魔王「でも、大事なところは駄目だ」

ウルフ「どこです?」

魔王「口とか……下のほうとか……」

ウルフ「了解!!」

勇者「―――いた。数は……10匹か……」

ウルフ「がるるるるる!!!」

魔王(これはいい場面が見れそうだ……クックック)

勇者「よし!こい!!」

魔王(そうはいかん!!)

勇者「あ……!?」

勇者「体が……うご……か……ない……な、んで……?!」

魔王(ふははは!!!さあ、ウルフに凌辱されてしまえ!!)

ウルフ「わおーん♪」

勇者「や、やられる!?」

ウルフ「ペロペロペロ」

勇者「きゃ……あんっ……ちょ!そ、こ、だめ……あはははは、はは!!!!」

ウルフ「甘い味がする!!」

ウルフ「うめー!!!」

魔王「ペロペロ……ヘソのあたりとかなんかいいね」

勇者「ぉ……ぁ……♪」

ウルフ「ふぅ……」

魔王「おいおい、涎垂らしながら昇天しちゃったぞ」

ウルフ「魔王さまが足の指の間も舐めろというから」

魔王「だって、勇者ちゃんがすごい気持ち良さそうな声を出すから、興奮しちゃって」

ウルフ「魔王さまはレディの扱いがへたなんですよ」

ウルフ「「そーだそーだ」」

魔王「ぬかしよったな!!」

ウルフ「本当のことでしょーが!!こんな少女を私たちと一緒に舐めまわして普通なら打ち首ですよ!!」

ウルフ「「そーだ!そーだ!!」」

魔王「貴様ら……ゆるさーん!!」

ウルフ「やっちまえー!!」

ウルフ「「わおーん!!」」

魔王「ぬおぉぉ!!!ウルフの分際で盾突くとはー!!」

勇者「ぁ……ひ……♪」

魔王「はぁ……はぁ……勝った!!」

ウルフ「つえー……」

ウルフ「さすが……まおう、さま……」

魔王「ふははは!!」

勇者「ん……」

魔王「いかん。勇者が気がついたか」

魔王「透明にならなくては」

勇者「あ……れ……?」

勇者「ウルフが……全滅してる……?」

勇者「なんで……?」

魔王(我がたおしちゃったんだよん♪)

勇者「ひゃん!?―――ま、またお尻を撫でられた……?」

勇者「……まあいいや。村に戻ろう」

魔王(にしても柔軟剤を使ったような柔らかさだな、勇者のケツは。何度触っても飽きん!ふはははは!!)

―村―

村人「勇者様!!お怪我は!?」

勇者「この通り大丈夫です」

村人「ありがとうございます!!なんとお礼を言ったらいいか……!!」

勇者「いえ……今回は私が倒したのではなく……勝手に向こうが」

村人「またまた、そんなご謙遜を」

勇者「本当のことなんですが」

村人「これはほんの気持ちです」

勇者「こんな大量の食糧うけとれません!!」

村人「いえ……受け取ってください。でないと我々の気が治まりませんから」

勇者「ですが」

村人「お願いします」

勇者「では……ありがとうございます」

勇者(はぁ……なんか罪悪感……)

魔王(いい子だ……うむ……また舐めたくなってきたな)

―夜―

勇者「今日はここで野宿しないと……もうこの先には進めそうもないし」

魔王(それが良かろう)

魔物「グルルル」

魔王(ちれい!!)

魔物「きゅーん……」

勇者「そう言えば、まだ外で魔物に襲われてないなぁ。あのウルフに舐めまわされただけだし」

勇者「何があったんだろう……?」

勇者「あ……」

勇者「よいしょっと」

魔王(おぉぉ!?)

勇者「ん……」

魔王(うほっほほほほ!!!普通なら拝めない少女の排泄シーン!!)

勇者「……ふぅ。すっきりした」

魔王(いかんな。気が変になりそうだ……このままではいつか襲ってしまうかもしれん)

―深夜―

勇者「うーん……」

魔王「ペロペロ」

勇者「ん……ぁ……」

魔王「耳の後ろがたまりませんな……」

魔物「魔王様……一体なにを?」

魔王「ぬ!?」

魔物「魔王様……まさか……」

魔王「勘違いするな。勇者の弱点を調べていただけだ」

魔物「はぁ……みんなみてたんですよ?」

魔王「ぬ……」

魔物「魔王様、勇者を仕留めるなら今です。やりましょう」

魔王「だが……寝込みを襲うのは卑怯だろ」

魔物「じゃあ、勇者は野放しにするんですか?」

魔王「いや、しない。でも、夜這い……はいかん」

魔物「じゃあ、私たちがします」

魔物「魔王様は見ていてください」

魔王「おい、こら」

勇者「……」

魔物「ガァァァァ!!!!」

魔王「危ないっ!!」

勇者「―――ふ!!!」

魔物「がふ!?」

勇者「……寝込みを襲うとはいい度胸だ」

魔物「が……!?」

魔王(な、なんと……気配に気がついていたのか……!?)

勇者「よくも首筋から耳の裏まで丁寧に舐めてくれたな……絶対に許さん」

魔物「が……!?」

勇者「消えろ!!」

魔王(………南無)

―翌朝―

勇者「よし」

魔王「……」

勇者「……?」

魔王(おっと……そろそろ、勘づき始めているか?)

勇者「やはりだれかに見られているような気がする」

魔王(少し距離をとるか)

勇者「……行こう」

魔王(この先は確か……大きな街があったな)

魔王(腹も減ったし、そこで腹ごしらえでもするか)

勇者「………?」

勇者(ダメ……やっぱり視線を感じる)

勇者(一体、どんな使い魔を送り込んできたんだろう)

―街―

魔王(そうだ……勇者と逸れてもいいように……)

魔王(このブレスレットを勇者に渡しておこう)

魔王(これさえあれば……いつでも勇者の位置が把握できる)

魔王(よし)

勇者「気配が無くなった……はぁ……」

勇者「気が休まらない……」

勇者「これじゃあ用を足すのも抵抗が……」

魔王「―――ちょっとそこの娘さん」

勇者「え?」

魔王「このブレスレット、いらないかい?」

勇者「おばあさん……ここは露店?」

魔王「ええ、そうだよ。この魔法のブレスレットはいらんか?」

勇者「いえ。結構です」

魔王「いや!やる!!受け取れ!!」

勇者「え……」

魔王「それじゃあ、もう店じまいだから」

勇者「えっと……お代は?」

魔王「閉店セールで100%オフだよ。得したね」

勇者「……」

魔王「それでは」

魔王(くくく、これで勇者がどこにいったのか完璧に把握できるぞ)

魔王「さてと、飯でも食いにいくか」

勇者「……怪しい」

勇者(これ……呪いの道具とかじゃ……?)

勇者(捨てとこう)

勇者「さてと、宿を探さないと」

野良犬「―――へっへっへっへ」

野良犬「………(パクッ」

野良犬「……」

「まいどありー」

魔王「食った食った……さてと勇者はどこに……?」

魔王「スラム街のほうだな……何故そんなところへ……?」

魔王「何かあったのか……よし」

勇者「うーん……宿か」

勇者「どこだろう?」

ザワザワ……」

「聞いたか?例のお姫様の話」

「魔王の呪いで消えちまったんだろ?」

「怖いよな……」

勇者「……なんだろう?」

勇者「張り紙……魔王に誘拐されたと思しきお姫さま……?」

勇者「魔王の奴……卑劣な」

―スラム街―

魔王「勇者はこの辺にいるはずだが……ん!?」

野良犬「へっへっへっへ」

魔王「貴様!!何故、ブレスレットを咥えている!?」

野良犬「ワンワン!!」

魔王「ぬぅ!?犬の癖に生意気な!!」

野良犬「ワン!ワン!!」

魔王「こいつー!!」

―中心街―

勇者「ここに泊ろう」

勇者(それにしてもお姫様か……)

勇者(どんな人だろう)

勇者(なんとかして助け出さないと)

勇者(……魔王め)

魔王「はぁ……はぁ……勝った!」

野良犬「くぅーん……」

魔王「全く……どうやって勇者からブレスレットを奪ったのだ」

野良犬「……」

魔王「ん?お前……呪いがかかっているな」

野良犬「ワン!ワン!!」

魔王「まてまて。今、解いてやろう。それにしても無様な呪いだな」

魔王「―――ふん!」

姫「―――やった!」

魔王「!?」

姫「どうもありがとうございます!!」

魔王「だ、だれ?!」

姫「実は私……とある王国の姫なんです」

魔王「姫がなんで犬に?」

姫「それが……」

魔王「ほぉ……つまりお前の父君が犬にしたと?」

姫「全てを魔王の所為にして、魔王との戦争をより自然に行うために。最近は無理に戦うことはないのではという民の声もありましたから」

魔王「なるほど……」

姫「あの、元の姿に戻していただき本当にありがとうございます!」

魔王「あ、いや……で、これからどうする?」

姫「国へ戻ります」

魔王「いや……今戻っても結果は一緒だろうな」

姫「え?」

魔王「また犬にされてしまうだろう」

姫「そ、そうでしょうか?」

魔王「そうだ!」

姫「なにか?」

魔王「お前は運がいい。この街にはいま勇者がいる!!」

姫「まあ!勇者様が!?」

魔王「勇者に救われたことにしたら流石に大丈夫だろう」

魔王「よし。いくぞ!!」

姫「え……あの……何故抱き上げるのですか?」

魔王「こうした方が攫われた感じがするだろ?」

姫「は、はぁ……」

魔王「では行くぞ!!」

姫「どちらへ?」

魔王「……勇者はどこだ?」

姫「私に聞かれても」

魔王「仕方あるまい……このブレスレットを勇者に渡してくれると約束してくれるか?」

姫「このブレスレットは?」

魔王「お守りみたいなものだ」

姫「分かりました。必ずお渡しします」

魔王「では……いこうか、姫」

姫「よしなに」

―中心街―

魔王「勇者ー!!勇者はどこだー!!!」

「な、なんだ!?」

「お、おい!!あの大男が抱き抱えてるの姫様じゃねーか!?」

「て、てことは……あれが……魔王!?」

魔王「ふはははは!!!その通り、我が魔王だー!!勇者よーでてこーい!!!」

姫「おじさま……魔王呼ばわりされていいのですか?!」

魔王「好きに言わせておけ。お前を国に送り届けるほうが今は大事だろう?」

姫「おじさま……」

魔王「勇者はどこだぁ!!!はやくでてこいやぁぁ!!!」

勇者「―――魔王か」

魔王「お……来たか」

姫「彼女が……!?私とそんなに歳が違わないのでは!?」

勇者「姫様を離せ」

魔王「やなこった!!」

勇者「なんだと……!?」

魔王「我は魔王。欲しい物は手に入れるのだ」

勇者「何故、堂々と姿を現した?」

魔王「ここでお前との力量の差を明確にしてやろうと思ってな!!」

勇者「面白い……」

魔王「ケツの青い小娘が!!我に敵うと思うなよ!!」

姫「おじさま……」

勇者「姫様を降ろせ……このままでは戦えない」

魔王「いいだろう」

姫「……」

魔王「(我が二歩後ろに下がったら勇者のほうへ駆けろ)」

姫「(おじさま……!?)」

魔王「さあ、こい!!」

勇者「はぁぁぁぁ!!」

魔王「ひぃ!!こわい!!思わず二歩さがっちゃったよ!!」

姫(うわぁ……演技下手……)

姫「―――勇者様!!」

勇者「姫様!!お怪我は!?」

姫「大丈夫です」

魔王「しまったー、姫ににげられたー、ここは退散だー」

勇者「魔王!!」

魔王「さらばだ。姫よ、達者でな」

姫「は、はい……ありがとう……おじさま……」

勇者「くそ……!!逃がしたか!!」

姫「勇者様……あの……」

勇者「ああ、すいません。えと……明日、国のほうへ私が責任をもってお送りいたします」

姫「はい……よろしくお願いします」

「すっげぇぇぇ!!!勇者さまが魔王の手から姫様を救ったぞ!!!」

「みんなに伝えろ!!!」

「勇者様はやっぱりすげー!!!」

―魔王城―

側近「魔王様、おかえりなさいませ」

魔王「ただいまーん!!」

魔王「疲れた」

側近「で、収穫は?」

魔王「全身ペロペロと排泄行為を覗かせて頂いた。余は満足じゃ」

側近「相変わらずのド変態ぶりに寒気がします」

魔王「褒めるな褒めるな!わはは!!」

側近「勇者は始末したのですか?」

魔王「なんで?するわけないだろ」

側近「え?」

魔王「いやぁ……可愛かったな。勇者。そうだ、粘土くれ」

側近「何をするんですか?」

魔王「勇者ちゃん1/8フィギュア作るわ」

側近「きめえ」

魔王「キモイとはなんたる暴言だ!!」

側近「キモイものはキモイです!!おやめ下さい!!配下の者に示しがつきませぬ!!」

魔王「ばーか!!フィギュアに罪はない!!」

側近「人間を見本にした人形を魔王様が眺めるなど、言語道断です!!」

魔王「我は造詣が深いんだぁ!!」

側近「知りません!!」

魔王「側近の癖に口ごたえするとは……覚悟はいいか?」

側近「私とケンカするのですか?」

魔王「おぉ!!その通りだ!!」

側近「あーもう我慢できない。あんたのそのキモさには吐き気がするわ!!」

魔王「ふふん……ここでどちらが最強なのか……決めようか……」

側近「最強は魔王様でしょう」

魔王「そうか」

側近「いくぞ!!」

魔王「ぬえぇぇい!!!」

魔王「はぁ……はぁ……勝った」

側近「くそ……」

魔王「ほら、粘土を渡せ」

側近「……どーぞ」

魔王「よしよし」

側近「して、今勇者は?」

魔王「今頃は姫君を国へ送っているんじゃないかな?」

側近「そうですか」

魔王「体のラインは……こんなものかな?」

側近「……」

魔王「なんだ?」

側近「いえ……なにも」

魔王「やらんからな?」

側近「いりません」

―王国―

勇者「ここが姫様の」

姫「はい」

「あ!!姫様だ!!!」

「本当だ!!姫様!!!」

姫「申し訳ありません!!皆様には大変なご心配をおかけしたと思います!!」

姫「ですがこうして私は無事に戻ってくることができました!!それも全てはこの隣にいる勇者様のおかげです!!」

「勇者様だって!?」

「あの!?」

「でも……まだ子どもじゃないか」

勇者「……」

姫「彼女は私と同じ歳にして、既に立派な騎士です!!偏見で物を言うのは控えてください!!」

勇者「姫様……」

姫「では、勇者様……城へ参りましょう?」

勇者「はい」

―王城―

王「おぉぉ!!姫よ!!心配したぞ!!」

姫「……」

王「勇者殿……この度は我が娘を救って頂き感謝の言葉もない。この礼はたっぷりとしたい」

勇者「いえ……私はこれで」

王「な……もう行くのか?」

勇者「先を急ぐ旅ですので」

姫「あ……」

勇者「はい?」

姫「………いえ、御達者で」

勇者「はい」

姫(おじさまとの約束……破ってしまった……)

姫(ごめんなさい……でも……私は……)

姫(もう一度、おじさまに会いたい……)

―宿屋―

勇者(そういえば視線を感じなって久しい)

勇者(やはりあれは気の所為だった……?)

勇者「はぁ……」

勇者「まだ勇者らしいことはなにもできていない……」

勇者「あの魔王とも結局一太刀も浴びることも浴びせることもなかった」

勇者「私は……勇者……」

勇者「はぁ……」

勇者「――寝れない」

勇者(少し街を散歩しよう)

勇者(悪い癖だな……夜に色々と考えるのは)

勇者(仲間の一人でもいればよかったのかもしれないけど)

勇者「……」

―夜 王城―

姫「……はぁ」

王「―――で、どうだ?」

姫(お父様!?)

側近「は……姫様がお戻りになられたことにより、若干の士気の低下が見られます」

王「魔王に攫われたということにしても、娘が戻れば弱腰になるか」

王「何たる腑抜けどもだ」

姫(お父様……!)

側近「世論も大きく反戦争に傾いています」

王「……ならばもう一度、姫を魔王に攫わせるか」

側近「王……」

王「我が国が魔王を倒せば近隣国に大きな顔ができる……その後にまっているのは統一だ」

側近「……」

姫(そんな……私、また犬に……!?)

姫(に、逃げないと……!!)

―街―

姫「おじさま……!!」

姫「おじさまの考えは正しかった……でも……帰ってくるのが早すぎた……!!」

姫「はぁ……はぁ……!!」

勇者「姫様!?」

姫「あ……勇者、さま……」

勇者「どちらへ?」

姫「あの……見逃してください……でないとまた犬にされてしまいます!!」

勇者「ど、どういうことですか?!」

姫「実は……あの……」

兵士「いたぞ!!」

勇者「!?」

姫「勇者様!!私を連れて逃げてください!!」

勇者「しかし……!?」

姫「お願いします!!」

―魔王城―

魔王「できたぁー!!!!」

魔王「みろ!!このフォルム……美しい!!」

魔王「いやぁ……舐めながら勇者ちゃんの体は全部みたからな。この割れ目のところも……うひっひっひ」

側近「はぁ……」

魔王「なんだ?文句あんのか?完璧だろう?ほれほれ」

側近「瞳の塗りが甘いです」

魔王「え?そう?」

側近「20000Gで買いましょう」

魔王「ノンノン。25000Gだ」

側近「ぐぬぬ……!!」

魔王「む!!動いた……!!」

側近「どうかしましたか?」

魔王「勇者ちゃんが動き出したようだ」

魔王「ちょっと悪戯してくる!」

―村―

魔王「ブレスレットの反応はここのはずだが……ん?」

兵士「……」

魔王(やけに兵士が多いな……何かあったのか?)

魔王「すいません」

兵士「なんでしょうか?」

魔王「なんか物々しいですけど、事件?」

兵士「大事件ですよ。勇者が我が王国の姫君を誘拐したのです。我々は目下勇者の行方を追っているところなのです」

魔王「ほお!勇者が!?――酷い話ですねえ」

兵士「全くです。我々の希望となる者が大罪を犯すとは……嘆かわしい」

魔王「なるほど。ありがとうございました」

魔王(で、この村を探っていると……まだ見つかってはいないようだが)

魔王(しかし勇者ちゃんに姫君を誘拐する理由などあるのか……?)

魔王(いや、無いな。大方、姫の家出に付き合わされたとかそんなんだろ)

魔王(全く、少し考えれそれぐらいわかるだろうに……よし、我が勇者ちゃんを見つけるぞい!)

―地下―

姫「本当にここなら大丈夫なんですか?」

勇者「虱潰しに探されたら……終わりでしょうね」

姫「勇者様……」

勇者「ですが、姫様の話を聞いた後では流石にあの国王に返すことは気がひけます」

姫「勇者様……」

勇者「姫様……必ず私が……」

魔王「―――ここかぁ!!」

勇者「きゃっぁぁぁぁ!?!?!」

姫「あ!!おじさま!!!」

魔王「おお、姫ちゃんじゃないか。久しぶり」

姫「はい!おじさまこそお元気そうでなによりです!!」

魔王「まあ、一週間ぶりってとこか」

姫「私にとっては一日千秋の思いでした……」

勇者「姫様、離れて!!危険です!!」

魔王「こえぇ!!我、先端恐怖症なもんで、剣の切っ先とか向けないでくれるか?」

勇者「そ、それはすまない」

姫「勇者様!!この方は魔王ではないんです!!」

勇者「え……?」

姫「おじさまは私を救ってくれた恩人なのです!!」

勇者「恩人……?」

姫「はい」

勇者「本当?」

魔王「姫ちゃんが言ってるんだから信じられるだろ?」

勇者「ですが……」

姫「おじさま……」

魔王「おーかわいいのぉ……げへへへ」

勇者「汚らわしい!!離れろ!!」

魔王「おっと、嫉妬か。勇者ちゃんもかわいいのぉ。べろべろ」

勇者「うわっ!!なに顔を舐めてるんだ!!やめて!!!」

勇者「くさ……」

姫「それにしても……どうしてここが?」

魔王「姫君に渡したブレスレットがあるだろ?」

姫「あ、これ……」

魔王「む?何故持っている?勇者ちゃんに渡してくれと言ったではないか」

姫「あ……えと……」

魔王「ははーん……そういうことか」

姫「え!?い、いや……別におじさまに会いたいからとか……おじさまの思い出に持っておこうとか……そんなんじゃあ……」

魔王「うっかり渡し忘れたのか!ふはははは!!よくあるよくある!!」

姫「あ、そ、そうですね……」

勇者「どうでもいいが……何が目的で現れたんだ?」

魔王「困っているのだろう?」

勇者「え?」

魔王「助けてやるぞ。勇者殿、姫君」

勇者「助ける……何故?」

魔王「理由は考えてなかったな」

勇者「怪しすぎる」

姫「勇者様、おじさまは信頼に足る人物です」

魔王「……うんうん」

姫「きゃぁ!?おじさま!?な、なに私のお尻を……?」

魔王「いいケツだな。勇者ちゃんといい勝負だ」

姫「……はい?」

勇者「おい」

魔王「冗談だ。それよりも早く脱出するぞ」

勇者「お前の手は借りない」

姫「勇者さま……」

魔王「では、攫って行こう」

勇者「なんだと!!姫に手を―――」

魔王「攫うのは勇者ちゃんだ!!」

勇者「ちょ!!どこさわって!!はなして!!」

姫「えぇぇ!?おじさま!!私は?!」

魔王「今、指名手配されているのは勇者ちゃんだ。故に勇者ちゃんを攫う」

勇者「ど、どういうこと!?」

魔王「これで勇者は実は魔王に攫われそうになっていた姫を助けようとして、逆に捕まってしまったという美談に変わるだろ?」

勇者「はぁ!?」

魔王「そうしたら勇者ちゃんがあのむさい兵士たちに追われることはなくなる」

姫「おじさま!私も攫ってください!!でないとまた犬に!!」

魔王「勇者が攫われたとなれば全ての民が怒りの熱を上げる。姫ちゃんが政治利用されることはないよ。安心おし!」

姫「おじさま……」

勇者「おろして!!」

魔王「やだね!!」

勇者「どこに連れていく気だ!!」

魔王「いいところに決まってんだろ!!――いくぞ!!」

勇者「どこよ、それ!?」

姫「ああ……おじさまー!!!」

―村―

兵士「お、おい!!空を見ろ!!」

兵士「な、なんだ!?」

魔王「ふははは!!我は魔王!!姫君は手に入れそこなったが、勇者はこの手の内にある」

勇者「おろせー!!」

兵士「た、たいへんだ!!勇者様が捕まった!!」

兵士「魔王!!勇者様をどうする気だ!!」

魔王「飾る!!」

勇者「飾るって……」

魔王「まあ、悪い様にはせん。返して欲しかったら魔王の城までこい!!」

兵士「ま、まて!!」

魔王「さらばぁ!!」

兵士「消えた……?!」

兵士「お、おい……姫様を探すぞ!!」

―魔王城―

勇者「……」

魔王「あ、うごかないで」

側近「もっと……こう、ラインがでるよなポーズを」

勇者「お前ら……」

魔王「なに?」

勇者「何をしているんだ?」

魔王「我は造詣が深くてな」

勇者「知らん」

側近「折角、こんな美少女がここへきてくれたので形にして残そうかと」

勇者「だからそんな粘土遊びを?」

魔王「粘土遊びではないフィギュア作りだ」

側近「1/2にスケールの勇者フィギュアを作って儲けようかと」

魔王「売るのがダメなら我の観賞用として置いておくけど」

勇者「……勝手にしろ」

勇者「はぁ……」

魔王「溜息すると幸せが逃げるらしいぞ?」

勇者「殺すなら殺せ……それぐらいの覚悟はある」

魔王「殺すって……別に我にお前を殺す理由などないぞ?」

勇者「何をいっている……お前はこれまでに何人の勇者をその手にかけてきたと思っているんだ!!」

魔王「そんなの一々数えてないが?」

勇者「おのれ……!!」

魔王「そもそも我は人間に恨みを買うようなことはしておらんし」

勇者「ふざけるな!!貴様はこの世に生を受けて500年ときく」

魔王「え?もうそんなになるかえ?」

側近「まあ、そんなもんじゃないですか?」

勇者「それまでに我々人間の同胞を多く殺してきたのだろう?!」

魔王「確かに……殺した!!」

勇者「なら!!」

魔王「でも、謝らない!!悪いのは人間だからな!!」

勇者「なんだと!!」

魔王「人間が悪いね!!」

勇者「おのれ!!」

魔王「だっていきなり領地をあけわたせーって言ってきたの人間だからな!!」

勇者「そんな話、信じられるか!!」

魔王「お前は何を教えられてきたかしらんが、我は生まれてこのかた侵略行為など一切、したことないぞ?」

勇者「なに……?」

魔王「我は自分の領地で満足しておる。そりゃ、中には我の手を離れてなんか好き勝手にやってる魔物もいるけどね」

勇者「なら……それはお前の侵略行為と受け取ってもいいんじゃないか?」

魔王「ウルフとかは自分の生き方を手に入れている。我に協力はしてくれても命令にはしたがってくれん」

魔王「顔を合わせればケンカばっかりだ。利害が一致せん限りは協力もしてくれんし」

勇者「うそだ」

魔王「魔王嘘つかないし!!」

勇者「嘘だ!!」

魔王「じゃあ、嘘だ!!」

勇者「どっちなの?!」

魔王「どうせお前は魔王の言葉なぞ信じてはくれんだろう?」

勇者「それは……」

魔王「だから、今の話は全部嘘だ!!」

勇者「……」

魔王「っていったらさっきの話が勇者の中で本当のことになるから……」

側近「流石は魔王。聡明です」

魔王「でしょ?」

勇者「もういい……戦う意志はないってことだろう?」

魔王「微塵も」

勇者「ならいい……疲れた……はぁ……」

魔王「寝るか?寝室も用意しているぞ?」

勇者「……お風呂は?」

魔王「一緒に入る?」

勇者「入らないわよ……ふざけんな」

魔王「―――勇者は?」

側近「入浴中です」

魔王「そうか……」

側近「ところで人間達の動きですが……」

魔王「聞くまでも無かろう。怒り狂った数百万の民が押し寄せてくることなど分かり切っている」

側近「勇者はやはりそれだけの民を動かせる御人、ということですか」

魔王「でなければ勇者は務まらん」

側近「魔王様……逃げる準備だけはしておいたほうが」

魔王「逃げる……?」

側近「今回ばかりは完全なる負け戦です。魔王様が幾ら強くてもあの人数には敵いません」

魔王「ふははははは!!人間を恐れる魔王がいてなるものか!!」

側近「魔王様……!!」

魔王「逃げたい者は逃がせ。我は残る!!」

側近「はっ……」

魔王「よし。では準備をしてこようか」

―大浴場―

勇者「はぁ……」

勇者「こんな広いお風呂……はじめて……ふぅ〜」

魔王(ぬふふふ!!覗きをせずして戦場には立てんよ!!)

魔王(透明になっていればばれることもない……デュフ)

魔王(しかし湯船に浸かってて見えんな……)

魔王(よし……)

勇者「……ん?」

勇者(水面が波打ってる……?)

魔王(ぐへへ……桃源郷がすぐそこにぃ……)

勇者(……近付いてくる)

魔王(はぁ……はぁ……)

勇者「あがろ」

魔王「あ、あれ……あがっちゃった……」

魔王「………可愛いお尻だ」

勇者「さっぱりした」

側近「どうぞ。牛乳です」

勇者「ど、どうも……」

側近「ところで勇者様?」

勇者「なに?」

側近「そろそろ帰られますか?」

勇者「え?」

側近「戦う意志がないのでしたら、もうここに留まる理由もないかと」

勇者「まあ、そうだけど」

側近「ドラゴンを一頭お貸しします。ドラゴンの背中に乗って故郷へ帰るのがいいでしょう」

勇者「どうして……そこまでしてくれるの?」

側近「戦場に立たないのであればいがみ合うこともありませんから」

勇者「……」

側近「助け合うのは当然ではないでしょうか?」

勇者「そう……ですね」

―翌朝 ドラゴン牧場―

勇者「うわぁ……竜がいっぱいいる!!」

魔王「外敵がおらんから増える一方でこまってるぐらいだ」

側近「どうぞ、勇者様」

ドラゴン「グルルル……」

勇者「こ、この子に乗れと……?」

魔王「安心おし。勇者の言うことを聞くようにしておいたから」

勇者「そうか……助かる」

魔王「目的地に着いたらドラゴンはどうしてくれてもいい。煮るなり焼くなり飼うなり好きにしろ」

勇者「分かった」

魔王「あと数日もすればここは戦場になる。戦火に巻き込みたくはない。はやくいけ」

勇者「……あの」

魔王「なんだ?」

勇者「戦争を止められるかどうかわからないけど……なんとか言ってみる」

魔王「無駄だと思うが……まあ、よろしくたのむ」

―王城―

王「各国も動き出しているか」

側近「はい」

王「よし。我々が先陣を切るぞ!!」

姫「お父様!!足並みを揃えた方が―――」

王「口出しするでない!!」

姫「お父様……」

王「兵を集めろ!!王自らが鼓舞してやる!!」

姫(どうしよう……無益な戦でまた無為に血が流れてしまう)

姫(勇者様……おじさま……助けて……)

勇者「――姫様?」

姫「え!?」

勇者「しっ……こちらに」

姫「ど、どうやって城内に?」

勇者「静かに空からきました」

姫「では勇者様の国でも……」

勇者「戦争は避けられそうにないですね」

姫「おじさま……」

勇者「あいつは魔王です。同情することは」

姫「いいえ……勇者様の話だと悪いのは侵略しようとした人間です」

勇者「それは」

姫「下らない領地争い……その所為でまた何万の兵が命を捨てる」

勇者「……そうですね」

姫「勇者さま」

勇者「はい」

姫「おじさまのところに行きませんか?」

勇者「え……?」

姫「魔王の味方をすれば流石に止まって……」

勇者「ダメです。魔王によって操られているか脅されていると判断されるだけです」

姫「じゃあ、どうしたら……?!」

姫「勇者様……私は……おじさまを助けたい」

勇者「姫様……」

姫「お願いします……」

勇者「それは国を捨てることと同義ですが、よろしいのですね?」

姫「……構いません」

勇者「……分かりました。ではドラゴンの背に」

姫「はい」

兵士「――ま、まて!!」

勇者「!?」

姫「お父様に伝えてください!!」

兵士「姫様!!」

姫「この国に愛想が尽きたと!!」

兵士「姫様!!」

勇者「ドラゴン、飛べ!!」

ドラゴン「オォォォォォォォン!!!!」

―魔王城―

魔王「えーーーー!!!!みんな里帰りしちゃうのーーー!!!」

魔物「流石に負け戦に参加したくは」

魔物「はい」

魔王「一小隊ぐらい残ってもいいだろぉ!?」

魔物「平和になったら戻ってきます」

魔物「魔王様……さようなら」

側近「それでは。ドラゴン牧場のドラゴンでみんな帰ります」

魔王「まてまて!!お前も!?」

側近「死にたくはないので」

魔王「等身大勇者ちゃんフィギュアあげるから!!」

側近「置き場所ねーよ!!」

魔王「側近だろ!?」

側近「死にたくねーっていってんだろ!?やるぞ、こらぁ!?」

魔王「よかろう……負けたら、残れよ?―――ぬえええい!!」

側近「勝った」

魔王「ぐぞ……こんなときだけ本気だしやがって……」

側近「それでは。今までありがとうございました」

魔王「まてぇ……我一人では数百万の雑兵を蹴散らすことなど……」

魔物「久しぶりの里帰りだー」

魔物「かーちゃんが手料理用意して待ってるっていってたんだよな」

側近「マジでー?いいなー?」

魔王「くぅぅ……どうしてこうも薄情な者ばかりなんだ……」

魔王「魔王の威厳なんてあったもんじゃないな」

魔王「次があるならもっと厳しくせんとなぁ」

魔王「―――さてと」

魔王「我だけでもこの城と誇りだけは守らんといかんな」

魔王「―――よし、もう誰ひとり城にはおらんな」

魔王「ふっ……死ぬのは我だけでいいのだ」

魔王「来てる、来てる……大軍だ」

魔王「二割ぐらいなら倒せるかもしれんな」

ドラゴン「オォォォォォォォ!!!」

魔王「!?」

勇者「魔王!!」

魔王「勇者ちゃん!?」

姫「おじさま!!」

魔王「姫ちゃん!?」

勇者「どういうことだ……もぬけのからじゃないか」

魔王「部下には暇を与えた」

姫「そんな……今から戦争が始まるのに?!」

魔王「そんなことより二人とも何故来たのだ!?ここは危ないぞ!?」

勇者「魔王……逃げよう」

魔王「なに……?」

勇者「私がいくらいっても止まらなかった。流石にあの数では魔王といえど倒せはしまい。だから、逃げよう。一緒に」

魔王「勇者ちゃん……何故?」

勇者「理由までは考えてなかった」

姫「おじさま……どこか遠くで静かに暮らしましょう?」

魔王「え!?」

勇者「……そ、それしか助かる道はないだろう?」

魔王「まて。勇者ちゃんも姫ちゃんも自分の故郷があるだろう?」

姫「国を捨ててきました」

魔王「マジか」

勇者「私もだ……両親のことだけが心残りだけど……私の言葉に少しも耳を貸そうとしてくれなかった国に未練はない」

魔王「おいおい……両手に花を持たせてくれるのか?」

姫「おじさまが望むなら……」

勇者「お、男は……お前しかいないし……仕方ないだろ」

魔王「ふははははは!!!嬉しいなあ!!ペロペロしてやる!!」

姫「きゃ……もう、おじさまったら♪」

勇者「……気持ち悪い」

魔王「だが、二人はドラゴンに乗って帰りなさい」

勇者「魔王!!」

姫「そんな!!おじさま!!」

魔王「この領地は何千年と魔物が守ってきたものだ。今更、見捨てることはできん」

勇者「命よりも大事なのか!?」

魔王「長く生きれば命よりも大事なものがいくつもできるものだ」

姫「おじさま……」

魔王「この城と大地は魔族の誇り。それを捨てることは自決することよりも苦痛だ」

勇者「魔王……」

魔王「すまんな。お前たちのような美少女の求愛を無碍にしたくはなかったが……二人にはもっとカッコいい男が現れる」

姫「おじさま以外の殿方なんて……!!」

魔王「行け」

勇者「いやだ……!」

魔王「勇者殿……我を困らせるな」

勇者「いかない!!私は貴方を死なせたくない!!」

魔王「……元は敵同士じゃないか」

勇者「それでも……貴方が人間の手によって一方的に殺されるのは間違ってる!!」

姫「そうです!!おじさまは悪くない!!」

魔王「ドラゴン」

ドラゴン「御意」

姫「え!?」

ドラゴン「失礼。無理矢理連れて行く」

勇者「やめて!!離して!!お願い!!」

姫「おじさま!!」

魔王「さらばだ……」

勇者「魔王!!魔王!!!」

姫「おじさまぁぁぁ――――」

魔王「……かっこつけすぎた」

魔王「死にたくねえぇぇ……」

魔王「――いや、覚悟は決めた。人間ども、全体の三割ぐらいは減らさせてもらうぞ!!」

魔王「いくぞぉぉぉ!!!」

魔王「我は魔王!!人間の軍勢など少し怖い程度だ!!」

魔王「―――む」

側近「全体、配置についたか!!」

魔物「「はい!!」」

側近「手加減されて勝っても、私は嬉しくありません」

魔王「お前達」

側近「魔王様!!戦う準備は既に整っております!!―――ご指示を!!」

魔物「「魔王様!!ご指示を!!」」

魔王「くぅぅ〜泣かせるじゃねーか!!いいだろう!!その心意気、買った!!」

魔王「ただし、死にそうになったら迷わず逃げろよ!!かーちゃんの手料理がまってんだろ!!」

魔物「「はい!!」」

魔王「全軍突撃ぃ!!」

側近「全軍、突撃!!」

魔物「「わー!!」」

王「攻めろ!!攻めろ!!」

側近「数では勝っている!!臆するな!!」

兵士「「ワー!!」」

魔物「「わー!!」」

王(ふふ……勝てる……勝てるぞぉ……我が軍だけで勝つ!!)

―空中―

勇者「始まった……」

姫「ダメ……こんなの……」

勇者「どうすれば水を差すことができるんだろう……?」

ドラゴン「お前たちは魔王様を勝たせたいのか?」

姫「いえ……こんな下らない領地争いを失くしたいだけです」

勇者「うん」

ドラゴン「なるほど……だがこれは互いの誇りをぶつけ合っている。水を差すなど許されない」

姫「……」

勇者「……いや、ある。姫、この戦争を邪魔する方法がありますよ!!」

王「やれやれ!!」

魔王「そこだ!!右!!左!!!あ〜!!おっしい!!」

側近「魔王様!!上を!!」

魔王「なに!?」

ドラゴン「―――おまち」

勇者「……」

魔王「勇者……ちゃん?」

勇者「死ね!!」

魔王「―――ごふ!?」

王「え……!?」

兵士「「!?」」

魔物「「ワー!?魔王様がしんだー!!」」

勇者「―――人間の勝利だ!!軍を退け!!王よ!!!」

王「なに……!?」

勇者「魔王は勇者が倒した!!これ以上、この地で血を流すことは許さない!!即刻去れ!!」

王「だが……?!」

勇者「文句があるのか……?私は世界の希望である勇者だぞ?」

王「くぅ……」

姫「お父様」

王「お前……なぜ、ここにいる?」

姫「勇者様の手によって戦争は終結しましたわ」

王「……」

兵士「王、騙されてはいけません!!―――勇者と姫は魔王の支配下に!!」

勇者「王よ。勇者の言葉と一兵士の言葉。どちらが民衆の心を惹きつけるか、分からないとは言わせない」

兵士「な……!?」

勇者「お前に国を振い立たせるだけの発言力はない!!」

兵士「くそが……」

勇者「退け」

姫「お父様……帰りましょう?」

王「………全軍……撤退だ……」

姫「では、勇者様……後ほど」

勇者「はい」

魔物「魔王さまがしんだー!!!」

側近「えーん!えーん!!」

ドラゴン「くやしいのぉ!!くやしいのぉ!!」

勇者「―――はい、カット。お疲れ様」

魔王「ふう……死んだふりも楽じゃないね」

勇者「よく即興お芝居に付き合ってくれたな」

魔王「魔物は耳が良いんでね。遠くの声も聞こえるのさ」

勇者「そう……」

魔王「助かった」

勇者「でも、これからだ。この領地に侵攻してくる国は増える。魔王がいないと思っているから」

魔王「それをさせない算段も既にあるんだろう、勇者ちゃん」

勇者「ま、まあ……ね」

魔王「かわいいなぁ!!おい!!今日は添い寝しちゃうぜ!!」

勇者「くっつかないで……鬱陶しい」

魔王「ペロペロペロ!!」

勇者「きもいなぁ……」

魔王「で、これから勇者ちゃんは我と子作りに励むわけだろ!?」

勇者「え!?」

側近「ひゃっほー!!最高の遺伝子が混ざり合うぜー!!」

勇者「ま、まだ無理に決まってるだろ……!!」

魔王「我のは体格に似合わずちっこいからいけるぜ?」

勇者「なにいってのよ!!不潔!!変態!!」

魔王「おっほほほ!!もっと言って!!」

勇者「こいつ……」

側近「して、この領地を守る作戦とは?」

勇者「それは姫様がしてくれると思う」

魔王「姫ちゃんが?うれしいねえ」

―王城―

王「なに!?」

姫「ですから、あの領地は誰のものでもなく、自然のままに残しておくべきです」

王「何を言っている!!あそこの大地があればより国は強大になる!!」

姫「魔王を倒したのは実質この国です。領地を広げなくともその他国に強気の外交ができるだけのステータスが上がったといえます」

王「しかし、より完璧に……」

姫「大きすぎる領地は不法入国の温床になりかねません。自然のままで残しておいたほうが実害は少なくて済みます!!」

姫「ただでさ戦争で疲弊している自国が、完璧な監視など行えるはずがないですからね」

王「……」

姫「整地してからテロをおこされるより、経済的だと思いますよ?」

王「……つまりどうするんだ?」

姫「不可侵条約を結べばいいだけですよ、お父様?」

王「各国とか」

姫「はい」

―魔王城―

魔王「勇者〜愛してるぞ〜」

勇者「分かったから毎日言うな!!」

側近「魔王様、勇者様!!」

魔王「ん……おお!?」

姫「お久しぶりです」

魔王「ふはははは!!姫君が来るとは感激だ!!」

勇者「しばらくこっちに?」

姫「はい。自由領地の視察という名目で」

魔王「姫ちゃんのおかげで変な軍隊がくることもないし……感謝してるぞ」

姫「いえ……おじさまのためですから」

魔王「このこの〜かわいいやつめ」

勇者「……ふん」

姫「あの……おじさまと勇者様ってずっといるんですよね?―――もう済ませちゃいました?」

勇者「姫様!?何を仰っているんですか!?」

魔王「それがもう、鉄の処女ってやつで」

姫「あらまあ」

勇者「だ、だって……まだ……早い……でしょ?」

姫「そんなことはないと思いますけど?」

魔王「姫ちゃんは……最高だったぜ?」

姫「や、やだ……おじさまったら……」

勇者「え!?どういうこと?!」

魔王「だから勇者も大丈夫だ」

勇者「ほ、ほんとに?」

姫「大丈夫……おじさまは優しいですから……ほら……ぬいで」

勇者「や、やさしく……してくだ、さい……」

魔王「ふははははは!!!齢13の少女ぐらい満足させてみせるぞ!!」

勇者「うぅ……」

姫「おじさま……あとで私も……」

魔王「まかせとけ!!ふはははは!!!!」

―ドラゴン牧場―

ドラゴン「ウノ!!」

側近「またかよ!!」

―――ぎゃあぁぁああああああ!!!!!!

ドラゴン「……魔王様?」

側近「ホントにレディの扱いは下手なんですから」

ドラゴン「ああ、そういうことか」

側近「魔物の心を惹きつけられても、女の子の心はだめみたいだからなぁ」

ドラゴン「魔王様の子ども……いつみれると思う?」

側近「5年後ぐらいかな?」

ドラゴン「そんなものかな」

勇者「―――魔王なんてきらい!!死ね!!痛いだけじゃない!!!」

魔王「片腹痛い!!!さっきの横蹴りで片腹痛い!!―――勇者まってくれ〜!!」

側近「10年後に変更だな」

ドラゴン「そうだな。まだまだ見れそうにねえや」

おしまい。

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この記事のコメント一覧
1 . 名無しさん  ID:7tsKuykT0編集削除
なんだこれ
2 . 名無しさん  ID:COoYYsr30編集削除
このシリーズ、いつもの如くアットホーム感があって好きです。長いけど最後まで読んじゃうな。
3 . 名無しさん  ID:71QhkqYC0編集削除
おもしろかったよw
こういう話は好きだなww
4 . 名無しさん  ID:pxsBqr280編集削除
パンツ脱いだけどホッコリした(何
5 . 名無しさん  ID:.nqQA4YM0編集削除
>魔王(こんな子に倒されるのは嫌な気分じゃないが……魔王としての威厳もあるしな)
>魔王(とりあえず、ケツでも触っとくか)

威厳とは一体
6 . 名無しさん  ID:t5GIuPXx0編集削除
4行目まででやめておくのが
コストパフォーマンスいい気がした。
7 . 名無しさん  ID:qB.QLY8S0編集削除
ここ、SSまで載せるようになったのね。。。
8 . あ  ID:hsxiZzO.0編集削除
なげえよ
初めから飛ばしな

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