リサイクルショップで買った自転車が盗品だった。
東京都某市のリサイクルショップで、自分的にカッコいいと思うマウンテンバイクがあったので入ったばっかのバイト代で購入した。
新品同様でほとんど痛んでいる所もなく、変なガタつきもないので正直いい買い物したな、と大満足。
そんなある日、駅前で駐輪していたマウンテンバイクの前にオマワリさんと高校生くらいの坊主が立っていた。
「この自転車はあなたのですか?」
とオマワリさんが聞いたのでそうだと言うと2人は顔を合わせて頷き、ちょっと交番までお願いします、と。
ワケも分からないまま交番に着いていくと、そこでようやくこのバイクが盗まれた者だと説明を受けた。
ホントにそうなのか?間違いはないのか?と念を押して確認すると、このバイクと全く同じタイプの物の盗難届が高校生の名前で出されていた事と、高校生が
「○○の場所に名前が彫ってあります。僕の名前は××□□です」
という証言が。
そこを調べてみると、ばっちりその名前が彫ってあった(普通こんなところに絶対名前彫らないだろ、って所に5分そこらじゃ絶対彫れないような難しい漢字で)。
ここで半テンパリしかけたが、元来のものぐさな性格のせいで買った後財布にレシートと領収書を入れっぱなしにしてたのを思い出し、慌てつつも俺は△△って店で買った。
レシートと領収書がこれ。
店に聞いてもらってくれて構わないからやってくれ!と頼み込んだ。
結局そのレシート・領収書とリサイクルショップの店員の証言から俺がシロだという事が分かり、オマワリさんとその高校生からは平謝りされた。
バイクはどうするか悩みに悩んだが、高校生が呼んだ親御さんに最初に謝られた上で、
「息子の思い入れの強いバイクなので、
購入時の金額+防犯登録の金額を払うから買い戻させて欲しい」
と頼まれたので、お返しすることにした。
その後、どこでどう話が漏れた挙句捻じ曲がって伝わったのかは分からないが、
『この店(バイクを買った店)は盗品をボッタクリ価格で販売してる恥知らずな所』というウワサがいつの間にか流れてしまっており、俺も『盗品でボッタクられた被害者』って事になってしまっていた。
最終的にそのウワサのせいで騒動が起きた3ヵ月後くらいにそのリサイクルショップは潰れてしまった。
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