武勇伝ではないけど変態男を駆除した話。
以前、地下鉄に乗っていたら半デブ、長髪の結構な大男ですがGパン履いて生白い体に黒のタンクトップといういでだちで「妙なセンスの奴だな」という男が乗り込んできました。
車内はそんなに混んでおりません。なのにポツンと座っていた若い女性にいきなり密着するように座るのです。
で、見ているとその男、ぐいぐいと自分の身体を女性に押しつけてます。
「あれ、あいつ何やってんだ?」と判断がつきかねていると変態男に体を押しつけられた若い女性が嫌そうな顔をしてパッと立ち上がって逃げるように別の車輌に行ってしまいました。
「あれは変態という奴か?」と思っているとその変態男、陰湿な目つきで車内を見回して今度は私の目の前に座っている若い女性のところにトコトコ歩いて来てその女性の真横に座ってさっきと同じように体をグイグイ押しつけています。
その女性の表情が当惑から嫌悪、不安、恐怖に変わったところで私の中では「やっぱこいつは変態だぜ」と決定いたしました。
「おーいアンチャン、そんなに狭いならオレの隣が空いてるぜ」
と私が言いますと変態は口をモゴモゴさせて何かつぶやいて私の方を見ようとしません。
その態度に腹が立ったので、
「オレはお前に言ってんだよ。テメーみたいなのがそこにいると暑苦しいんだよ!」
と怒鳴りつけたら
「あう、あう」
とか言って次の駅で降りて行きました。
話はこれだけ。
嬉しかったのは変態が下車した後、その女性が私の方を見てペコリと頭を下げたので私が笑いながらピースサインをしたらその子もテレながらピースサインを返してくれました。
ついでに下車駅が同じだったのですがその時に
「先ほどは有難うございました、助かりました」
とお礼まで言ってくれた。
テレビなんかだとここから恋愛が始まったりするんだろうけど現実には何も始まりませんでした。
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