俺「なぁ・・・。」
飯を作っている嫁を手伝いながら(皿出しぐらいだけど)声をかけた。
俺「その、嫁に伝えたい事があるんだけどさ・・・。」
嫁「・・・!?え、なに、どうしたの・・・?」
不安そうな顔になる嫁。
昔からの癖と言うか、嫁は「別れる時は自分からは絶対にない。あるとしたら私が捨てられる方」という強迫観念みたいなものを持っていて、恋人の時からこうやって話を振るとその考えが頭を過るとかなんとか。
惚れた方の弱み、みたいなものらしい。
こっちはそんな気を起こした事は一度もないんだが。
嫁「・・・なに?なに?」
言いだせなくて黙るものだから、どんどん泣きそうになる嫁。
ええいままよと、恥ずかしさを押し殺してなんとか言えた。
俺「いつもありがとうな。その・・・愛してるよ。」
・・・嫁、相当驚いていた。
固まっていた。
そりゃ何年も愛してるどころか、好きと言ってやる事もなくなってたからな。
そしたら、嫁が一気に今まで見た事ないぐらいの超笑顔になる。
ニコー!っと擬音が聞こえてきそうなぐらい。
嫁「わ、私も○○の事すごい愛してる〜!」
タックルからしめつけるような抱擁のコンボを喰らった。
顔も胸にぐりぐりしてきて、言ったこっちまで幸せな気分になって、ぎゅっとしばらく抱きしめてあげたw
嫁とは高校時代からの付き合い。
あまりに長く一緒にいたもんだから、恋人時代のうちから家族のような関係になり、結婚もその延長のような感覚で、「夫婦」というのにもあまり実感がなかった。
早い時期から一緒にて、感謝はしているんだけど、当たり前になりすぎていたみたいだ。
でも、ちゃんと言葉にしてやらなきゃダメだな。
大事にしている人形に報告している嫁が可愛いw
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