義理家族構成はトメ、義姉、旦那の三人(ウトは鬼籍)。
義姉の家と私達夫婦の家は徒歩三十分。
義姉はトメと同居して養っている。
トメは、例えば私をわざわざ呼び寄せて掃除をさせ、自分は何もせず、掃除させたところを眺めて
「まあ、ちっとも綺麗になってないじゃない。掃除もまともにできないのねpgr」
というようなことをする人。
(呼びつけるのは義姉のいない間)他にも洗濯や料理など…
ある日そんなことを繰り返していると、突然、仕事に行っているとばかり思っていた義姉が現れた。
何故か裁縫道具や洗濯ばさみ、書類とかを綴じるクリップ、ガムテープなどを持って。
ニッコリ笑う義姉。
青ざめるトメ。
何処に隠れていたのか、全然気づかなかったと本気でビビる私。
「選べ」
と言った。
「え?」
と戸惑うトメと私。
義姉は持っていたものをテーブルの上に並べ、
「選べっつってんだよクソババア。てめえの口を塞ぐものだよ。
好きなのを取れよ。私のお勧めはお口チャックかな、本当の意味での」
さーっと青ざめていくトメ。
綺麗な言葉遣いの義姉しか知らない私も同じく。
そしてトメと私を正座させ、説教する義姉。
内容としては、
トメへ→嫁子さんはあんたの奴隷ではない、という趣旨のこと。
実の子供にここまでされて、情けないとは思わないのか。
私へ→トメのいうことをきいてこっちに来る余裕があるのか?自分の家のことは?
何よりどうして弟に相談しなかった。
あなたはお母さんの奴隷ではないんだよ。
ちゃんと自分で考えて行動する権利を持った人間だから。
正確には覚えてないけど大体こんな感じで、こんこんと諭してくれた。
おかげで眼が覚めた。
確かに自分の家と他人の家の家事できるほど器用じゃない…
とりあえずトメは少しふてくされてたけど、私に対して謝罪した。
実は少し前に、(何も知らない)旦那が
「今度の週末、久々に姉さんのところに行きたいんだけど」
と言ったことがあった。
そのとき、微妙に私の表情が曇ったらしい。
それを見逃さなかった旦那は姉に上記のことを話して
「姉さん、心当たりない?」
と相談したそうだ。
義姉も旦那も妙に勘の鋭い人で、義姉が「もしかして嫁いびり?」と思った理由は、
「洗濯物の畳み方がいつものお母さんの畳み方と違ったから、嫁子さんにやらせているのかと思った」
私なら多分一生気づかない…
このことがあって、義姉も旦那も「母が何かしたのでは?」という結論に落ち着いたそうだ。
それで、わざわざ仕事を休んでまで、こんなことをしてくれたと。
義姉は今までとっつきづらい人と思って微妙に避けていたけど、
「気持ち悪かったらごめんね…びっくりさせたよね…もっと早く気づけなくてごめんね」
と、あとでお詫びに連れて行ってもらった美味しいケーキのある店で言われ、微妙にキュンときた。
「弟が良い人を連れてきてくれて良かった、嫁子さんは手芸が趣味だというし、
本当は一緒に刺繍とかしたい、色々話してみたりしたいと思っていた」
とも言われた。
旦那にも
「あんな母でごめんな…もう行くなよ、理不尽な命令を聞く必要はない、本当にごめん」
といわれた。
あなたたちは悪くないでしょうに…
トメは義姉の説教の中で
「お母さんは今、すごく醜い顔をしている。自分の母親をこんな人だと思いたくなかった、本当に情けない」
といわれたのがショックだったのか、今はとてもおとなしい。
何も言ってこないし、萎縮している様子。
(ちなみに義姉は旦那いわく結構口が悪く、昔はよく故ウトに窘められていたとか)
ちょっと週末義姉と一緒にユザ○ヤ行ってくる。
正座の件に関しては、なんと言いますか、私がヘタレすぎて見ていられなかったからではないでしょうか。
トメが悪いのは勿論のことだが、何故私も進んで奴隷になっていたのか?
奴隷になるために結婚したのではないでしょう?
というようなことを言われました。
正座させられてお説教なんて少し懐かしい感じがしました。
決して不愉快ではありませんでしたよ。
「どうして信用してくれなかった」
と義姉と旦那に泣きそうな顔で言われました。
今思うと自己陶酔も入っていたと思います。
「耐える私カッコイイ!」みたいな。
我ながらキモい。
とりあえずこれからは、趣味の合うこともわかったので義姉とは仲良くできそうです。
これより先はプライベートモードに設定されています。閲覧するには許可ユーザーでログインが必要です。
|
|
