体験談：姑はいい姑だったのだが夫が最悪だった [衝撃]

そんな姑を見て私も泣いた。

後始末をして冷たくなった服を着替えをさせる私に、姑は

「ごめんねごめんね」

といいながら泣いていた。
その夜夫は日付が変わる頃に大トラになって帰宅した。

翌日うちにきた小姑に、姑は

「施設に入りたい」

と訴えたそうだ。
姑は大ウ姑の介護をしていて介護をする辛さも知っているし、娘や嫁に下の世話をされるのは恥ずかしい、それならお金を払って他人にやってもらうほうがよいと小姑に言った。
小姑も私も少し前から自宅での介護の限界を感じてた。
姑にはお金もあるし、小姑夫のつてでいくつか優良と思える施設を探していた。
小姑は姑にも私にも内緒で施設の見学に行って、目をつけた施設があった。
そして小姑夫婦と私達夫婦と姑で、姑の今後について話し合いをすることになった。

小姑夫婦と私は姑が施設に入るのに賛成だった。
反対したのは夫一人。

「家で介護されるのが姑には一番幸せなはず」

というのがその理由だった。
よくいうよ。
夫はなにもしなかったくせに。
介護経験も知識もない小姑や私が、ほぼ同じ体格の姑の入浴介助をするのは大変だった。
歩くのを支えるのだって大変だった。
小姑が日中我が家に来て姑の介護をしていたから、小姑家の家事は滞っていたのに、小姑夫は文句ひとつ言わなかったそうだ。
小姑コもお婆ちゃんのためだからと、家事を手伝ったりしていたそうだ。
夫は私が料理をしている最中でも私を呼びつけて姑のトイレ介助をさせた。
姑はトイレまで支えて歩かせたら、あとはきちんと自分でできたのに。

「あんたは何もしないでしょう？大体施設に行きたいと言うのはお母さんの希望なんだよ」

という私の言葉に返ってきたのは、

「そんなことに無駄金を使う必要はないんだ。遺産が減るだろ」

という夫の言葉だった。
その場に居た皆言葉を失った。
夫も失言に気付いたみたいだったけど止まらなかった。
嫁と姉が介護すればウト遺産がまるまる残る、介護施設なんて金を吸い上げる悪徳ばかり・・・夫の暴言は止まらなかった。
気がついたら姑がぼろぼろ泣いていて、小姑夫が夫に掴みかかってた。

その後姑を連れて私はマンスリーに移った。
施設に入るには手続きとかいろいろあって少し時間がかかったんだけど、夫と一緒にはしておけなかったし、小姑家は３人の中高生がいて、空いてるスペースなんてなかったから。
小姑が日中は介護して、夜は私が看て、週末には小姑家族が姑をいろんなところに連れて行った。
姑は弁護士だかなんだかを入れて、財産の管理人を小姑にした。
姑が施設に入ってからしばらくして私は離婚した。
私が姑の介護をしている間に、不倫していたのが分かったから。
不倫相手に押しかけられて知った。
でも、離婚の一番の理由が不倫じゃないってことを夫は気付かなかったと思う。
離婚して、私は知人の紹介で遠くで働くことになって引っ越した。
引っ越しても姑には手紙を送って、姑からも手紙や、たまに施設で作った小物が送られてきた。
小姑から姑の写真が送られてくることもあって、孫３人に囲まれてすごく幸せそうだった。

それからもっと年月が過ぎて、姑が亡くなったと小姑から小包と手紙が届いた。
姑がウトから銀婚式に買ってもらったネックレスと指輪を私にと残してくれてた。
遺言で嫁に少しだけどお金を渡すようにあった、けど姑の施設費用や旅行なんかで全部使い切っちゃったもんね！
と小姑からの手紙にあった。
小姑最後まで良小姑だった。
遺産が１円もないって分かったときの元夫の顔がみてやりたかった。
私に親がいなくて、良ウ姑と小姑だったから仕事しながら介護とか頑張れたんだろうなあと思う。

片付けてたら姑のネックレスと指輪を見つけて昔語りしてしまった。