彼女は静かに自身の鼓動に耳を傾けている。左手を心臓のある方の胸にのせるのが彼女の癖であった。蒼白の月夜、夜風にその微笑を揺られながら、彼女は考えているのだ。迷うことなどない。鼓動はいつだって正しかったじゃないか。蒼白の月夜、夜風にその身を翻し、彼女は摩天楼の風景に溶け込んでいった・・・。
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